京都府医師会 創立73周年を迎えるにあたり

 令和2年11月3日,府医は創立73周年を迎えます。
 白寿2名,米寿31名,長寿34名の祝福を受けられる先生方,また,叙勲受章者2名,褒章受章者1名,大臣表彰受賞者5名,永年在任役員・代議員1名,永年勤続職員1名の表彰の栄に浴されました先生方におかれましては,誠におめでとうございます。
 本来であれば,例年のように創立記念式典を開催し,ご祝意を申し上げるべきところではございますが,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,誠に残念ながら,本年は開催を中止させていただくこととなりました。
 会員の皆様に感謝をお伝えする行事が実施できないことを非常に残念に思いますが,何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
 さて,本年1月以降,私たちがかつて経験したことのない新型コロナウイルス禍が深刻な影を社会全体に落としています。4月16日には京都府を含め全国に緊急事態宣言が発令され,国民に対して外出自粛が呼びかけられました。府医でも,多くの委員会や研修会等の中止・延期を実施しました。また,感染拡大防止のため,Web会議システムを急遽導入し,役員会をはじめ各種会議をWeb会議にて開催しております。会務運営を縮小するなど,会員の皆様には,ご不便,ご迷惑をおかけいたしましたことお詫び申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症については,2月7日に「新型コロナウイルス感染症対策チーム」を発足し,行政,地区医をはじめ関係機関と連携し,感染者の早期発見とそのための検査体制の整備,宿泊療養者の健康管理などを担当してまいりました。
 新型コロナウイルス感染症は未だ収束は見通せませんが,この間も確実に進んでいる少子高齢社会に備えての社会保障をどう確保するかという大きな課題に直面していることは変わりません。9月16日,菅政権が誕生しましたが,新政権には一層の緊張感を持って具体的に施策を進めていただくことを期待しつつ,必要に応じた政策提言も我々の責務と考えております。今後も繰り返し起こるであろう新興・再興感染症は国民の生命や社会生活の質に多大な影響を与えるものであり,平時における医療提供体制として地域医療構想を含めて再検討の必要性も明らかになりました。また,AI(人工知能)やICTの活用による診断・治療技術の進歩は目覚ましく,医療を取り巻く環境は益々大きな変化の時代を迎えております。
 医療分野に対する様々な課題も山積しておりますが,これからの10年,20年をしっかり進めるよう頑張ってまいりたいと思いますので,今後も益々のご指導・ご鞭撻・叱咤激励をお願い申し上げます。

 令和2年11月3日

一般社団法人京都府医師会 会長  松井 道宣

2020年12月1日号TOP