地域医療部通信 – 新型コロナウイルス感染症対策~京都府医師会での対応,2021年7月~

2021年7月31日
京都府医師会新型コロナウイルス感染症対策チーム

1.はじめに

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大第4波は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置(まん防措置)により,京都はある程度の落ち着きをみせてきた。しかし治まりきらないうちに,変異株(デルタ株)による感染で,東京をはじめ首都圏での新規感染者数が日ごとに増加し,7月から第5波となった。7月30日には全国の新規感染者数ははじめて1万人を超えた。同日に政府は緊急事態宣言を6都府県に,まん延防止等重点措置(まん防措置)は京都をはじめ5府県に指定し,期間は8月2日から31日となった。新規感染者数が増えているが,高齢者の割合が少ないこと,重症者や死亡者数が少ないこと,新型コロナワクチン未接種の30代から50代の発症が多いことは,コロナワクチン接種の効果の表れと考える。デルタ株の割合が上昇し,アルファ株からデルタ株への置き換わりがある。
 コロナワクチンは,国からの供給が減ったため,京都府内への配布数が減ることになり,特に京都市は7月の19日と26日の週の配布を停止せざるを得ない事態となった。他方,ワクチンの今後のデルタ株への対応策が待たれる。
 重症者割合が少ないとはいえ,感染者数の激増により医療体制が逼迫する可能性があり,第4波と同じ対策では対応しきれなくなる可能性もある。
 7月の1か月間の動向について述べる。
 なお,本文中に記載した数値や対応策等は,7月31日時点のものであり,今後の動向により変化することを予めお断りしておく。

2.COVID-19の流行状況とその対策

⑴ 全国の感染者数の推移と対策
 COVID-19感染拡大第4波では6月中旬まで新規感染者数が漸減したが,下旬から7月にかけて徐々に増加した。東京を中心とする首都圏だけでなく,関西圏をはじめ多くの地域で新規感染者数が増加傾向となった。重症者数,死亡者数は下げ止まりから横ばいであった。感染者に占める高齢者割合は引続き低下傾向であった。12日に緊急事態宣言が東京都で再発令され,まん防措置が首都圏の埼玉,千葉,神奈川および大阪の4府県で延長された。京都は11日にまん防措置が解除された。東京五輪が始まる時期に,急速に感染拡大し,第5波となってきた。28日に東京都では1日の新規感染者数が3,000人を超え連日の3,000人超えとなった。全国の1日の新規感染者数は29日に初めて1万人を超えた。7月の連休および夏休みシーズンによる影響で,今後の報告数が上積みされる可能性がある。東京,沖縄,埼玉,千葉,神奈川,大阪では緊急事態宣言やまん防措置が講じられていたものの,滞留人口の減少は限定的で,感染拡大を防ぐに至っていない。首都圏の3県から政府へ緊急事態宣言発令の要求が出された。30日に政府は,緊急事態宣言対象区域に埼玉,千葉,神奈川,大阪の4府県を追加し,期間は8月2日から31日までとした。同時に東京都の実施期間を31日までに延長することを決め,宣言対象地域は6都府県となった。また,北海道,石川,京都,兵庫,福岡の5府県には新たにまん防措置が適用されることになった。新規感染者数/日は,31日に東京は4,000人を超え,首都圏各県では過去最多を記録し,大阪は5月以来の1,000人超え,全国では1万2,000人を超え,オーバーシュートの様相を呈してきた。
 デルタ株が世界で主流になりつつある。米国疾病対策センター(CDC)の分析では,従来株では1人の感染者から2.5人程度に感染するが,デルタ株は1人から8~9人に感染させるので従来株の3倍以上の感染力があるとした。日本国内では,7月中旬の時点ですでに新規感染者の約3割がL452R変異株スクリーニングで陽性を示していた。国内でのデルタ株への置き換わりが進む中で,これまでにない急速な感染拡大となってきた。特に東京では,23日時点で感染者の59.6%でデルタ株が占めており,感染者増加が続き,40~50代を中心に入院の増加がみられ,すでに一般医療への影響を生じてきた。熱中症などの救急搬送が増えるなど一般医療の負担が増加する中で,このままの状況が続けば,通常なら助かる命も助からない状況になることが懸念される。感染が拡大する東京以外の首都圏でも,同様の状況が生じることが懸念される。このような危機感を行政と市民とで共有できていないことが,現在は最大の問題であり課題でもある。自分は大丈夫,少しくらいなら構わないなど,「緊急事態宣言慣れ」という言葉が横行していることが,市民ひとりひとりの危機管理意識の薄さを表している。
 7月8日に改訂された基本的対処方針および16日の新型コロナウイルス感染症対策分科会(分科会)会長談話「夏休み期間中の感染拡大を防ぐために」に基づく対策の徹底により,感染拡大を速やかに抑えることが求められた。改めて,マスク,手指衛生,人との距離の確保などの基本的感染防止対策のほか,職場における感染防止策の強化とテレワークの徹底が強調された。飲食の場面への対策の徹底,職場,学校,家庭においては,少しでも体調が悪ければ軽い症状でも早めの受診,積極的な検査に繋げることの必要性が求められた。これらについての発信・啓蒙が重要である。

