2021年12月15日号
1.講演「胸部X線で見落としやすい肺がん」
2.「京都府肺がん検診 令和2年度の総括」
3.「令和2年度 発見肺がんの症例検討会」
11月20日(土)令和3年度「肺がん検診研修会」が開催され,府内肺がん検診の読影委員をはじめ精密検査医療機関の専門医,保健センター関係者等49名が参加した。
本研修会は,府医肺がん対策委員会が中心となって京都府内における「肺がん検診」の精度向上を目的として,年1回開催している。
昨年同様,今回も新型コロナウイルスの感染拡大を避けるために集合しての胸部X線読影実習を中止とし,昨年できなかった特別講演を加えた2部形式のWEB開催となった。
前半は,国立がん研究センター中央病院 副院長・放射線診断科長 楠本昌彦先生より講演をいただいた。楠本先生は,「胸部X線で見落としやすい肺がん」を①腫瘤が既存構造(a心臓・横隔膜,b肋骨や鎖骨,c肺門)に重なる,②無気肺(a完全な無気肺,b不完全な無気肺),③癌の陰影そのものが淡い場合と小さい場合に分け,テーマごとに胸部X線画像の読影ポイントをCT画像と対比しながら分かりやすく解説していただいた。
後半は,府医肺がん対策委員会委員長 下山恵司先生より「京都府肺がん検診 令和2年度の総括」と「令和2年度 発見肺がんの症例検討」について説明があった。令和2年度の肺がん検診は,新型コロナウイルスの感染拡大により検診が中止や延期された市町村があり,受診者数の減少のため発見がん数も低下した。また,発見がんのうち7件はD判定(肺がん以外の疾患疑い)より発見されており,がんが疑われる場合は,E判定(肺がんの疑い)として精密検査を実施いただくよう呼び掛けられた。症例検討では,令和2年度の検診で肺がんが発見された17症例を取り上げ,検診時の胸部X線画像および精密検査時のCT画像を示し,読影時の注意点を交えて解説,比較読影の重要性が述べられた。
参加者からは「読影時の見落としを避けるためのポイントを中心に分かりやすく的確にご教示いただきました。読影の基本とコツ,留意点を改めて確認でき,大変勉強になりました」等の感想が寄せられた。
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府医の肺がん対策委員会では,今後も肺がん検診の精度向上に繋がる取組みを続けていきますので,次回も多数の参加をお待ちしております。
なお,当日,参加いただけなかった方などにも視聴いただけるよう,研修の録画を府医のホームページにアップしております。視聴は京都府内の医療関係者に限ります。視聴をご希望の場合は,下記アドレスへmailにて,表題を「肺がん検診研修会視聴申込」とし,①氏名 ②勤務先 (医師以外の場合③職種)を記載の上1月6日(木)までにお申し込みください。視聴に必要なID・パスワードを返信します。視聴期間は1月15日(土)までを予定しております。
申し込み先 アドレス
chiiki-kensyu02@kyoto.med.or.jp