2020年5月15日号
中等症・重症の新型コロナウイルス感染症患者の増加に対応可能な医療体制の構築に資するよう, 臨時的な診療報酬の取扱い(その12)が示されましたので,お知らせします。
重症の新型コロナウイルス感染症患者に対しては,体外式心肺補助(ECMO)や人工呼吸器による管理(持続陽圧呼吸法(CPAP)等を含む)等,呼吸不全をはじめとした多臓器不全に対する管理(以下「人工呼吸器管理等」という)を要することを踏まえ,それらの診療の評価として,救命救急入院料,特定集中治療室管理料又はハイケアユニット入院医療管理料(以下「特定集中治療室管理料等」という)を算定する病棟において,人工呼吸器管理等を要する重症の新型コロナウイルス感染症患者については,別表1に示す点数を算定できることとすること。
また,新型コロナウイルス感染症患者のうち,次の状態の患者については,それぞれ次の日数を上限として,特定集中治療室管理料等を算定できることとすること。
(1)急性血液浄化(腹膜透析を除く)を必要とする状態,急性呼吸窮迫症候群又は心筋炎・心筋症のいずれかに該当する患者 21 日
(2)体外式心肺補助(ECMO)を必要とする状態の患者 35 日
新型コロナウイルス感染症患者の重症化や,他の患者及び医療従事者への感染拡大を防ぐための管理の評価として,中等症以上(酸素吸入が必要な状態)の新型コロナウイルス感染症患者(入院基本料又は特定入院料のうち,救急医療管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限る) については,14 日を限度として1日につき救急医療管理加算1の100 分の200 に相当する点数(1,900 点)を算定できることとすること。
また,新型コロナウイルス感染症患者に対する,医療従事者の感染リスクを伴う診療に係る評価として,看護配置に応じて,1日につき別表2に示す二類感染症患者入院診療加算に相当する点数を算定できることとすること。
なお,いずれについても,届出は不要とすること。
新型コロナウイルス感染症患者の受入れのために,特定集中治療室管理料等と同等の人員配置とした病棟において,新型コロナウイルス感染症患者又は本来当該入院料を算定する病棟において受け入れるべき患者を受け入れた場合には,それぞれの入院料に係る簡易な報告(※)を行うことにより,該当する入院料を算定することができることとすること。
※当該運用の開始に当たっては,運用開始の日付及び人員配置等について,各地方厚生(支)局に報告すること。
また,救命救急入院料について,新型コロナウイルス感染症患者の受入れ等により,当該保険医療機関内の特定集中治療室管理料等を算定する病棟に入院できない場合には,「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和2年3月5日付け保医発0305 第1号厚生労働省保険局医療課長通知)第1章第2部第3節A300(3)の規定にかかわらず,患者の同意を得た上で,救命救急入院料を算定できることとすること。
なお,これらの入院料の算定に当たっては,新型コロナウイルス感染症患者の受入れ等に伴う特例的な対応であることを踏まえ,患者又はその家族等に対して,その趣旨等について十分に説明するとともに,当該入院料を算定する病棟に入院した理由等を記録し,保管しておくこと。
※下記文中の別紙1,別紙2は省略(https://www.mhlw.go.jp/content/000622827.pdf 参照)
問1 新型コロナウイルス感染症患者の受入れ等のために特定集中治療室管理料等と同等の人員配置とした病棟について,簡易な報告を行うことにより,該当する入院料を算定できることとされているが,具体的な報告事項は何か。また,報告に当たり,用いるべき様式はあるか。
(答) 救命救急入院料及び特定集中治療室管理料については,別紙1を参照のこと。また,ハイケアユニット入院医療管理料については,別紙2を参照のこと。
なお,手続きに要する時間の短縮等の観点から,原則として別紙1及び別紙2の様式を用いて報告することが望ましい。”
問2 新型コロナウイルス感染症患者の受入れ等のために特定集中治療室管理料等と同等の人員配置とした病棟について,簡易な報告を行うことにより,該当する入院料を算定できることとされているが,その際,記録及び保管しておくべき事項及び保管の方法等はどのようにすればよいか。
(答) 具体的には,以下の事項について,記録及び保管しておくこと。
・報告に用いた書類(別紙1,別紙2等の様式)
・配置職員の勤務実績
なお,保管の方法については問わない。
問3 新型コロナウイルス感染症患者の受入れ等により,当該医療機関内の特定集中治療室管理料等を算定する病棟に入院できない場合には,「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和2年3月5日付け保医発 0305 第1号厚生労働省保険局医療課長通知)第1章第2部第3節 A300(3)の規定にかかわらず,患者の同意を得た上で,救命救急入院料を算定できることとされているが,その際,記録及び保管しておくべき事項及び保管の方法等はどのようにすればよいか。
(答) 具体的には,以下の事項について,記録及び保管しておくこと。
・本来入院すべき病棟の種別
・本来入院すべき病棟に入院できない理由及びその期間
例: 当該病棟において,○月○日から新型コロナウイルス感染症患者を受入れているため, ○月○日以降は新型コロナウイルス感染症患者以外の患者を入院させていない。等 ・当該病棟と同等の人員配置とした病棟に入院する必要性
なお,保管の方法については問わないが,当該患者の診療録等と併せて閲覧できる状態で保管していること。
(別表1)
救命救急入院料,特定集中治療室管理料又はハイケアユニット入院医療管理料を算定する病棟において,人工呼吸器管理等を要する重症の新型コロナウイルス感染症患者については,次に示す点数を算定できることとする。
(別表2)
次の入院料を算定する病棟に入院する新型コロナウイルス感染症患者については,看護配置に応じて,以下の点数を算定できることとする。