表1.緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の実施期間と実施区域

⑵ 京都府の感染者数の推移と対策
 京都の新規感染者は6月下旬には一旦落ち着きをみせたが,その後,首都圏をはじめとする感染者増に並行して増加してきた。実効再生産数は6月21日0.56から30日1.05と漸増し,7月中旬以降は1.5超となった。
 4月の第4波では,1日の新規感染者数が50人から100人,100人から150人へと増えるのに,それぞれ約2週間の日数がかかったが,7月は前者が約10日,後者は1日,150人から200人は4日,と感染拡大が極めて急峻であることを示唆している。第4波も20代以下の世代の割合が多かったが,7月にはさらに10歳未満未就学児,10代が増えてきた。連休後から,10代は二桁に,20代は30~40人台の新規感染者数が連日続いた。20代が全体の3割超,20代以下の割合は5割を超えた。7日間平均の感染経路不明者割合は連休後から50%を上回った。感染経路の判明しているものの多くは家庭内感染,職場感染で,学校でのクラスターもみられた。31日時点で,国の分科会モニタリング指標で,重症用病床利用率以外のすべての項目でステージⅣを超えた。

表2.感染再拡大防止対策のための目安の状況

表3.京都府内の変異株(L452R)検査状況

表4.京都府内の変異株ゲノム解析状況

3.府医の7月の活動

⑴ 会議等
 松井府医会長は,7月8日と30日の京都府COVID-19対策専門家会議,27日京都府COVID-19対策専門家意見交換会に出席した。京都市内のコロナワクチンの供給体制について,京都市ワクチン担当者と会長・副会長・感染症担当理事とで5日,14日,27日の3回の協議を行った。
 定例理事会,各部会,委員会,地区庶務担当理事連絡協議会はWebあるいはハイブリッド開催であった。9日に京都市内地区感染症担当理事連絡協議会もWeb開催し,京都市内のワクチン供給の見通しに関して京都市から説明が行われた。30日の日医の都道府県医COVID-19担当理事連絡協議会はWeb開催された。

⑵ 宿泊療養健康管理
 Hヴィスキオ京都(V)とアパホテル(A)には,7月上旬はそれぞれ新規入所者数が一桁であったが,22日23日の連休前後から増え,27日にVの,30日にAの総入所者数が100名を超えた。7月の総入所者数は749名,退所は578名で,そのうち122名が転院となる上り搬送の対象であった。4名は自宅療養への下り搬送になった。陽性者外来受診はV13名,A1名の14名であった。保険診療はのべ229件(V160;A69)でVがAの2倍以上であった。地区医会員等による健康管理は両施設合わせて91名に出務していただいた。

⑶ 京都府・医師会 京都検査センター(府医PCR検査相談センター)の診療・検査医療機関紹介
 7月も診療・検査医療機関への紹介業務は日曜祝日以外の平日に行った。受け付けた延べ653件のうち,543件を診療・検査医療機関へ紹介した(紹介率83.2%)。キャンセルは69件(10.8%)であったが,内訳は患者都合によるものが77.5%と8割を下回った。この理由としては,行政による対応が増えた(19.7%)ことによる。なお,救急対応となったものが1件あった。

4.COVID-19ワクチン

⑴ 接種状況
表5.国内のワクチン接種状況 (2021年7月31日時点)

 7月31日時点で,全人口(1億2,712万人)のうち少なくとも1回接種は39.3%,2回接種は28.8%となった(表5)。65歳以上(対象3,549万人)に限ると,少なくとも1回接種は86.2%,2回接種は75.4%となり,高齢者の2回接種完了が7割を超えた。ただし,政府の集計はVRSの入力数に基づいているため,未入力を考慮すると8割近くが2回目接種を完了していることが推測される。この数字を,7月末までに希望する高齢者への接種完了を目指すという政府目標を達成しているとするのは政府だけであり,我々医療者からみれば,現在のワクチン流通状況からは8月末でも到底達成できないと考えられる。
 京都府内での接種は全国平均並みで進んでいる。7月31日時点で65歳以上高齢者では,少なくとも1回接種が済んだ者は83.6%で,2回目接種が完了したのは75.8%になっていた。ワクチン供給が潤沢であれば,さらに高い接種率になっていたはずである。

