保険だより – 薬価基準の一部改正等について 6月19 日から

 6月18 日付厚生労働省告示第239 号および第240 号をもって,薬価基準および掲示事項等告示の一部が改正され,6月19 日から適用されましたので,その概要を下記のとおりお知らせします。

 今回の改正は,後発医薬品等が薬価基準に収載されたこと等によるものです。

▷新たに収載されたもの(6月19 日から適用)

<内用薬>

<注射薬>

<外用薬>

▷薬価基準の一部改正にともなう留意事項について

(1)ガランタミン製剤(ガランタミンOD 錠4mg,同OD 錠8mg 及び同OD 錠12mg)
 本製剤の効能・効果は「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」であることから,軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症であることが確認された患者に対して使用した場合に限り算定できるものであること。

(2)メマンチン塩酸塩製剤(メマンチン塩酸塩錠5mg,同錠10mg,同錠20mg,同OD 錠5mg,同OD 錠10mg,同OD 錠15mg,同OD 錠20mg 及び同DS 2%)
 本製剤の効能・効果は「中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」であることから,中等度及び高度のアルツハイマー型認知症であることが確認された患者に対して使用した場合に限り算定できるものであること。

(3)ナラトリプタン錠2.5mg「KO」
 本製剤の効能・効果に関連する使用上の注意に,「本剤は,国際頭痛学会による片頭痛診断基準により,「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。」とされているので,使用にあたっては十分留意すること。

(4)ラベプラゾールNa 錠5mg「サワイ」,同錠5mg「ファイザー」,同錠5mg「AA」,同錠5mg「杏林」,同錠5mg「武田テバ」,同錠5mg「トーワ」,同錠5mg「日新」,同錠5mg「JG」及び同錠5mg「YD」並びにラベプラゾールナトリウム錠5mg「日医工」,同錠5mg「ケミファ」,同錠5mg「サンド」,同錠5mg「科研」,同錠5mg「TCK」及び同錠5mg「NPI」並びにラベプラゾールNa 塩錠5mg「オーハラ」及び同錠5mg「明治」
 本製剤の低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制に係る用法・用量においては,1日1回5mg を中心用量とすること。ただし,初回処方より1日1回10mg を投与することを排除するものではないこと。

(5)デュタステリドカプセル0.5mgAV「サワイ」,同カプセル0.5mgAV「DSEP」,同カプセル0.5mgAV「武田テバ」,同カプセル0.5mgAV「AFP」,同カプセル0.5mgAV「TC」,同カプセル0.5mgAV「トーワ」,同カプセル0.5mgAV「日医工」,同カプセル0.5mgAV「ニプロ」,同カプセル0.5mgAV「JG」,同カプセル0.5mgAV「BMD」,同カプセル0.5mgAV「フソー」,同カプセル0.5mgAV「杏林」,同錠0.5mgAV「明治」,同錠0.5mgAV「DSEP」,同錠0.5mgAV「NS」及び同錠0.5mgAV「YD」
 本製剤の効能・効果は「前立腺肥大症」であり,本製剤を有効成分が同一のザガーロカプセル0.1mg 及び同0.5mg の効能・効果である「男性における男性型脱毛症」の治療目的で処方した場合には,保険給付の対象としないこととすること。

(6)タダラフィル錠2.5mgZA「サワイ」,同錠2.5mgZA「フソー」,同錠2.5mgZA「日医工」,同錠2.5mgZA「ニプロ」,同錠2.5mgZA「あすか」,同錠2.5mgZA「杏林」,同錠2.5mgZA「サンド」,同錠2.5mgZA「JG」,同OD 錠2.5mgZA「トーワ」,同錠5mgZA「サワイ」,同錠5mgZA「フソー」,同錠5mgZA「日医工」,同錠5mgZA「ニプロ」,同錠5mgZA「あすか」,同錠5mgZA「杏林」,同錠5mgZA「サンド」,同錠5mgZA「JG」及び同OD 錠5mgZA「トーワ」
 本製剤の効能・効果に関連する使用上の注意において「本剤の適用にあたっては,前立腺肥大症の診断・診療に関する国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に,適切な検査により診断を確定すること」とされており,適切な検査により前立腺肥大症と診断された場合に限り算定できること。また,レセプトの記載に当たっては,尿流測定検査,残尿検査,前立腺超音波検査等の診断に用いた主な検査について,実施年月日を摘要欄に記入すること。
 なお,当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。ただし,本剤の初回投与に当たっては,必ず実施年月日を記載すること。

