地域医療部通信 – 新型コロナウイルス感染症関連情報 第9報 府医コロナ通信

 府医のメーリングリストでは「府医コロナ通信」として新型コロナウイルス感染症に関する情報を随時発信してまいりました。今回この内容を再編集し,医報別冊へ改めて掲載してお知らせいたします。

■ 2020.05.15

「府医コロナ通信」ブログ開設のお知らせ

ブログ開設のお知らせ

 本年4月15日から新型コロナ感染症患者のうち軽症者の宿泊療養受け入れが京都平安ホテルにおいて始まり,4月29日には京都府・医師会京都検査センターが開設されました。府医コロナチームではこれらの開設・運用に向けて日夜努力して参りました。会員の先生方と一体感を持ち,今後の第2波への備えとしても府医の活動報告をする事が大事であると認識しております。コロナに関する報告を府医コロナチームの3つのグループ(相談センター・検査センター・宿泊療養チーム)から日替わりで,情報提供をいたします。あくまでブログでございますので,寛大なお心でお読みいただければ幸甚に存じます。

 2020年5月14日の京都府医師会PCR 検査相談窓口ですが,26件のチェックシートを受け付け,そのうち妊婦が20件,キャンセルが3件(全て妊婦),再調整と本人に連絡が取れず検査が未定が各1件(いずれも妊婦),20件が検査対象となりました。うち14件が5月15日,5件は5月16日,1件が21日の検査予定となっております。明日の5月15日は,以前の検査予約と合わせて,15件の検査予定となりました。

 宿泊療養は京都平安ホテルに本日は新しい入所者はなし,退所者1名で合計11名が入所,5月8日から2つ目の宿泊療養施設ホテルヴィスキオ京都に3名入所されました。現在4名が入所されています。

 PCR相談センターはコロナチームで対応し,PCR検査センターはコロナチームと応募いただきました会員の先生お2人づつご出務いただいております。宿泊療養につきましては京都平安ホテルは当初コロナチーム2人で健康管理をしておりましたが,5月11日より京都内科医会のご協力を得て,コロナチームから1人と京都内科医会の先生お1人で宿泊療養者の健康管理を行なっております。2つ目のホテルヴィスキオ京都は現在コロナチーム1人で健康管理を行なっておりますが,地区医師会(下東,下西,伏見)の先生方のご協力をいただき,5月18日から地区医師会の先生お1人にもご出務いただき2人で健康管理をして参る予定です。

今後とも会員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス対策チーム

■ 2020.05.15

緊急事態措置の緩和に向けて

松井道宣

 本日の京都府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議と同対策本部会議が開催されましたので,私から簡単に報告をさせていただきます。
 まず,京都府の感染者の状況ですが,5月14日時点で感染者の累計は358人,すでに283人の方が退院をされております。現在の陽性者数は62人で,重症者は1名です。過去5日間,感染経路のわからない新規感染者はありません。
 昨日(5月14日),政府は全国39の県に対する緊急事態宣言を解除しました。京都府の解除は見送られましたが,これは大阪,兵庫と近畿圏では人が一体的に移動するため,引き続きの警戒が必要と認められたためです。しかし京都府でも感染が抑えられていることは間違いなく,本日京都府コロナ対策専門家会議で審議の上,京都府コロナ対策本部会議において,7日間移動平均値として①新規陽性者数5名未満,②新規陽性者における感染経路不明者数2名未満,③PCR検査陽性率7%未満が達成されていることに加えて,④重症者病床使用率が20%未満であることから府内の活動に関して一部緩和することが決定されました。また,5月21日頃には段階的解除に向けて再度検討を行うこととなりました。以上,会議の報告でした。
 さて,いつまでも行動の自粛を続けることはできませんから,いずれ社会活動は再開しなければなりませんが,会員の先生方を含め多くの方が,第二波の到来を予測し,それに備えなければならないと考えてられると思います。府医としては,第二波への備えのポイントは以下の4点と考えています。