⑵ ワクチン接種先行国の状況とワクチンの効果
 イスラエルは,2020年12月20日からファイザーワクチン接種を開始し,高いワクチンの有効性(Vaccine effectiveness; VE)を示してきた。新規感染発生率は人口10万人あたり,未接種者91.5に対して,2回接種後14日以上経過した接種完了者では2.1と著減し,補正後VEは96.5%と報告した。7月13日現在,年代別ワクチン2回接種率は,60歳以上の各年齢群で86.8~92.7%,20~59歳の各年齢群では71.7~84.3%,10~19歳群は25%であった。初期に高い接種率が得られた高齢者群から早期にCOVID-19の報告数が減少し,3月7日にロックダウンが解除された後も発生率は低い状態を維持していた。しかし,6月21日以降1日の新規感染者数が100人を超え,7月12日に直近7日間の新規感染者数は人口10万人あたり33.1人と増加した。イスラエル政府は,デルタ株流行拡大によりワクチンの感染予防効果,発症予防効果が64%に低下したとのプレスリリースを発表したが,一方重症化予防や入院予防効果は依然93%であったとしている。
 米国では,2020年12月14日からワクチン接種が開始され,2021年5月10日にファイザーワクチンの接種対象を12歳以上に拡大した。7月13日までに3億3,494万回接種(ファイザー52%,モデルナ41%,ヤンセン4%)が実施され,全人口の52%が1回以上の接種を受け,48%が接種を完了した。7月13日現在で65歳以上では1回以上接種89%,接種完了79%で,12~15歳群で1回以上接種34%,接種完了25%になった。接種率の上昇とともに,新規感染者数,新規入院者数,死亡者数(7日間平均)はいずれも2021年4月18日以降減少傾向が続いたが,7月9日現在では直近7日間の新規感染者数は10万人あたり45.2人,1日あたりの平均新規感染者数は14,885人で前週に比して+16%と増加に転じた。米国の新規感染者のうち,デルタ株が50%以上となった(推定割合:デルタ株51.7%,アルファ株28.7%,ガンマ株8.9%,ベータ株0.2%)。ワクチン接種率の低い地域でデルタ株の割合が高いことが指摘された。また,最近のCOVID-19関連入院での18~49歳の若年成年の割合が40%以上となってきた。
 英国では,2021年12月8日からファイザーワクチン,2021年1月4日からアストラゼネカワクチンの接種が開始され,6月1日にはモデルナワクチンを合わせた3種類のワクチンが用いられている。7月12日現在,18歳以上人口における接種率は1回接種が87%,2回接種は66%に達した。7月4日時点で60歳以上の年齢群別の1回接種,2回接種率はそれぞれ90%,85%を超えていた。40歳未満も約35%が1回以上の接種を受けており,週ごとに上昇傾向にある。新規感染者数は2021年1月上旬以降減少傾向が続いていたが,5月22日以降イングランド地方で新規感染者数が増加し,次いでウェールズ,スコットランド,さらに北アイルランド地方でも増加傾向となった。7月7日~13日までの7日間の国内新規感染者数が236,076人(1日平均33,725人),前週比+27%の増加となった。検査陽性者の割合は年齢群別では12~24歳群で最も増加していたが,すべての年齢で増加したと報告されている,デルタ株が最も多く検出されている。7月5日に英国首相は感染増でも死者数が抑制されていることから,公共交通機関でのマスク着用やイベントの入場制限等の感染対策の規制をほぼ撤廃する方針を出した。
 日本国内新規感染者の多くは,65歳未満のワクチン未接種者となっている。国内の新規感染者数をワクチン接種歴別にみると(表6),7月15日から25日までに65歳以上でワクチン未接種は10万人あたり21.5であったが,ワクチン2回接種者は1.5となっていた。未接種者と2回接種者を比較して65歳以上の高齢者の感染拡大が大幅に低下している。感染者数の最も多い東京の新規感染者に占める65歳以上の割合は3%程度にとどまっており,新規感染者の増加に比して重症者や死亡者の増加が抑えられている。

表6.国内のワクチン接種歴別の人口当りの新規感染者数(10万人対)