(7)ピオグリタゾン錠15mg「武田テバ」及び同錠30mg「武田テバ」
① 効能又は効果
 2型糖尿病(ただし,下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合に限る。)であること。
 ア (ア)食事療法,運動療法のみ
   (イ)食事療法,運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
   (ウ)食事療法,運動療法に加えてα – グルコシダーゼ阻害剤を使用
   (エ)食事療法,運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
  イ 食事療法,運動療法に加えてインスリン製剤を使用
② 保険適用上の取扱い
  ア 本製剤を他の糖尿病用薬と併用した場合には低血糖症状を起こすことがあるので,患者に対して低血糖症状及びその対処方法について十分説明し,注意を喚起すること。
 イ 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。また,糖尿病以外にも,耐糖能異常,尿糖陽性等を呈する病態や糖尿病類似の症状(腎性糖尿,老人性糖代謝異常,甲状腺機能異常等)を呈する疾患があることに留意すること。
 ウ 本製剤を使用する場合は,対象患者はインスリン抵抗性が推定される患者に限ること。また,インスリン抵抗性の目安は,肥満度(BMI:kg/m2)が24 以上又はインスリン分泌状態について空腹時血中インスリン値が5μU/mL 以上であること。
 エ 投与する場合には血糖,尿糖を定期的に検査し,3ヵ月間投与して効果が不十分な場合には,速やかに他の治療法への切り替えを行うこと。
 オ 投与の継続中に,投与の必要性がなくなる場合や減量する必要がある場合,患者の不養生,感染症の合併等により効果がなくなったり,不十分となる場合があるため,食事摂取量,体重の推移,血糖値,感染症の有無等に留意のうえ,常に投与継続の可否,投与量,薬剤の選択等に注意すること。

(8)ミカファンギンナトリウム点滴静注用25mg「日医工」,同点滴静注用50mg「日医工」及び同点滴静注用75mg「日医工」並びにミカファンギンNa 点滴静注用50mg「ニプロ」,同点滴静注用50mg「明治」,同点滴静注用75mg「ニプロ」及び同点滴静注用75mg「明治」
 本製剤の使用上の注意に「本剤投与開始後において,原因菌がアスペルギルス属又はカンジダ属でないことが明確になった場合,又は本剤投与で効果が認められない場合は,漫然と使用せず,他の薬剤に変更するなど適切な処置を行うこと。」と記載されているので,使用にあたっては十分留意すること。

(9)メトトレキサート錠2mg「あゆみ」
 本製剤の警告に「本剤の投与において,感染症,肺障害,血液障害等の重篤な副作用により,致命的な経過をたどることがあるので,緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と適応疾患の治療経験をもつ医師が使用すること。」と記載されているので,使用にあたっては十分留意すること。

(10)テルビナフィン錠125mg「タカタ」及び同錠125mg「TCK」
① 本製剤の重要な基本的注意において「本剤の投与は,皮膚真菌症の治療に十分な経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ投与すること」とされていることから,本製剤を皮膚真菌症の治療に十分な経験を持つ医師のもとで,本製剤の投与が適切と判断される患者に使用した場合に算定できるものであること。
② 本製剤の効能・効果において「外用抗真菌剤では治療困難な患者に限る」とされており,また,効能・効果に関連する使用上の注意においても「本剤の投与は,罹患部位,重症度及び感染の範囲より本剤の内服が適切と判断される患者にのみ使用し,外用抗真菌剤で治療可能な患者には使用しないこと」とされていることから,本製剤の内服が適切と判断される患者であって,かつ外用抗真菌剤で治療困難な患者に使用した場合に限り算定できるものであること。

(11)ヒアルロン酸Na0.85 眼粘弾剤1%HV「センジュ」,同1.1 眼粘弾剤1%MV「センジュ」,同0.85眼粘弾剤1%「アルコン」及び同眼粘弾剤1% シリンジ0.85mL「日点」
 本製剤は,連続して行われる白内障手術及び眼内レンズ挿入術に伴って使用される場合に限り算定できるものである。

▷関係通知の一部改正について

(1)「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正について」(平成20 年4月18 日付け保医発第 0418002 号)の記の2の(1)を次のように改める。

▷診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品から除外する品目
 (加算等の算定対象とならない後発医薬品)(6月19 日より適用)

<内用薬> 

<注射薬> 

<外用薬> 

▷診療報酬における加算等の算定対象となる「後発医薬品のある先発医薬品」(7月1日より適用) 

<内用薬> 

<注射薬> 

<外用薬> 

▷診療報酬における加算等の算定対象となる「後発医薬品のある先発医薬品」(10 月1日より適用) 

<内用薬> 

<注射薬> 

▷経過措置品目となったもの(令和3年3月31 日まで) 

<内用薬>

<注射薬>  

<外用薬> 

2020年7月15日号TOP