上京東部医師会との懇談会 11.20 愛寿会同仁病院

「外来医師多数区域における新規開業」,「 マイナンバーカードを用いたオンライン資格確認」について議論

 上京東部医師会と府医執行部との懇談会が11 月20 日(水),愛寿会同仁病院で開催され,上京東部医師会から8名,府医から6名が出席。「外来医師多数区域における新規開業」,「マイナンバーカードを用いたオンライン資格確認」をテーマに活発な議論が行われた。

外来医師多数区域における新規開業

 「外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン」で,外来医師多数区域においては,新規開業者に対して,地域で不足する外来医療機能を担うことが求められ,新規開業届出様式には,これに合意する記載を設けるとともに,協議の場(地域医療構想調整会議)にて合意の状況を確認することが定められた。これについては,全国各地で「開業規制ではないか」との声が出たが,「強制力を持って,医師の開業を制限するものではない」ことを厚労省が明言している。

 京都府では,地域の実情を考慮した「医師確保計画」の策定が進められており,地域医療構想調整会議においても,医師偏在に係る地域の実情を共有し,地域に即した対策に取組む必要があると考えられている。また,新規開業医に対しては,地域の医療ニーズが把握できるように「京都健康医療よろずネット」等を活用した地域の医療ニーズの「見える化」が図られる予定である。

 地区からは,「自由開業制と実際の開業時の調整は根本的に変わっていないのか」,「入会している先生としていない先生への対応をどうするのか」との意見が出された。

 開業時の調整については,後のことを考えずに投資を促すディベロッパーに対しては,「外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン」が策定されたことにより,医師会への意識が高まるのではないかと回答した上で,府医は京都府との連携を密にしており,地区ごとの診療科の分布等を「視覚化」することも検討していると補足した。

 非会員医師への対応については,新規開業の先生方が医師会に相談してもらえる方向に促すことで,様々な指導や医師会入会の促進等を行っていきたいと回答した(本誌3.1号P6~7参照)。

マイナンバーカードの保険証利用,オンライン資格確認

 マイナンバーカードの保険証利用に対する日医の見解,オンライン資格確認の導入によって考えられる変化と課題について解説(本誌2.15 号P4~5参照)。

 地区からは,「国としてどの程度,オンライン資格確認の導入に力を入れるつもりなのか,また,本人も知らない個人情報をマイナンバーに集約し,情報を一括管理することに対し,リスクが大きい」と意見が出された。

 マイナンバーカードはある程度の利便性があることは理解できるものの,普及率が十分でなく,現状では効率化や利便性の向上につながるとは思えず,営利企業に持ち出される危険性等のリスクがあり,基本的に反対であると府医の考えを示した。

2020年4月1日号TOP