⑶ ブレークスルー感染(Breakthrough Infection)
 ファイザーワクチンを他国に先駆けて接種開始したイスラエルから,2回接種済みの医療従事者におけるCOVID-19感染(ブレークスルー感染)について報告があった。シェバ・メディカルセンター(イスラエル最大の医療機関)で全医療従事者12,586人のうち,2020年12月19日~21年4月28日に91%がファイザーワクチン2回接種を完了していた。21年1月20日~4月28日の14週間分のデータを回収して,RT-PCR検査等でブレークスルー感染例を特定し,非感染例と照合して,一般化推定方程式(GEE)で中和抗体の幾何平均抗体価(GMT)を予測した。2回接種を完了した医療従事者11,453人中1,497人(13.1%)がRT-PCR検査を受け,そのうちブレークスルー感染が2.6%(39例;医師5,看護師18,管理・保守作業員10,その他のメディカルスタッフ6)に認められた。多くは軽症または無症状であったが,一部で上気道うっ血,筋肉痛,嗅覚・味覚喪失,発熱・悪寒がみられ,19例では診断から6週間後も咳・倦怠感などCOVID-19の後遺症(Long COVID)が認められた。なお,検出されたSARS-CoV-2は85%がアルファ株であった。SARS-CoV-2検出前1週間以内における中和抗体のGMTは,ブレークスルー感染例で192.8(95%CI 67.6~549.8)で,非感染例533.7(同408.1~698.0)より低かった。また,2回接種後1週間以内のピーク時においても,ブレークスルー感染例のGMT152.2(95%CI 30.5~759.3)で,非感染例1,027.5(同761.6~1,386.2)より低かった。以上の結果から,ファイザーワクチンは極めて効果的である一方,まれにブレークスルー感染が生じることがあること,ブレークスルー感染例のほとんどは軽症あるいは無症状だが,一部で持続的症状を発生する,と結論した。
 他方,米国CDCもワクチン接種者によるブレークスルー感染について30日に報告した。7月3日から17日のマサチューセッツ州でのクラスターでの74%にあたる346人がワクチン接種完了後の感染者で,ウイルスが特定できた133人のうち9割がデルタ株であった。このワクチン接種者は未接種者と同じ量のウイルスを排出し,感染を広げていた。なお,マサチューセッツ州の接種率は69%と比較的高く,入院は5名にとどまっていた。ワクチン接種後でも他への感染を広げるのは,デルタ株の増殖力が従来株に比べて極めて高いためである。ワクチンの重症化予防の効果は大きいが,デルタ株では他への感染を広げることは想定ほど高くないことが明らかになってきた。CDCは,ワクチン接種完了者はマスク不要とする方針を転換し,マスク着用を続けるよう呼びかけた。
 日本国内で高齢者接種が進む中で,ワクチン接種を完了したという安堵感からマスクを装着しないあるいはマスクを外す機会(飲み会,カラオケなど)が増えていることは,高齢者での感染拡大につながるため一層の啓蒙が必要である。

⑷ ワクチンの供給
 5月と6月のワクチン配送は比較的潤沢に行われ(第5クール~第8クールは16,000箱),京都市では各医療機関での発注上限は7日と14日の週はそれぞれ上限50本,21日と28日の週は70本であった。しかし,国の供給状況が変化し第9クール(7月5日・12日の週)と10クール(7月19日・26日の週)はそれまでの6割程度(各クール10,000箱)になることが判明したため,7月5日の週の上限を20本に減らし,さらには上限10本に減らさざるを得ない状況となった。7月6日の記者会見で「新型コロナワクチン接種事業 ~国からのワクチン供給計画を受けた当面の緊急措置と今後の対応方針~」が門川京都市長から説明された。緊急措置として,高齢者接種の2回目を確実に行うために,7月12日~31日のすべての個別接種・集団接種会場で新規1回目接種と予約を停止すること,個別接種医療機関へのワクチン発注上限を7月5日の週に20本,12日の週から26日の週まで上限10本とするとの説明がなされた。しかし,この際に提示された「京都市のファイザー社製ワクチンの在庫見込み」では,7月19日の週以降の京都市のワクチン在庫量はマイナスとなることが明らかであり,上限量を減らしたとはいえ,このまま上限10本の配布を続ければ,8月以降の接種が全くできなくなる状況に陥ることは明らかであった。8月以降に数少ないながらも安定的にワクチン供給を行うためには,7月19日と26日の週の分配を停止することが必要であった。この対応策について,府医と京都市との間で協議を重ねた上で,京都市はそのように決断した。この経緯については,京都市内地区医感染症担当理事連絡協議会(会員の視聴可能)で京都市から説明を行った。会員の先生方からは,多くの不満の声を頂戴した。しかし,このワクチン流通の問題は京都市や京都府に責任があるのではなく,国に問題がある。京都市や京都府の行政は理不尽な国の方針に対して,精一杯の対応策を考え,市民・府民に迷惑がかからないよう,また接種医療機関への十分な配慮をして接種体制を確保しようとしていたことは,府医会員に理解していただきたい。国が自治体へワクチン供給状況を事前説明する時期が時間的余裕を持たないことに大きな不安があり,全国知事会から国に対してワクチン配給の予定については,もっと早い時期に明らかにする要望を6月に出していた。ワクチンの配送については,あくまでも国が供給してくるのであって,その情報が遅れ気味になることで,各自治体および接種会場での接種計画が組み立てにくい。一方,国は「1日100万回接種」をスローガンにして,大規模接種会場あるいは職域接種を進めるべくワクチン接種率を上げることに注力してきた。スピード重視したため,その反動で国が急ブレーキをかけることとなった。京都のみならず全国の自治体で予約の中止,キャンセルなどの対応に追われた。11日の全国知事会から,接種のスピードアップを迫ってきた国に対しての不満や苦言が続出した。政府と自治体の間での認識の違いが露呈された。河野行政改革相は「1日100万回を超えるとは正直思っていなかった。自治体がいろいろ考えてくれたことの結果,ペースが加速した」と述べたことは極めて無責任で不適切な発言であると言わざるを得ない。15日に河野行政改革相は全国知事会とオンライン会談し,「7月からの配送スケジュールの提示が遅れた。はしごを外した形になり,大変申し訳ない」と陳謝し,国に非のあることを認めた形となった。
 7月の「我慢の2週間」によって,8月1日には約88,000回分の在庫量(見込み)となった。8月2日の週から上限8本の発注の受付を7月26日から再開となった。8月の4週はすべて上限8本を続ける。7月の後半は,高齢者2回目接種のためにかかりつけ医で接種を待っている人数を京都市が予め調査し,その2回接種のためのワクチン配送を行うこととなった。また障害児・者支援施設等での接種や園医・学校医などによる教育・保育・介護従事者への接種必要人数を意向調査で明らかにして,上限8本にその必要量の追加分を配送する予定となった(8月3日までに要返信)。
 なお,京都市の集団接種会場は,5月下旬から7月までの14か所の会場(土日10,356人)での1回目接種を一旦中止し,8月以降9か所に統合して再開(土日3,216人),平日の3会場は1会場に,その他京都工場保健会の体制は継続するが京都予防医学センターは中止とした。
 8月以降のワクチン供給(第11クール(8月2日~15日),第12クール(8月16日~29日))は,国全体で各クール10,000箱程度となる。この内8,000箱は基本計画枠であり,残りを調整枠として配分される。京都の基本計画枠は81箱であり,第11クールの調整枠は42箱(計123箱,配送は8月7日頃),第12クールが18箱(計99箱,配送は8月21日頃)となる予定である。なお,第13クール(8月30日・9月6日の週)と第14クール(9月13日・20日の週)は,11・12クールと同量の10,000箱の供給予定である。

