保険だより – アルカリホスファターゼ(ALP)および乳酸脱水素酵素(LD)の測定法の変更に係る対応について

 生化学的検査の測定項目であるアルカリホスファターゼ(以下,「ALP」という)および乳酸脱水素酵素(以下,「LD」という)の測定法については,国内では一般社団法人日本臨床化学会(Japanese Society of Clinical Chemistry)が定めた測定法(以下,「JSCC 法」という)が一般に用いられていますが,本年4月1日より,準備の整った施設から順次,諸外国で広く用いられている国際臨床化学連合(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)の測定法(以下,「IFCC 法」という)への切り替えが実施されますので,下記のとおりお知らせします。

○新たな測定法となるIFCC 法の特徴
・ALP については,測定値及び基準値の範囲がJSCC 法の1/3 程度になる
・LD については,測定値及び基準値の範囲に変更はないものの,肝疾患などではJSCC 法に比べ低値傾向になる
○本件に係る留意点
・院内で検査を行っている場合にあっては,体外診断用医薬品及び分析装置において必要となる対応を行い,当面の間,ALP 又はLD の測定項目の名称の語尾に「IFCC」又は「IF」等の略称を付記する等,IFCC 法の測定結果であることを明示すること
・検査を衛生検査所に委託している場合にあっては,測定法の変更時期や測定法変更後の表記について,衛生検査所との十分な情報共有をすること
・院内への周知に当たっては,医療安全に係る安全管理のための委員会の関係者,医療安全管理者,医療機器の安全使用のための責任者等に対しても周知し,診療に際して誤認のないようにすること

2020年4月15日号TOP