地域医療部通信 – 新型コロナウイルス感染症関連情報 第11報 唾液による新型コロナPCR検査について

 京都医報7月1日号でお知らせしたとおり,唾液検体によるSARS-CoV-2核酸検出(以下,PCR検査)を一般医療機関で行なうことが可能になりました。府医が,希望する医療機関からの申し出(新型コロナウイルス感染症に係る行政検査(PCR検査)の委託契約に関する委任状)を取りまとめて京都府/京都市との契約を締結(集合契約)することで,行政検査として行うことになります。契約締結を行わない場合は,行政検査としてPCR検査を行うことができません。なお,集合契約をした医療機関については非公開です。
 また,唾液検体のPCR検査は発症から9日目まで有症状者が対象です。妊婦を含め,それ以外では従来どおりの鼻咽腔採取の検体でのPCR 検査となります。

<新型コロナPCR検査(唾液)実施の流れ>

1.予めPCR検査実施民間検査所から,検体採取容器および梱包資材を入手しておく
2.新型コロナウイルス感染(COVID-19)が疑われる患者を,可能な限り他の患者と接触することを避けるよう工夫する。また,検体採取後には換気,清拭消毒等を行う。
3.PCR検査を行う場合は「疑似症」の届出を出す必要がある
  (ア)別紙「新型コロナウイルス感染症 発生届」に,類型は「疑似症患者」とし,検体「唾液」,検体採取日,その他の必要事項を記入してFAX で送付する:この疑似症届出は,保管しておき,PCR検査結果の報告として使用できる。
  (イ)京都市:京都市保健所 医療衛生企画課
  (ウ)京都府:当該地区保健所

発生届送付先一覧

●京都市

 京都市保健所 医療衛生企画課
 FAX 075-251-7233 TEL 075-222-4244

●京都市以外

4.指定の容器に唾液検体採取(P.7)
5.唾液検体を基本三重梱包する(P.9)。なお医療従事者は,サージカルマスク,手袋装着の標準予防策と手指消毒を行う。
6.検査会社に検体の回収を依頼する(検査依頼書の準備)

※ 別紙「新型コロナウイルス感染症 発生届」は厚労省通知による「別記様式6-1」に同じ(本号に単票で同封)

<検査結果の取り扱い>

1.陰性の場合
  (ア)発生届(別紙「新型コロナウイルス感染症 発生届」)で陰性報告をする
     ①発生届(類似症患者届と同じ)の類型を「疑似症患者」のままで,結果「陰性」を記入
     ②疑似症届出と同じ所に提出する
  (イ) 偽陰性の可能性があるため,検査実施から10 日間は健康観察期間とし,症状軽快後72 時間は自宅療養とするよう,かかりつけ医から指導する
  (ウ) COVID-19 の疑いが払拭できず医師が必要と判断した場合は,鼻咽腔検体でのPCR 検査実施のため,京都府・医師会京都検査センターに相談する
2.陽性の場合
  (ア) 直ちに発生届(別紙「新型コロナウイルス感染症 発生届」)を提出する
    ①発生届(類似症患者届と同じ)の類型を「患者(確定例)」,結果「陽性」を記入
    ②疑似症届出と同じ所に提出する
  (イ) 行政(保健所)から患者に対して,積極的疫学調査を行うとともに,必要時就業制限,入院勧告等実施(入院先は京都府入院医療コントロールセンターで調整)

<診療報酬の取り扱い上の注意点>(詳細は本号「保険だより」参照)

1. 行政検査分は,PCR 検査料および検体検査判断料のうち微生物学的検査判断料であり,初再診料は含まない。これに係る自己負担分は徴収しない。PCR 検査料および微生物学的検査判断料を除いた診療報酬の窓口負担分の徴収と,レセプト請求を行う。
  (ア)出来高払いの場合;
     ①公費負担医療受給者番号(7桁):すべての患者で「9999996」
     ②公費負担者番号(8桁):「 28260503」(京都府(京都市を除く)),「28261501」(京都市)(医療機関の所在地による)
     ③公費分にPCR 検査料および微生物学的検査判断料の点数,一部負担金は0円
  (イ) 一部の医学管理料(小児科外来診療料,地域包括診療料,認知症地域包括診療料,小児かかりつけ診療料,生活習慣病管理料,手術前医学管理料,在宅がん医療総合診療料)を算定する場合;
     ① PCR 検査料および微生物学的検査判断料については医学管理料を算定するレセプトとは別途の書面での請求となる(紙レセプト)
     ② 公費負担医療受給者番号(7桁):すべての患者で「9999996」
     ③ 公費負担者番号(8桁):「 28260503」(京都府(京都市を除く)),「28261501」(京都市)(医療機関の所在地による)
     ④摘要欄に以下を記載する
      1.検査実施の日時
      2.検査実施の理由
      3.本検査が必要と判断した医学的根拠
      4.当該患者が算定する医学管理料等
2.保険診療分と行政検査に係る費用が合算され,後日医療機関に支払われる
3. 検体採取した医療機関以外の施設へ輸送し検査を委託して実施した場合は,検査した施設名をレセプトの摘要欄に記載する

検査所について

 厚生労働省新型コロナイルス感染症対策推進本部が公表する、京都府における新型コロナウイルスのPCR 検査を実施可能な民間検査機関は下記のとおりとなっております。唾液検体によるPCR 検査の実施に際してはこれらの検査会社に直接お問い合わせください。

2020年7月15日号TOP