⑸ 京あんしん予約システムと京都市コールセンター/ポータルサイト
 京あんしん予約システム(LINEでの予約)が6月26日に稼働を始めた矢先に,前述の1回目予約の停止,ワクチン配布の一時停止が決まったため,十分な活用がなされないままで経過している。8月2日から1回目接種の予約再開となったが,ワクチン供給量が少ないため,各医療機関で多くの予約枠の設定ができない状況である。予約枠を設定して公開すると,6人一枠が1時間以内で埋まるほど,多くの市民はLINEの情報をチェックしている。接種希望者とはLINE上あるいはメールでのやり取りで済むため,電話での問い合わせは減っている。LINEを扱うことができる若年成人にとって有用である。ただ,中学生が保護者の許可なく自分のスマートホンで予約を入れてくるケースがあり,注意を要する。

⑹ その他のコロナワクチン
 アストラゼネカのコロナワクチンは,5月に18歳以上を対象に薬事承認されていたが,接種後にごくまれに血栓を生じる事例が確認されているため,公的接種での使用が保留のままであった。7月30日の厚生科学審議会分科会は,アストラゼネカのワクチンの公的接種の対象者を「原則40歳以上」とする案を了承した。欧州各国でも18歳以上を対象としているが,国ごとに実際の対象年齢を絞っている。英国は40歳以上,フランスは55歳以上としており,これらの海外事情を踏まえて厚労省が40歳以上とする案を提示した。英国での接種後の血栓症死亡報告は接種10万回あたり0.14回で「利益がリスクを上回る」と判断した。ただし,40歳未満であってもファイザー等の他のワクチンにアレルギーがある場合や,海外でアストラゼネカ1回目接種後に帰国して2回目接種を受ける人,他社製ワクチンの流通が滞る場合などは接種を認める案を提示した。40歳以上と決めたが,直ちにアストラゼネカのワクチンが流通することはないと思われる。ファイザー,モデルナに加えてアストラゼネカの3種類になることでの今後の混乱は避けねばならない。
 この分科会では,モデルナのワクチンの公的接種の対象者を,現在の18歳から12歳以上に広げる案も了承された。一方,モデルナワクチンの輸入が一時的に遅れる見通しであることを30日に河野規制改革相が明らかにした。大学や企業での職域接種にその影響が及ぼされると思われる。

⑺ 変異株への対応
 デルタ株への置き換わりが進み,従来株やアルファ株に比べて,コロナワクチンの発症予防効果が低下している現状が諸外国で報告されてきた。英スコットランドでのデルタ株感染者の感染予防率と重症予防率を評価した報告では,ファイザーワクチンの2回接種後14日以上経過した者では,感染予防率は79%(95%信頼区間:75~82),重症予防率83%(同78~87)であった。また前述のブレークスルー感染があること,接種率が上がっている国での感染再拡大がみられることから,現状のファイザー,モデルナ,アストラゼネカの2回接種でデルタ株への対応が不十分として,以下の対応策が取られることが始まっている。今後の臨床試験の結果次第であるが,どのような方法になるのかは未定である。ワクチンの種類と接種方法の選択肢が広がることが,現場での混乱に結びつく可能性もある。