①感染再燃兆候の早期発見
②迅速な確定診断
③積極的疫学調査
④医療提供体制の整備

 これまでの反省から,発熱患者が早期に医療へアクセスができ,スムーズにPCR検査等の確定診断に結び付ける仕組みを構築しなければなりません。現在,府医では行政との連携のもと,「京都府・医師会京都検査センター」においてPCR検査の相談と実施を行っていますが,これを京都府全域において実施できるよう,府とともに体制の確立を積極的に行う予定です。実施まであと少しお時間をいただきます。
 言うまでもなく,緊急事態宣言の解除は感染の終息を示すものではありません。府民に医療の安心を提供するために,感染が落ち着いているこの時にこれまで十分でなかった体制を立て直し,来る第二波に慌てることなく対応できる準備を進めます。具体的に取り組むためには会員の先生方のご理解とご協力が必須です。府医としては,今後も適切な情報発信に努めますので,どうぞ,よろしくお願い申し上げます。

■ 2020.05.16

PCR検査センターの近況

濱島高志

 京都府からの委託でドライブスルー検査所を設営することが決まったのが4月21日,「連休前に1カ所目を」という府の意向を受け,オール医師会体制で急ピッチで場所の決定から資機材の準備,さらには検査手順のマニュアル作成(初めての事なのでこれが一番苦労しました),出務いただく先生の募集とその日程調整,オリエンテーションの開催,等々ドタバタと準備を進めました。

 4月30日に何とか開始に漕ぎ着けたものの,予想以上の暑さで医師・看護師はPPEの下が汗ぐっしょり。またある日は風が強くてテント内の物が飛ぶなど日々細かいやり方を改良しながら本日に至っています。私も結構日焼けし,患者さんから「先生,ゴルフかキャンプにでも行ったんか」と怪しまれています。

 お陰様で検査所出務に手を挙げていただいた会員は50名を越え,「出番はまだか」と手ぐすね?を引いておられる先生もおられて嬉しい悲鳴を上げています。幸い有症状の被検者は次第に減り,15日もおよそ3分の2は無症状の妊婦さんです。多くのスタッフがGW中もほとんど休みなしで頑張ってきたので,5月10日からは日曜だけ検査所を休みにしています。
とはいえ第2波はかなりの確率で到来するでしょう。長い目でのご支援をお願いいたします。

■ 2020.05.17

相談件数,検査件数,宿泊療養について

 本年4月15日から新型コロナ感染症患者のうち軽症者の宿泊療養受け入れが京都平安ホテルにおいて始まり,4月29日には京都府・医師会京都検査センターが開設されました。府医コロナチームではこれらの開設・運用に向けて日夜努力して参りました。会員の先生方と一体感を持ち,今後の第2波への備えとしても府医の活動報告をする事が大事であると認識しております。コロナに関する報告を府医コロナチームの3つのグループ(相談センター・検査センター・宿泊療養チーム)から日替わりで,情報提供をいたします。

 2020年5月16日の京都府医師会PCR検査相談窓口の件数についてご報告いたします。< >内は,そのうち妊婦の件数です。チェックシートの受付は25件<19件>です。そのうち5月18日のPCR検査は13件<9件>5月19日以降のPCR検査予定は11件<10>となっております。

 5月17日のホテルヴィスキオ京都は前日と変わらず宿泊療養者4名です。うち3名が15日にPCR検査を受け,全例陰性でした。残り1名は18日に1回目のPCR検査を受けていただきます。宿泊療養者は1回目のPCR検査陰性判明後24時間以降に2回目のPCR検査を受けていただき,2回連続陰性となれば退所となります。
京都平安ホテルも宿泊療養者7名のまま落ち着いています。

