2020年5月1日号
今般,デュピクセント皮下注(抗IL-4 受容体αサブユニット抗体製剤)について,「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎」が効能・効果等に追加されたことにともない,当該疾病に対する最適使用推進ガイドラインが策定されるとともに,同製剤に係る留意事項が下記のとおり改正されましたので,お知らせします。
記
抗IL-4 受容体αサブユニット抗体製剤留意事項通知の記に次のように加える。
(4)鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎
① 本製剤の投与開始に当たっては,次の事項をレセプトの摘要欄に記載すること。
1)本製剤に関する治療の責任者として,次に掲げる要件を満たす医師が配置されている施設である旨(「施設要件ア」と記載)
ア 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に,4年以上の耳鼻咽喉科診療の臨床研修を行っていること。
2)次に掲げる患者の要件アからウのすべてに該当する旨
ア 慢性副鼻腔炎の確定診断がなされている。
イ 「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対して,手術による治療歴がある。」又は「既存の治療を行ってもコントロール不十分であって,鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対する手術が適応とならない。」
ウ 既存の治療によっても以下のすべての症状が認められる。
・内視鏡検査による鼻茸スコアが各鼻腔とも2点以上かつ両側の合計が5点以上
・鼻閉重症度スコアが2(中等症)以上(8週間以上持続していること)
・嗅覚障害,鼻汁(前鼻漏/後鼻漏)等(8週間以上持続していること)
3)2)でイのうち「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対して,手術による治療歴がある。」に該当する場合は,慢性副鼻腔炎に対する手術を行った実施年月日。「既存の治療を行ってもコントロール不十分であって,鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対する手術が適応とならない。」に該当する場合は,手術が適応とならないと判断した理由
4)本製剤投与前における各鼻腔の鼻茸スコア,鼻閉重症度スコア及び嗅覚障害,鼻汁(前鼻漏/後鼻漏)等が継続している期間
② 本製剤の継続投与に当たっては,次の事項をレセプトの摘要欄に記載すること。
1)次に掲げる医師の要件のうち,本製剤に関する治療の責任者として配置されている者が該当する施設(「医師要件ア」又は「医師要件イ」と記載)
ア 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に,4年以上の耳鼻咽喉科診療の臨床研修を行っていること。
イ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に,4年以上の臨床経験を有し,そのうち3年以上は鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎を含むアレルギー診療の臨床研修を行っていること。
2)1)でイに該当する場合は,アの要件を満たす医師が配置されている施設と連携して本剤の効果判定を行った旨
3)本製剤の継続投与前における各鼻腔の鼻茸スコア及び鼻閉重症度スコア
4)24 時間を超えて本製剤を投与する場合は,継続して投与することが必要かつ適切と判断した理由