①ブースター接種
 ファイザーワクチンの3回目を追加接種してブースター効果で抗体の水準を上げる。ファイザー社は3回接種によりデルタ株に対しても強力な抗体ができるとして,独ビオンテック社とともに米FDA(食品医薬品局)に3回目追加接種の緊急使用許可を申請する予定である。英国でも3回目接種の臨床試験を実施中で,イスラエルでは免疫の低い成人を対象に3回目接種を始めた。3回目は2回目完了後6か月以上の経過で同じワクチンで接種を行う。世界的なワクチンの不均衡,供給と需要のアンバランスが生じている中で,3回目の接種が始まることによって,需要と供給のアンバランスに拍車がかかる可能性が高い。本邦での3回目接種については,河野行政改革相が個人的なWebの場で「我が国でも3回目接種を開始すべき」との発言(公式な場での発言ではない)があり,ワクチン供給がまだ不十分な段階では個人的発言とはいえ不用意である。

②変異株に特化したワクチン開発
 ファイザー社はデルタ株に特化したワクチンを開発し,8月に臨床試験を開始するとしている。2回接種完了のワクチンとは異なるワクチンであるが,デルタ株への感染予防が期待される。しかしながら,今後も変異株が次々と出てくるため,その都度新たなワクチンの開発が求められることが危惧される。
 現在,国内で特例承認申請中のヤンセンファーマとジョンソンエンドジョンソンのワクチン(ウイルスベクターワクチン)の臨床試験データでは,デルタ株・ベータ株・ガンマ株に対する中和抗体が産生されて経時的に増加し,少なくとも接種後8か月間にわたり上昇することが報告されている(接種後6か月後の中和抗体は29日後の平均中和抗体価を上回る)。ヤンセンワクチンは1回接種という利点がある。

③メーカーの異なるワクチンの混合接種
 英オックスフォード大学は,メーカーの異なるワクチンを組み合わせる混合接種によって得る免疫能の違いについての報告を出した。それによると,アストラゼネカの2回接種よりも,ファイザーワクチンを組み合わせることで免疫能が高くなり,組み合わせとしてはアストラゼネカの次にファイザーとする方が,その逆の順よりも免疫能が高いとした。

⑻ ワクチン在庫量・接種量管理の問題点(V-SYSとVRS)
 コロナワクチンの分配量を決めるひとつの方法がVRSの入力数であるが,ここにはかなりの問題点が含まれている。
 当初はワクチンの配送と接種実績を厚労省が運用する「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」で一元管理されていた。ここで全国の自治体や医療機関に配送したロット番号ごとのワクチンの量,行き先,接種実績といった情報が管理される。医療従事者先行接種や優先接種では,各自治体はこのV-SYSを基盤とするワクチン発注方法を工夫し,自治体ごとに発注方法は異なるものの,基本的にはV-SYSでの管理に結びつけていた。ところが,5月に内閣官房が管理する「ワクチン接種記録システム(VRS)」が登場し,一般住民接種の接種実績登録はVRSに移行することになった。接種券の情報をVRSで読み込むため,接種数はVRSで管理し,V-SYSへの入力は不要となった(クーポン付き予診票のみV-SYSで入力する)。V-SYSとVRSは,システム間の連携がないこと,管理するのが厚労省と内閣官房に跨がることなどから,コロナワクチンでの縦割り行政の弊害が出ている。在庫量を把握するには,配送した量から接種した実数を差し引く必要がある(廃棄した本数も必要であるため,V-SYSには廃棄本数の項目がある)が,両者が連携していないため,それぞれから接種会場ごとの数字を抽出して突合する必要があり手間がかかることと,VRSは接種実数が即日に把握しづらい問題がある。VRSの入力については府医が個別接種医療機関へアンケート調査したが,回答されたほとんどの医療機関で即日あるいは翌日にはVRS入力が実施されていた。しかし,他の自治体では,1か月あるいは週にまとめて入力が行われるところもあり,接種実績が正しく表れていない。内閣官房によると,6月の接種分のうち,接種当日に入力されたのは実際の5~7割程度であった。6月末頃からコロナワクチンの供給不足のために,接種予約を制限する自治体が相次いでいた(京都も例外ではない)。政府は供給量から使用量を差し引いた「市中在庫」は4千万回分あるはずとして(「抱え込んでいる医療機関がある」とまで言った),余剰があると判断した自治体への供給を減らす措置をとった。大阪をはじめVRS入力の遅れがある自治体からは,実態が反映されていないと反発の声が上がった。実際,京都では高齢者の2回接種と8月以降の1回目接種確保のために,7月中旬から1回目接種の予約停止,京都市内のワクチン配布ゼロとすることでVRS入力数が減ったが,このことが次の配分計画で配分数を減らされる結果となったことは,単純にその場の数字を見ることだけでしか判断ができない国の体制に問題がある。
 そもそも,コロナワクチン以外の我が国の予防接種行政では,一元的に管理するシステムがない現状である。つい数年前まで京都市は予防接種台帳を持っていなかった。予防接種台帳の作成は,接種の主体となる地方自治体に委ねられており,アナログのままであるところから,電子化されているところまで様々である。また電子化されていても,システムは自治体ごとにバラバラであり,統一されたものがない。そのため広域予防接種に支障を来しており,都道府県単位,あるいは国全体でのワクチンの管理(在庫,出荷量,使用量,個人の接種歴)が全くできていない。その点,V-SYSは全国レベルでのワクチン管理が可能で,ワクチン台帳になりうるものであり,コロナワクチン以外への応用が期待された。VRSはマイナンバーと紐付きされているので,接種ワクチンの種類,接種日,接種会場を個人の情報に結びつけ,いわば全国共通の接種台帳となる利点がある。国は,V-SYSとVRSでの入力内容を連携させるとしたが,どのようなものになるのか注視する必要がある。将来的な,ワクチン管理システムの根幹となるべきものに昇華させるべきである。