今後とも会員の先生方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.18

京都府・医師会京都検査センターの相談業務について

北川 靖

 初回ですので,長文になりますことをご容赦ください。
京都府では,1月末に初めてのCOVID19の患者が発生ました。3月に入り少数の発生報告が続くようになり,3月末には4日間で患者が倍増するまでに状況が悪化し,その後,感染源不明例も増加しました。4月17日に緊急事態宣言が出され,府民の皆さまの行動により,ようやくこの数日新規の発生者が減少しておりますが,各医療機関におかれましては,現在もなお,多方面への配慮が必要な状況において,診療また生活において緊張状態が続いておられると思います。

 この間,京都府医師会は,感染拡大の防止,軽症から重症者に対する医療の提供,医療を守るなどの視点で,刻々と変化する状況下で様々な分野の事業(例えば,各種検診,学校関係,介護,休日診など)また,感染症対策への対応に追われ,その時々で,ぎりぎりの決断や,走りながら考えることも避けられませんでした。そんな中,多くの会員の皆様よりご意見,ご指導,ご協力をいただき,よりよい方向に導いていただいたことに感謝いたします。

 一方で,皆様に,タイムリーに情報をお届けすることが及ばない点,また,地域での活動の状況や医療現場の全体像を見渡すことが行き届かない点があることをお詫びいたします。

 さて,本題の京都府・医師会京都検査センター(PCR検査センター)の相談業務についてですが,4月29日からスタートしました。かかりつけ医の先生方の,患者さんを大切にされている思い,また,患者さんへの連絡などへのご協力に支えられながら,臨機応変(試行錯誤?)に事務局と共に頑張っております。正確なデータは医報で定期的にお知らせする予定ですが,開所からの20日間で,264件のお申込みを受付,18日現在198件の検査を実施いたしました。5月18日は17件(妊婦9件)のお申込みがあり,17件の検査実施を決定しました。

 これまで,2例の陽性がありましたが,この発見が感染拡大防止に大きく貢献しておりますことをお知らせいたします。また,陰性例についても,かかりつけ医の先生方のご指導,健康観察により,本検査の目的が果たされております。本センターが,これからも,COVID19感染拡大の予防,また,先生方の診療の少しでもお役に立てればと願っております。「これはPCRが必要」と判断された時には,是非,ご依頼,ご相談いただきますようお願いします。

 私,現在強度の肩こりで首が回りにくい状態になっていますが,できるだけ視野を広くして,これからの新たな大波・小波(嵐だけはやめてー),また,地域医療の回復に備えていきたいと思いますので,何卒宜しくお願い致します。

■ 2020.05.19

相談件数,検査件数について

 2020年5月19日の京都府医師会PCR検査相談窓口ですが,18件のチェックシートを受け付け17件が検査対象となりました。
5/20の検査予定が13件,5/20以降の検査予定が4件となりました。また,5/16検査分の結果は19例全て陰性でした。

 PCR検査センター運営に関しまして,会員の皆様には多大なるご協力をいただき誠にありがとうございます。深く御礼申し上げます。

 5月18日(月)より2ヶ所目となる検査センターが開所されました。
今回はコンテナハウスを設置し自家発電機を用いたエアコンが装備されるという仕様で,ご出務いただく先生・看護師の方々の身体的ご負担が少しでも軽減されれば幸いです。
 だだ,現状では日曜日を除く毎日,どちらか1ヶ所での稼働となります旨,皆様のご理解・ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム(PCR検査チーム)

■ 2020.05.20

本日のつぶやき

5月20日,京都府医師会PCR相談窓口の状況です。
 ※< >内は妊婦さんの数です。
チェックシートの受付 14件<7件>があり,5月21日のPCR検査へ 14件<7件>を予定しております。

5月20日の宿泊状況です。
 平安ホテル 4名
 ホテルヴィスキオ京都 1名
京都府内では5月15日より新規感染者の報告はございませんでしたので,一時期のあわただしさもなく落ち着いております。

