保険だより – 薬価基準の一部改正等について

 令和2年11月18日付厚生労働省告示第357号,358号および11月24日付厚生労働省告示第362号,363号をもって薬価基準等が改正され,同年11月18日および11月25日より適用されましたので,その概要を下記のとおりお知らせします。

▷新たに収載されたもの(令和2年11月18日から適用)

<内用薬>

<注射薬>

<外用薬>

▷薬価基準の一部改正にともなう留意事項について

(1)リベルサス錠3mg,同錠7mg及び同錠14mg
 ① 本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「本剤の適用は,あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法,運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。」とされており,また,用法及び用量に関連する注意において,「本剤14mgを投与する際には,本剤の7mg錠を2錠投与することは避けること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
 ② 本製剤の重要な基本的注意において「本剤とDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく,有効性及び安全性は確認されていない。」とされているので,DPP-4阻害剤との併用は避けること。
 ③ 関係学会のガイドライン等におけるGLP-1受容体作動薬の位置付けに留意することとし,他の経口血糖降下薬を投与していない患者に本剤を投与する場合は,本剤の投与が必要と判断した理由をレセプトに記載すること。

(2)ジセレカ錠100mg及び同錠200mg
 本製剤の効能又は効果に関連する注意において「過去の治療において,メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。

(3)ゼジューラカプセル100mg
 本製剤を「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌」に用いる場合は,効能又は効果に関連する使用上の注意において,「3つ以上の化学療法歴のある患者を対象とすること。」及び「承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により,相同組換え修復欠損を有することが確認された患者に投与すること。」とされているので,過去に実施した化学療法歴及び相同組換え修復欠損を有することを確認した検査の実施年月日をレセプトの摘要欄に記入すること。
 なお,検査実施年月日は,当該検査を実施した月のみ記載すること。ただし,本剤の初回投与に当たっては,必ず実施年月日を記載すること。

(4)ゼオマイン筋注用50単位,同筋注用100単位及び同筋注用200単位
 本製剤は,ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素製剤であり,警告において,「A型ボツリヌス毒素を緊張筋以外の部位に投与すると,一時的に周辺筋肉群の筋力低下等が発現することがあるため,本剤の投与は,講習を受けた医師で,本剤の安全性及び有効性を十分理解し,高度な解剖学的知識,筋電図,超音波検査,又はスティミュレーター等の測定技術及び本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が行うこと。また,本剤の使用上の注意を熟読した上で,用法及び用量を厳守し,上肢痙縮以外には使用しないこと。」とされているので,使用に当たっては十分留意し,上肢痙縮に使用した場合に限り算定するものであること。

(5)アキャルックス点滴静注250mg
 本製剤の効能又は効果に関連する注意に,「化学放射線療法等の標準的な治療が可能な場合にはこれらの治療を優先すること。」と記載されているので,本剤の投与が必要と判断した理由をレセプトに記載すること。

(6)エクロックゲル5%
 本製剤の効能又は効果は「原発性腋窩多汗症」であることから,原発性腋窩多汗症の確定診断が行われた場合にのみ投与すること。
 また,本製剤の投与開始に当たっては,多汗症疾患重症度評価尺度(HDSS)をレセプトの摘要欄に記載すること。

▷新たに収載されたもの(令和2年11月25日から適用)

<内用薬>

<注射薬>

▷薬価基準の一部改正について

 アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「FKB」,同BS皮下注40mgシリンジ0.8mL「FKB」及び同BS皮下注40mgペン0.8mL「FKB」

(1)本製剤はアダリムマブ製剤であり,本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は,「C101」在宅自己注射指導管理料を算定できるものであること。

(2)本製剤は針付注入器一体型のキットであるので,「C101」在宅自己注射指導管理料を算定する場合,「C151」注入器加算及び「C153」注入器用注射針加算は算定できないものであること。

▷診療報酬における加算等の算定対象となる「後発医薬品のある先発医薬品」(令和2年12月1日から適用)

<注射薬>

▷経過措置品目となったもの(令和3年3月31日まで)

<内用薬>

<注射薬>

<外用薬>

▷関係通知の一部改正について

 下記医薬品を,診療報酬における加算等の算定対象となる「後発医薬品のある先発医薬品」から削除し,令和2年11月25日から適用すること(後発医薬品(エラスターゼ1800単位錠)が経過措置品目となったことによる改正)。

2021年1月15日号TOP