5.COVID-19治療薬

⑴ 抗体カクテル療法
 国内で使用が認められているCOVID-19治療薬は,これまでにレムデシビル(販売名:ベクルリー),デキサメサゾン(同:デカドロン他),バリシチニブ(同:オルミエント)の3種類で,いずれも対象は中等症~重症者であった。厚労省は7月19日にCOVID-19に対する抗体カクテル療法(同:ロナプリーブ点滴静注セット,中外製薬)を特例承認した。国内で初めて薬事承認された軽症~中等症のCOVID-19治療薬となる。
 ロナプリーブは,SARS-CoV-2のスパイクタンパクに対する2種類の中和抗体カシリビマブとイムデビマブを同時投与することによって,SARS-CoV-2が宿主細胞に侵入することを阻害し,ウイルス増殖を抑制する中和抗体薬である。2つの抗体がスパイクタンパクの受容体結合部位に非競合的に結合することで,スパイクタンパクと宿主細胞表面の酵素との結合を阻害する。
 ロナプリーブについては複数の臨床試験が行われ,重症化リスク因子を有する酸素飽和度93%(ルームエアー)以上の患者を対象とした海外試験では,入院または死亡に至ったCOVID-19患者の割合は,プラセボ群の3.2%に対してロナプリーブ投与群は1.0%で,入院または死亡のリスクを70.4%低下させた。このデータによりカシリビマブ・イムデビマブカクテル療法は2020年11月に米国で緊急使用許可を得た。中外製薬は,日本での開発権,独占的販売権をスイス・ロッシュ社から取得した。
 ロナプリーブの添付文書には,臨床試験成績を踏まえて「重症化リスク因子を有し,酸素投与を要しない患者(軽症~中等症Ⅰ)を対象に投与」と明記された。ロナプリーブの総供給量が世界的に限られており,国内での安定供給が難しくなるため,供給が安定するまでは,国がロナプリーブを買い上げて,医療機関からの依頼に基づいて無償提供する方針とした。中外製薬が「ロナプリーブ登録センター」を開設し,ロナプリーブの配分を希望する医療機関が同センターに登録して配分以来の手続きを進めることになる。同センターで配分依頼を平日15時時点で取りまとめて,原則,翌日から3日以内に配送することとなる。このタイムラグは臨床現場にとっては大きな足枷になる。

⑵ 経口薬
 COVID-19に対する経口抗ウイルス薬の開発が進んでいる。海外での臨床試験が行われているものとして,「モヌピラビル」(米メルク(MSD)),「AT-527」(スイス・ロッシュ(中外製薬)),「PF-07321332」(米ファイザー)がある。国内では,塩野義製薬の抗ウイルス薬の臨床試験が9月末までに国内臨床試験の開始を目指している。日医工の「カモスタットメシル酸塩」は,臨床試験の結果,有効性が確認できなかったと5日に発表した。臨床試験は米国の子会社が実施したが,主要評価項目の「入院率」と「死亡率」との改善に効果が見られなかったことから,COVID-19治療薬としての開発中止を決めた。