 さて,今回は縁の下の力持ちについて少し。いつもは会議に使用している府医会館211号室ですが,現在はロータリークラブ,酒造会社,ドラッグストアをはじめ,多方面の方々から頂戴した温かいご支援が山と積まれています。今週は日本酒メーカーさんが急遽お作りくださったという65%アルコールを,台湾から輸送された4000本のボトルに詰め替える作業に,言葉通り「全員が一丸」となって取り組みました。お手元に酒造会社名のテプラシールが貼られたボトルが届きましたら,どうぞ事務局職員の筋肉痛を思い遣っていただけますでしょうか。府医会員の先生方の感染対策の一助になれば幸いに存じます。

 今後とも京都府医師会への会員皆様の温かいご理解とご支援を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■2020.05.21

府医PCR相談センターの状況について

5月21日の相談センターの状況です。

ここまで順調に相談業務が進んでおります。
検査センターと協調しながら,疑似症例・妊婦検診に関して診査を続けております。

4月29日から本日まで累計239件の相談をお受けしましたが,そのうち疑似症例が110例,妊婦検診が126名となり,妊婦検診の数が疑似症例を上回ってまいりました。

府医相談センターでは,症状や患者背景などから,優先順位を数値化し優先順位を判断しておりますが,かかりつけ医の先生方が新型コロナウイルス感染症を疑ってご相談いただいた症例に関しましては,原則として,PCR検査を実施する方向で診査しております。

ただし,検査センターはドライブスルー方式ですので,自家用車が手配できないなどの理由で延期となったり,キャンセルとなった例などが11件ございました。ここ数日は疑似症例の相談は徐々に減少しており,診査業務に頭をひねることは少なくなっております。

陽性例も初期の2例を除いて,その後全く出ておりませんが,緊急事態宣言が解除されたのちもまだ油断はできません。疑わしい症例に関しては引き続きご相談をお受けいたします。

会員の先生方におかれましては引き続き,ご協力いただきますようお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.22

本日のご報告

 5月22日,京都府医師会PCR相談窓口の状況です。
※< >内は妊婦さんの数です。
チェックシートの受付 8件<7件>があり,
5月23日のPCR検査へ 20件<17件>を予定しております。
また,5月20日検査分の結果は19例全例陰性でした。

 5月22日の宿泊状況です。
平安ホテル       3名
ホテルヴィスキオ京都  1名
昨日,京都府においても緊急事態宣言が解除されました。
新たな感染者は確認されていなく,宿泊療養施設への新規入所者の報告はございません。

 PCR検査の検体採取にドライブスルー方式が採用されていますが,様々な課題がございます。ある意味“自然との闘い”的な側面もございます。1か所目では,雨,風,暑さに泣かされました。ご出務いただきました先生方には大変なご苦労をお掛けしました。その教訓も踏まえ,2か所目は,冷房完備のコンテナハウスを設置いたしました。ただ新たな注意点がございます。入口の段差には十分お気をつけください。

 今後,さらなる地区での検査センター開所を目指して調整中です。既存施設を使用する場合が多いので,その場所の特徴・特性を熟知して設営方法を工夫する必要がございます。皆様のお知恵を拝借させていただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.23

本日(5月23日)のご報告

5月23日,京都府医師会PCR相談窓口の状況です。
※< >内は妊婦さんの数です。

チェックシートの受付  7件<0件>があり,
5月25日のPCR検査へ 8件<2件>を予定しております。
また,5月21日検査分の結果は14件中すべて陰性でした。

5月23日の宿泊状況です。

平安ホテル      1名退所され2名
ホテルヴィスキオ京都 1名
新規入所は共に0名でした。

京都市内5月22日で新規発生が連続8日間0です。
本日平安ホテル担当でしたが,宿泊療養の患者さんもめっきり減りました。現在内科医会の先生方のご協力もあり,府医師会理事と2人体制で担当しております。
まだまだ何かと未完成ですが,皆様のご意見を伺いつつ,今後第2波に向けて(考えたくもありませんが)体制を構築中です。
今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.25

