2021年12月1日号
1.最近の中央情勢について
9月下旬から10月中旬にかけての社会・医療保険状況について,◆厚生労働省保険局医療課は9月21日付で後発医薬品の供給停止や出荷調整が相次いでいることを踏まえ,来年3月末まで,7月1日時点で供給停止となっている品目と同一成分・同一投与形態の27成分1,025品目について,各加算などの実績要件である後発品使用割合を算出する際の対象から除外してよい扱いとすることを事務連絡◆厚生労働相は9月28日の閣議後の会見で,9月末までの時限措置となっている診療報酬の感染対策実施に関する特例措置に代わる新たな補助金や診療報酬の概要を発表◆財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会は,2022年度予算編成を念頭に置いた「秋の建議」に向けて議論をスタートさせ,10月5日の財政総論をテーマとした議論の中で,財務省は日本の社会保障について「給付と負担のバランスが不均衡の状態に陥っており,制度の持続可能性を確保するための改革が急務」と指摘◆中医協総会は10月20日,2022年度診療報酬改定に向けて外来医療に関する2巡目の議論として,厚生労働省が外来医療に関する論点の1つに挙げた「かかりつけ医機能」を取り上げ,すべての支払い側委員が国民がかかりつけ医を持てるようにするために現在の報酬体系の見直しを検討するよう主張―といった話題を中心に説明した。
2.学術講演会の今後の予定について
11月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。
3.第47回京都医学会について
11月7日(日)にWeb開催される第47回京都医学会における特別講演・シンポジウムの内容を紹介し,多数の参加を呼びかけた。
4.麻薬免許更新申請について
有効期限が令和3年12月31日の麻薬免許の更新手続きの期限が迫っているため,更新未申請の先生方は速やかに手続きを行うよう注意を促した。
また,今回の更新手続を行わず,麻薬業務を廃止する場合は,免許の廃止手続きが必要であると補足した。
1.リモート会議について(中京西部)
会議によって府医の使用するWeb会議システムが異なる理由について,Cisco Webexのミーティング機能を基本として,参加人数が一定数以上となることが予想される研修会等において,Cisco Webexでは同時に参加できる人数に制限があること,また,音声の操作等,運用上の必要性から,Zoomのウェビナー機能を活用するといった使い分けをしていると説明した。
また,日医から各都道府県に割り振られているZoomアカウントも活用し,Cisco Webexのバックアップとしてシステムの冗長化を図っているとした。
2.心肺蘇生を希望しない人(DNAR)の救急搬送について(福知山)
府医より,現代においては心肺蘇生しないという意思決定(DNAR)も尊重されるべきという考えが一般的であるが,救急搬送された場合,救命士は任務上,心肺蘇生を行わざるを得ず,現時点ではDNARへの対応は非常に難しいものであると説明した上で,行政にも具体的な取組みや動きは見られないが,今後,地域で救命士や看護師等の医療従事者,市民,行政等も交えて協議していく必要があるとの見解を示した。
地区医からは,実際に病院へ救急搬送し,本格的な蘇生処置をしようとしたところでDNARであることが判明し,トラブルになりかけた事例があったことを紹介し,このような事例が発生していることを把握するよう求めた。
府医からは,救命士が心肺蘇生すべきかどうかを判断することは難しく,駆け付けた時点で任務上,蘇生を行わなければならないため,救急車を呼ばないで済むよう本人や患者家族としっかりコミュニケーションをとり,意思を事前に確認しておくことが重要であると指摘。コミュニケーションがしっかりできていれば,かかりつけ医がすぐに駆け付けられない状況でも臨機応変に対応できるとの考えを示した。
また,各事例で様々な事情やパターンが考えられることから,関係者全体で意識を共有しておき,個々に対応していくことが重要であるとの見解を示した上で,周知や制度化のためにも,かかりつけ医の役割を強固にしていく必要があるとし,地域ケア委員会等で引続き取組んでいきたいとした。
3.コロナワクチン3回目接種について(京都市西陣)
府医より,まず,現在の新型コロナワクチンの供給状況について報告し,第15クールをもって,国民の9割分のワクチンの確保が完了したこととなり,16クール以降の供給は予定されていないことを説明した。
また,9月22日より,2回目の接種の際に1回目のワクチンと異なる種類のワクチンを接種する,いわゆる交互接種が可能となっていることを報告した。
その他,季節性インフルエンザや高齢者肺炎球菌等,新型コロナ以外のワクチンと新型コロナワクチンとの同時接種は認められておらず,13日間の接種間隔をあける必要があることや,既感染者については接種医の判断で接種すること等を説明した。
また,3回目の接種については,市町村が主体となって実施される予定であり,11月15日および22日の週には,3回目接種の第1クールのワクチンが各都道府県に割り振られ,京都府には63箱が入荷する予定であると紹介した。
実際に医療従事者が3回目接種を受けられるのは,12月から来年1月になる見込みであり,詳細が分かり次第,追って広報するとした。