保険だより – 療養病棟入院基本料等における新型コロナウイルス核酸検出等の算定について

 標記について,臨時的な診療報酬の取り扱い(その22)として示されましたので,お知らせします。

1.新型コロナウイルス核酸検出等の算定について

(1)療養病棟入院基本料等を算定する場合

 次に掲げる入院料を算定する患者に対し,SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出及びSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出を実施した場合にあっては,別途,SARSCoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出及び微生物学的検査判断料並びにSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出及び免疫学的検査判断料を算定できることとする。

 なお,検査を実施した日時及び検査実施の理由等について,レセプトの摘要欄に記載すること。

【療養病棟入院基本料】【障害者施設等入院基本料(注5に規定する特定入院基本料又は注6に規定する点数を算定する場合に限る)】【有床診療所療養病床入院基本料】【救命救急入院料】【特定集中治療室管理料】【ハイケアユニット入院医療管理料】【脳卒中ケアユニット入院医療管理料】【小児特定集中治療室管理料】【新生児特定集中治療室管理料】【総合周産期特定集中治療室管理料】【新生児治療回復室入院医療管理料】【特殊疾患入院医療管理料】 【小児入院医療管理料】【回復期リハビリテーション病棟入院料】【地域包括ケア病棟入院料】【特殊疾患病棟入院料】【緩和ケア病棟入院料】【精神科救急入院料】【精神科急性期治療病棟入院料】【精神科救急・合併症入院料】【児童・思春期精神科入院医療管理料】【精神療養病棟入院料】【認知症治療病棟入院料】【特定一般病棟入院料】【地域移行機能強化病棟入院料】【短期滞在手術等基本料】

(2)介護老人保健施設等に入所等している場合

 介護老人保健施設又は介護医療院に入所(これらにおいて短期入所療養介護又は介護予防短期入所療養介護を受けている場合を含む)する患者に対し,医療機関がSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出及びSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出を実施した場合にあっては,別途,SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出及び微生物学的検査判断料並びにSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出及び免疫学的検査判断料を算定できることとする。

 なお,検査を実施した日時及び検査実施の理由等について,レセプトの摘要欄に記載すること。

(3)入院中以外において一部の医学管理等を算定する場合

 入院中以外において,小児科外来診療料,地域包括診療料,認知症地域包括診療料,小児かかりつけ診療料,生活習慣病管理料,手術前医学管理料又は在宅がん医療総合診療料を算定する患者に対し,SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出及びSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出を実施した場合にあっては,別途,SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出及び微生物学的検査判断料並びにSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出及び免疫学的検査判断料を算定することができることとする。

 なお,検査を実施した日時及び検査実施の理由等について,レセプトの摘要欄に記載すること。

2.レセプトの記載方法等について

 1.に基づき算定した検査の費用を請求する場合におけるレセプトの記載方法等の取扱いについては,次のとおりとする。

(1)記載方法

 自己負担に相当する金額の請求方法等については,「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査の取扱いについて」(令和2年3月4日健感発 0304 第5号厚生労働省健康局結核感染症課長通知。6月2日最終改正。)において,医療機関においてレセプトを作成し,審査支払機関に請求を行い,レセプトに基づき公費の補助を行うこととされていることから「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査の保険適用に伴う費用の請求に関する診療報酬明細書の記載等について」(令和2年5月13日付保医発0513第2号厚生労働省保険局医療課長通知)に基づき記載すること。

(2)請求方法

 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令第七条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める様式(平成20 年厚生労働省告示第126 号)を用いて,別途,書面により請求すること。

3.その他の診療報酬の取扱いについて

問1 1.(1)を算定するに当たって,2.に基づき作成するレセプトにおいて,検体検査実施料及び検体検査判断料(※)以外の算定項目(入院料等)はどのように記載するのか。

(答) 検体検査実施料及び検体検査判断料以外の算定項目については,通常の手続きに則りレセプトを作成し,これとは別途,2.に基づき作成するレセプトには,検体検査実施料及び検体検査判断料のみを記載すること。
 また,次に掲げる事項について,レセプトの摘要欄に記載すること。
  ア 検査を実施した日時
  イ 検査実施の理由
  ウ 本検査が必要と判断した医学的根拠(診断を目的とする場合に限る。)
  エ 検査の結果(退院可能かどうかの判断を目的とする場合に限る。)
  オ 当該患者が算定する入院料
 なお,請求に当たっては,審査支払機関に対して,療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和51年厚生省令第36号)第7条第1項に規定する届出は不要である。
(※)SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出及び微生物学的検査判断料又はSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出及び免疫学的検査判断料をいう。

問2 1.(2)を算定するに当たって,2.に基づき作成するレセプトはどのように記載するのか。

(答) 2.に基づき作成するレセプトには,検体検査実施料及び検体検査判断料のみ(※)を記載すること。(※)問1参照
 また,次に掲げる事項について,レセプトの摘要欄に記載すること。
  ア 検査を実施した日時
  イ 検査実施の理由
  ウ 本検査が必要と判断した医学的根拠
  エ 当該患者が入所している施設の別
 なお,請求に当たっては,審査支払機関に対して,療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和51年厚生省令第36号)第7条第1項に規定する届出は不要である。

問3 1.(3)を算定するに当たって,2.に基づき作成するレセプトにおいて,検体検査実施料及び検体検査判断料(※)以外の算定項目(医学管理料等)はどのように記載するのか。(※)問1参照

(答) 検体検査実施料及び検体検査判断料以外の算定項目については,通常の手続きに則りレセプトを作成し,これとは別途,2.に基づき作成するレセプトには,検体検査実施料及び検体検査判断料のみを記載すること。
 また,次に掲げる事項について,レセプトの摘要欄に記載すること。
  ア 検査を実施した日時
  イ 検査実施の理由
  ウ 本検査が必要と判断した医学的根拠
  エ 当該患者が算定する医学管理料等
 なお,請求に当たっては,審査支払機関に対して,療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和51年厚生省令第36号)第7条第1項に規定する届出は不要である。

2020年7月1日号TOP