保険だより – 公知申請に係る事前評価が終了し,医薬品医療機器等法に基づく承認事項の一部変更承認がなされた医薬品の保険上の取り扱いについて

 医薬品は,原則として承認された効能・効果および用法・用量を前提に保険適用されておりますが,保険適用を迅速に行うことでドラッグ・ラグを解消する観点から,一定の条件を満たした医薬品については,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用を可能とする取り扱いが,平成22年8月25日の中医協総会にて了承されています。
 これを受け,下記の1成分・2品目については,追加が予定された効能・効果および用法・用量についてもすでに保険適用されていましたが,今般,当該品目について追加が予定されていた効能・効果および用法・用量が,令和2年8月21日付で承認されたため,上記取り扱いによらず保険適用が可能となりました。これにより,当該品目の今後の使用にあたっては,新しい添付文書をご参照いただくこととなりますのでご留意ください。

一般名:オクトレオチド酢酸塩
販売名:サンドスタチン皮下注用50㎍,同皮下注用100㎍
会社名:ノバルティスファーマ株式会社
追記された効能・効果:
 先天性高インスリン血症にともなう低血糖(他剤による治療で効果が不十分な場合)
追記された用法・用量:
 先天性高インスリン血症にともなう低血糖の場合
 通常,オクトレオチドとして1日量5㎍/㎏を,3~4回に分けて皮下投与または24時間持続皮下投与する。なお,患者の状態に応じて適宜増減するが,最大投与量は1日量25㎍/kgまでとする。
追記された注意喚起:
 【効能・効果に関連する使用上の注意】
 1)ジアゾキシドによる治療で効果が不十分な場合に本剤の投与を検討すること。
 2)重症低血糖によって引き起こされる中枢神経症状に対する有効性は認められていない。
 【用法・用量に関連する使用上の注意】
 先天性高インスリン血症にともなう低血糖について,本剤の用量は,患者の低血糖状態の重症度,血糖値および臨床症状に基づき,最も少ない用量で効果が認められるよう,個別に調整すること。増量の際には観察を十分に行いながら慎重に増量すること。
 【使用上の注意】
 1)新生児および乳児において,壊死性腸炎が報告されていることから,観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行う必要があることに関する注意事項。
 2)成長遅延が報告されていることから,小児に投与する場合は定期的に身長,体重を測定する必要があることに関する注意事項。

2020年10月1日号TOP