2021年8月1日号
広報担当理事 横井 桂子
東山区は東西を東山連峰と鴨川に挟まれ、北は三条通から南はおおよそ十条通付近までで、祇園、清水寺など多くの社寺、観光名所を含む(写真1)地域です。景観条例等の厳しい規制で、山間部の住宅開発は行われず、人口は減少の一途をたどり、現在約3万4千人と市内11区の中で最も少なくなっています。また、65歳以上の高齢者の比率は33.5%と三人に一人となり、京都市内で最も高くなっています。
東山医師会はこの地区を担当し、創立74年となりました。現在会員数は126名で、A会員45名、B会員45名、C会員21名、D会員15名で、会員数の約半分は当地区の基幹病院である京都第一赤十字病院の先生方で、病診連携をはじめ、学術面など各方面で大きくサポートいただいております。
当医師会は、地域住民に向けて、特定健診・がん検診等を行うことはもとより、在宅医療介護連携支援センターを、下京区・南区に合流させていただき(通称:べんけいセンター)運営しながら、高齢化率が高く、在宅医療の必要性も高い当地区のニーズにこたえられるように、医療資源の把握や情報共有に努めています。また、実際に在宅医療を円滑に行うためには、それに携わる多職種間の連携を密にすることが何よりも重要と考え、コメディカル在宅医療推進協議会を開催し、多職種の方々とともに地域医療の充実に向けての取り組みを積極的に行っています。また、地区住民の健康増進と啓発活動の一環として、秋には健康ウォーキングと銘打って、医師会員と住民が一緒に東山界隈を散策するという行事も恒例として行ってきています(写真2)。
写真1 コロナ禍で観光客が激減し,趣のある石畳が見渡せる二年坂
写真2 健康ウォーキング
会員に向けては定期的な学術講演会を開催し、最新の知識のアップデートに努めるとともに、新年会、秋の集いなどで親睦を深め、現在641号になる会員雑誌「東山医師会通報」を昨年までは毎月発刊し、情報共有を行ってきました。
昨年は、新型コロナ感染症の影響で、残念ながら多くの行事が中止となりましたが、当医師会も少しずつ試行錯誤を重ね、ハイブリッドでの理事会開催(写真3)や、Webによる学術講演会の再開など、ようやく新しい形での活動を行えるようになってきています。今後、会員向け通報のメール配信など、さらに新しい試みを行っていきたいと思っています。
写真3 令和3年5月 東山医師会定例理事会(ハイブリッド開催)
未だ、住民向けの行事は再開できない状況ですが、今はまず、ワクチンの接種を広く早く行き渡らせることが一番の役目と考え、ワクチンの供給や様々な状況に翻弄される毎日ではありますが、多くはかかりつけ医として各診療所が積極的にワクチン接種を行い、区役所での集団接種も行っています。
コロナ禍の経験をもとに、その他災害時での地域医療の在り方を模索すること、また、医師会そのものも会員数の減少と高齢化が進む中、質の高い地域医療の提供を継続していくための課題は山積していますが、今後も京都府医師会の先生方のご助力もいただきながら、日々努力していきたいと思っています。
最後になりましたが、京都府医師会の理事の先生方をはじめ、各地区の先生方におかれましては、コロナ禍において大変なご苦労を続けておられることと思います。すべての先生方に敬意を表し、感謝申し上げるとともに、今後のご健勝を心よりお祈り申し上げます(写真4)。
写真4 粟田神社の茅の輪
大祓(おおはらえ)は,半年の穢れを払い,次の半年を無病息災で過ごせるように祈願する日本古来の厄払いの行事です。 6月の大祓は夏越の祓と呼ばれ,この頃になると京都の多くの神社では境内に大きな茅の輪が設けられ,穢れを洗い清めるために茅の輪くぐりが行われます。本来は,くぐる人の厄除けかとは思いますが,早くコロナが治まりますようにとお願いして茅の輪をくぐってきました。
東山医師会
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元有済小学校内
TEL:075-551-2231 FAX:075-551-2232
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会 長:原田 剛史
会員数:126人(2021.6現在)