令和2年度 肺がん検診研修会を開催

 11月26日(木)令和2年度「肺がん検診研修会」が開催され,府内肺がん検診の読影委員,府医会員,精密検査医療機関の専門医,保健センター関
係者等28名が参加した。
 本研修会は,府医肺がん対策委員会が中心となって京都府内における「肺がん検診」の精度向上を目的として,年1回開催している。
 今回は,新型コロナウイルスの感染拡大のため,外部から講師を招聘しての特別講演,集合して胸部レントゲン画像を読影する実習を取り止め,Cisco Webex Meetings を用いてWEB開催した。
 講師は,府医肺がん対策委員会委員長の下山恵司先生が担い,最初に令和元年度京都府肺がん検診の結果報告と総括がなされた。令和元年度の検診では,直近の10年で最多となる74件の肺がんが発見され,うち56%がstage Ⅰであった。また,発見がんのうち8件はD判定(肺がん以外の疾患疑い)より発見されており,がんが疑われる場合は,E判定(肺がんの疑い)として精密検査を実施いただくよう呼び掛けられた。
 続いて,令和元年度発見肺がんの症例検討が行われた。今回は,15症例を取り上げ,下山委員長は集団検診の胸部レントゲン画像について参加者の見解を聞きつつ,その後の精密検査で確定診断をした際のCT画像を提示し,読影の際に注意するべきポイントを加えて解説した。
 参加者からは「胸部写真の読影の基本を再認識することができ有意義な研修会でした」等の感想が寄せられた。
 府医の肺がん対策委員会では,今後も肺がん検診の精度向上に繋がる取組みを続けていきますので,次回も多数の参加をお待ちしております。
 なお,当日,参加いただけなかった方などにも視聴いただけるよう,研修の録画を府医のホームページで視聴いただけます。視聴は京都府内の医療関係者に限ります。視聴をご希望の場合は,下記アドレスへmailにて,表題を「肺がん検診研修会視聴申込」とし,①氏名 ②勤務先 (医師以外の場合③職種)を記載の上1月7日(木)までにお申し込みください。視聴に必要なID・パスワードを返信します。視聴期間は1月15日(金)までを予定しております。

申し込み先 アドレス
 chiiki-kensyu02@kyoto.med.or.jp

令和元年度 京都府肺がん検診の実施状況

【指標値】要精検率3.0%、癌発見率0.03%以上、陽性反応的中度(癌/要精検)1.3%以上

日本肺癌学会 集団検診委員会 胸部X線写真による肺癌検診小委員会編「肺がん検診のための胸部X線読影テキスト」

2020年12月15日号TOP