本日(5月25日)のご報告

 5月25日現在の相談センターの状況です。

 本日現在までセンターで実施したPCR検査総数は330例うち妊婦142例でした。検査新規陽性例はなく,妊婦における陽性例はこれまでありません。

 ここ数日相談件数がさらに減少しており,相談センターにおいても流行の一旦の終息が肌で感じられるようになってきました。

 緊急事態制限も解除され,人々の動きも活発化しつつある現状で今後の感染再燃の状況を注視していく必要があると思います。

 会員各位におかれましては,引き続き,ご留意いただきますようお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.26

本日の報告と検査センターの状況

 5月26日,京都府医師会PCR検査相談窓口の件数。
< >内は,そのうち妊婦の件数です。
チェックシート受付は14件<7>ありました。
5/28に14件<8> 検査を予定しております。
諸事情により,5/27の検査はありません。出務予定の先生には大変申し訳ありませんが,次回よろしくお願いいたします。
5/24は休日で検査がなく,本日の結果報告はございません。

5月26日の宿泊状況。
ホテルヴィスキオ京都は本日1名が退所され,入所者ゼロとなりました。
平安ホテルの入所者は2名です。

 PCR検査センターの出務に関しましては,多くの先生方にご協力いただき誠にありがとうございます。診察室とは全く違う環境(ドライブスルー)であるにもかかわらず大変手際よく検体採取をしていただき,お陰様で順調に運営出来ております。(医師会職員も,各方面の調整,現場裏方の慣れない仕事を頑張ってくれています。)

 現在,主に運営している検査センターはエアコン付きのコンテナハウスですが,出務いただく先生は外で検体採取していただくため快適とは言えないかもしれません。暑さも厳しくなってきますが,新たな問題は「蚊」です。対策として,スキンガード等準備しておりますが,長袖・長ズボン,着替え持参でお越しいただく方がよいかと思います。

 検査数は少なくなってきておりますが,検査体制はさらに充実させていく予定ですので,今後ともご協力よろしくお願いいたします。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム(PCR検査チーム)

■2020.05.28

5月27日の報告と宿泊療養について

 5月27日の報告です。
<京都府医師会PCR検査相談窓口>
 検査依頼件数    3件(うち妊婦2件)
 5/28の検査実施予定 15件(うち妊婦8件)
 5/25の検査結果   5件,全て陰性

<PCR検査>
 本日は施行していません。

<宿泊療養>
 京都平安ホテル 2名入所 本日2回目のPCR 陰性であれば明日退所されます。
 ホテルヴィスキオ京都 現在入所者はありません。
 当面宿泊療養は京都平安ホテルに集約される見込みです。

宿泊療養について
 宿泊療養は「新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進み,入院患者の増加が見られた場合,より重症者に対する医療資源の確保が重要となる」ことから急遽創設された制度です。

 一定の条件を満たした軽症者が入所対象ですが,軽症といえども呼吸器症状があったり持病があったり精神不調の入所者もおられ,京都府庁,看護協会の担当者と一緒になって対応しました。

 遠隔診療という貴重な体験もできました(感染予防のため対面診療はありません)。前医に問い合わせ,コントロールセンターと相談し,退所後引き継ぐ医療機関に連絡し,だんだん宿泊療養の形ができました。

 この制度が根付くのか臨時のものなのかはわかりませんが,新型コロナウイルスの感染拡大防止と入所者の健康管理,さらに医療崩壊阻止の一助になったことは間違いありません。
さらにこの経験はコロナ感染症の第2波に限らず様々な時(新たな感染症や自然災害時など)に発展的に生かされると思います。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.28

