学術講演会における「確認問題」

第325回京都整形外科医会学術講演会
とき:11月28日(土) ところ:ホテル日航プリンセス京都

「手の変形性関節症の治療戦略」
 京都第二赤十字病院整形外科 部長 藤原 浩芳 氏

設問 間違っているのはどれか?
 ① EOAの特徴的レントゲン所見は,gull wingである。
 ② 乾癬性関節炎は,DIP関節に多い。
 ③ 母指CM関節症Eaton stage4に対しては,CM関節固定術が適応になる。
 ④ キーンベック病stage3に対しては,血管柄付き骨移植術が行われる。
 ⑤ 女性ホルモンの減少が,手指変形性関節症の一因と考えられている。

解答 

「小児整形外科のピットフォール」
 滋賀県立小児保健医療センター 病院長 二見  徹 氏

設問1 近年増加している小児の栄養不良で代表的なものは何か?

解答1 ビタミンD欠乏性くる病(または くる病)

設問2 学童期以降の小児股関節疾患で,診断が遅れることも少なくないものは何か?

解答2 Perthes病
    大腿骨頭すべり症

京都消化器医会 定例学術講演会
とき:12月12日(土) ところ:WEB配信

「慢性膵炎の診断・治療について」
 京都大学大学院医学研究科消化器内科学 講師 福田 晃久 氏

設問1 近年,mechanistic definitionと呼ばれる新しい定義が提案され,2019年12月に慢性膵炎の臨床診断基準が改訂された。○か×か?

解答1 

解説1 発症前から早期,進行期,末期へと進展する本疾患の全体像とその機序,成因などが包括された新たな慢性膵炎像である。

設問2 慢性膵炎は膵癌のリスク因子であるが,実臨床において慢性膵炎から発生する膵癌の診断は容易である。○か×か?

解答2 ×

解説2 慢性膵炎から発生する膵癌の診断は,困難なケースがしばしばある。
慢性膵炎と診断されて特に2年以内は,潜在する膵癌を見逃している可能性を念頭に,CT・MRI・EUSなど精査を行うべきである。

「連携によって実現するアルコール依存症の新しい治療戦略~アルコール専門クリニックの観点から~」
 安東医院 院長 安東  毅 氏

設問1 依存症治療ガイドラインにおいて,アルコール依存症の治療目標は断酒のみである。○か×か?

解答1 ×

設問2 トリートメントギャップの解消のためには,プライマリケア医と専門医療機関の連携が必須である。○か×か?

解答2 

京都内科医会 定例学術講演会
とき:12月19日(土) ところ:WEB配信

「内科医が知っておきたい上部消化管診療のエッセンス~抗血栓薬による消化管傷害も含めて~」
 京都第一赤十字病院消化器内科 副部長/上部消化管内視鏡治療部門長 戸祭 直也 氏

設問1 次のうち,正しいのはどれか?
 ① 低用量アスピリン内服患者の潰瘍予防にPPIもしくはPCABが,全員投与すべきである。
 ② アスピリン投与による出血性有害事象は,高齢者ほど上部消化管に起きる可能性が高い。
 ③ 内視鏡の際は,出血性合併症を防ぐために,抗血栓薬はすべて十分な期間,休薬すべきである。

解答1 

設問2 次のうち,正しいのはどれか?
① ヘリコバクター・ピロリ除菌後も内視鏡フォローアップが望ましい。
② 内視鏡で逆流性食道炎を認めなければ,胸焼け症状には薬物治療は不要である。
③ 十二指腸腫瘍は,術前に生検で診断をつけてから治療方針を決めることは必須である。

解答2 

2021年2月1日号TOP