6.COVID-19感染の後遺症

 COVID-19の重症者の多くが長期にわたり症状が持続することが知られているが,自宅療養となった軽症~中等症の若年者も例外ではないことが,ノルウェーでの前向き追跡調査で明らかにされた。同国でのCOVID-19発症後の自宅療養者247例(年齢中央値43歳,女性53%)では,半年後も症状が持続していたのは半数超にのぼり,16~30歳の若年者でも約5割が何らかの症状を有していた。最も多かったのは疲労感(30%)で,次いで味覚・嗅覚障害(27%),集中力低下(19%),記憶障害(18%),呼吸困難(15%)の順であった。15歳以下の小児では持続的な症状を有する割合が13%と低かった。感染後半年経過後も集中力低下,記憶障害などは,特に学生の場合は勉学・学習の遂行が妨げられる恐れがある。ワクチン接種をはじめとする感染症対策は,若者に対しても重要であることを再確認させられる結果である。

<資料>
#「新型コロナウイルス感染症に係る障害福祉サービス等事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第14報)」 (6月28日,事務連絡,厚労省社会・援護局)
#「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種のために一時的に開設される診療所に対し,卸売販売業者が必要な医薬品を販売する際の取扱いについて」(6月30日,事務連絡,厚労省医政局/医薬・生活衛生局/健康局)
#「「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について」 (7月2日,事務連絡,厚労省健康局)
#「「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第5.1版」の周知について」 (7月5日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「ファイザー社ワクチンの融通範囲の拡大について」(7月5日,事務連絡,厚労省健康局)
#「ファイザー社ワクチン第10クール及び第10-2クールの新型コロナワクチン等の配分等について(追加連絡)」 (7月5日,事務連絡,厚労省健康局)
#「ファイザー社ワクチン第11クール・第12クールに係る配分スケジュール等について」 (7月5日,事務連絡,厚労省健康局)
#「児童養護施設等入所者等への新型コロナウイルス感染症に係る予防接種について」 (7月5日,事務連絡,厚労省健康局/子ども家庭局/社会・援護局)
#「基本配分計画の改訂について(第11・第12クール分)」(7月7日,事務連絡,厚労省健康局)
#「入国者等に対する健康フォローアップの実施に当たっての留意点について」(7月7日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「ファイザー社ワクチン第11クールの新型コロナワクチン等の配分について」(7月12日,事務連絡,厚労省健康局)
#「予防接種法施行規則の一部を改正する省令の公布について」(7月12日,厚労省健康局)
#「「廃棄物に関する新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」の一部改訂について」(7月13日,日医)
#「新型コロナワクチン接種に関する情報提供資材の改訂等について」(7月13日,事務連絡,厚労省健康局)
#「東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う感染症サーベイランスの取組強化について(一部改正)」 (7月13日,事務連絡,厚労省健康局/対策推進本部)
#「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等の区域変更等に伴う周知依頼について」 (7月15日,事務連絡,厚労省医政局)
#「「新型コロナワクチン 予診票の確認のポイント Ver.2.2」について(7月16日版)」(7月19日,日医)
#「入国者健康確認センターとHER-SYSの情報連携によるSARS-CoV-2陽性と判定された方の情報及び検体の提出について」(7月19日,日医)
#「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」の医療機関への配分について(依頼)」(7月20日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「ファイザー社ワクチン第13クール・第14クールに係る配分スケジュール等について」 (7月21日,事務連絡,厚労省健康局)
#「「短期滞在入国者等であって感染症の予防及び感染症の患者に関する法律による入院患者の自己負担について」の一部改訂について(周知依頼)」(7月21日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「ファイザー社ワクチン第12クールの新型コロナワクチン等の配分について」(7月26日,事務連絡,厚労省健康局)
#「「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)(COVID-19ワクチンモデルナ筋注)の使用に当たっての留意事項について」の補遺について」(7月26日,厚労省医薬・生活衛生局)
#「コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(遺伝子組換えサルアデノウイルスベクター)(バキスゼブリア筋注)の「使用上の注意」の改訂について」(7月27日,厚労省医薬・生活衛生局)
#「Long COVID in a prospective cohort of home-isolated patients」(B Blomberg, K G-I Nohn, et al, Nature Medicine Online, June 23, 2021)
#「Safety, Immunogenicity, and Efficacy of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine in Adolescents」(RW Frenck, NP Klein, et al, N Eng J Med. 385;3:239-50, 2021)
#「Decline in Vaccine Effectiveness Against Infection and Symptomatic Illness」(Israel Ministry of Health, Press Release, July 5, 2021)
#「COVID Data Tracker Weekly Review」(CDC, update July 7, 2021)
#「COVID-19 vaccine surveillance report Week 27」(Public Health England)
#「Coronavirus (COVID-19) Infection Survey, UK」(GOV.UK, July 7, 2021)
#「Covid-19 Breakthrough Infections in Vaccinated Health Care Workers」(M Bergwerk, T Gonen et al. N Eng J Med Online. July 28, 2021)
#「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(7月30日変更,COVID-19対策本部)

2021年8月15日号TOP