本日の報告

 宿泊施設で療養中の方は残り1名になりました。

 緊急事態措置が段階的に解除されている中,新たな感染者を早期に発見し,感染の再拡大を防ぐことが,今,求められています。

 5月28日の京都府・医師会京都検査センター(PCR検査センター)の相談件数は9件でした。
 PCR検査が必要な時は,府医相談センターにご連絡ください。よろしくお願いします。

 宿泊施設で療養をされている1名の方は,宿泊施設での療養の重要性を十分理解され,過ごされております。

 謝意を表するとともに一日も早い回復を願います。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.29

本日の報告

 5月29日の京都府医師会PCR検査相談窓口の状況をご報告致します。
< >内は,妊婦の件数です。
チェックシート受付 =7件<3>
5/30の検査実施予定=6件<2>
 なお,5/27は検査を実施しておりませんので検査結果はございません。

 皆様,日頃は京都府・医師会京都検査センターの運営にご協力頂き誠にありがとうございます。現在,左京区と北区の2会場におきましてドライブスルーPCR検査を行っております。

 PCR検査場は,ご出務頂く先生方の他に,京都府からの事務職員数名,府医の事務職員数名,府医役員そして看護協会人材センター及びその他からの派遣看護師で主に稼働しております。(検査終了後には民間検査会社の担当者の方が検体の回収に来られます。)

 ご出務頂く看護師の方々の役割はドライブスルー検査の動線の上で非常に大きく,皆様キビキビと動いていただき,既にドライブスルーPCR検査のエキスパートとなっておられます。
初めて出務される先生方へのアドバイスも的確にこなしていただき,非常にスムーズな流れをつくっていただいており,日々感謝しております。

 エアコン付きコンテナハウスは看護師の皆様からの評判も良好で,ホッとしております。

 また,御出務頂いております先生方におかれましては,暑い中での防護服を装備しての検体採取,ありがとうございます。

 予定件数終了後も疲れも見せずに,「まだまだできるで」と言っていただく事もあり,現場のスタッフ一同,本当に頭の下がる思いです。

 出務の二次募集に対しましても多くの先生方から御応募をいただき,深く御礼申し上げます。

 今後来ると言われている第二波,第三波に備えるべく,現在稼働中の2カ所に加え幾つかの検査場の開所が検討されております。複数箇所の同時稼働となりますと,現状の運営体制を今一度見直す必要もあると思われ,その際には会員先生方からのさらなるご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

 今後とも何卒,ご理解・ご協力の程よろしくお願い致します。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム(PCR検査チーム)

■ 2020.05.30

本日の報告

 会員のみなさま。梅雨の足音が聞こえてきましたが,まだ爽やかさの残る5月末となりました。平素よりご協力いただきましてまことにありがとうございます。

 特に京都府・医師会京都検査センターでの検体採取,宿泊療養施設管理にご協力いただいています先生方には感謝申し上げます。

 本日,PCR検査相談窓口の受付件数は
チェックシート受付=10件<3>
6/1のPCR検査実施予定=7件<2> < >内は妊婦の件数です。
また,5/28のPCR検査結果は,5件すべて陰性でした。
今後,この相談窓口へも会員の先生方にご協力をお願いすることとなりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日の検査センターでのPCR検査実施数は6件<2>で,大変スムーズに実施されました。来所される受検者も覚悟の上でいらっしゃいますし,事務方・看護師・医師のみなさまが手際よくすすめていただいておりますので,35分ほどで検査を終了することができました。
エアコン付きトレーラーハウスでかなり快適となりましたが,外は蚊が舞っております。今後ご出務いただく先生にはご注意いただければ幸いです。検査センターは6月3日,市内にもう1箇所開設の予定です。

 また,宿泊療養施設は現在1名だけの入所となっております。
この方は6月1日になんと8回目のPCR検査予定で大変お気の毒ですが,この検査で陰性であれば晴れて退所となり,施設療養者も0となる予定です。

 相談窓口・検査センター・宿泊療養施設の運営には,京都府・京都府医療コントロールセンター・京都府医師会(事務方も含む)・京都府看護協会・療養施設の(3密を超越した)密な連携の上に成り立っております。

 次第にマニュアルが積み上がってまいりまして,第2波への備えは進んでおります。しかし,想定外の事態はかならず勃発するものと覚悟して今後も準備していかねばなりません。

 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.05.31

新型コロナウイルス感染症の軽症患者に係る健康管理について

 京都府,京都市における新型コロナウイルス感染症の軽症患者は,医師が入院の必要がないと判断した場合に宿泊療養または自宅療養となっております。

 「新型コロナウイルス感染症軽症者における宿泊施設対応マニュアル」でも,重症化のおそれが高い者(70歳以上の高齢者,基礎疾患がある者(糖尿病,心疾患又は呼吸器疾患を有する者,透析加療中の者)など)に該当しない方は宿泊療養または自宅療養の対象となっております。

 4月15日より宿泊療養が京都平安ホテルにて開始されました。
府医役員2人が,毎日午後2時から3時の間に宿泊施設に訪問し,詰所にて療養者の状況を確認し,必要に応じてタブレット端末又は電話にて療養者の健康状態を診療します。直接対面での診療はいたしません。

 4月20日に最大30名の入所者がありましたが,現在は1名のみとなっております。5月11日から内科医会のご協力を得て,内科医会からお1人の先生と府医役員1人が毎日宿泊療養者の健康管理をしております。

 5月12日から二つ目の宿泊療養施設ホテルヴイスキオ京都に3名入所されました。

 5月18日から各地区医師会(下西,下東,伏見)からのご協力を得て,地区医師会からお1人の先生と府医役員1人で健康管理を行なっております。5月26日に最後の1名が退所され,入所者はゼロになりました。

 5月22日現在の2つのホテルの総入所者数は85名,退所者は82名です。年代別では85名中72名が20歳代から50歳代でした。
居住地では京都市内の方が44名,京都府下の方が41名です。

 発症から入所までの平均日数は17日,陽性判明から入所までの平均日数は約10日,自宅からの入所は50名,医療機関からの入所は31名です。平均入所日数は9日でした。
症状のある方は73名,無症状は9名です。症状の内容は,発熱,咳,咽頭痛,味覚・嗅覚障害,倦怠感です。電話やタブレットを用いた診療は対面の診療ではないので,聴診ができないこと,皮膚の視診において湿疹や膨疹,水泡等の区別が困難であることが問題点ですが,医師も看護師もレッドゾーンと完全に隔離され,感染の可能性が極めて低いことで,ご協力いただいた先生に安全に診療していただける体制ができたと思います。

 内科医会,地区医師会の多数の先生から出務のご承諾をいただき,お陰をもちまして,宿泊施設療養者の健康管理事業につきまして滞りなく運営ができました。

 最近は新規感染者が発生しておらず,新たな入所者も減少していることから,6月以降は府医役員のみで対応する予定でございます。

 今後,感染者数が増加した折には,再度ご依頼をお願い申し上げますので,ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

■ 2020.06.02

宿泊療養者について

 5月26日をもちましてホテルヴィスキオ京都の入所者はゼロとなりましたが,平安ホテルに一人残られた入所者さんの経過は長く,その後をお尋ねいただく事も多く,おまけのブログといたします。

 本日,ようやく2回続けての陰性判定となり,結果通知から1時間を待たずして退所されました。

 宿泊施設はようやく入所者ゼロ,一同ホッとしております。

 とは言え先日,北九州市医師会の先生から,「第二波は他人事と思っていてはダメよ」,と釘を刺され,いつでも稼働できるように一同気を引き締めて備えてまいります。

日常の診療で少しでも兆しを感じられましたら,迷わずPCR相談センターへご連絡ください。

本日(6/2)の相談数 10件(妊婦さん6件)
明日(6/3)の検査予定 8件(妊婦さん4件)

今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

府医新型コロナウイルス感染症対策チーム

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