2021年6月1日号
介護保険法施行令等の一部改正が3月31日に公布され,8月1日から施行されることとなりましたのでお知らせします。
今般の一部改正は「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和元年12月27日社会保障審議会介護保険部会)等を踏まえたものであり,主要な改正内容は下記のとおりです。
記
1.高額介護(予防)サービス費の見直し
高額介護(予防)サービス費については,制度創設時から医療保険の高額療養費制度を踏まえて設定している。
今般,負担能力に応じた負担とする観点から,医療保険の高額療養費制度における70歳以上の多数回該当の負担上限額に合わせ,現行の現役並み所得者のうち年収約770万円以上及び年収約1,160万円以上の者について,世帯の負担上限額を現行の44,400円から,それぞれ93,000円及び140,100円とする見直しを行う。
なお,令和3年8月からの施行に向けて,見直しの趣旨や内容等について被保険者や介護サービス事業者等に対して丁寧に周知・広報を行うことが重要である。周知・広報に関しては周知用リーフレット等を作成しているところであり,周知方法や事務手続の詳細等については追ってお示しする。
2.補足給付の見直し
介護保険施設における食費や居住費については,在宅で介護を受ける方との公平性等の観点から,平成17年10月より利用者本人の負担を原則とし,低所得の方については一定の給付(補足給付)を支給してきた。
今般,在宅で介護を受ける方との公平性等の観点から,負担能力に応じた負担となるよう以下のとおり見直しを行う。
(1) 施設入所者に対する食費の助成について,現行の第3段階を,保険料の所得段階と合わせて本人年金収入等80万円超120万円以下の段階(以下「第3段階①」という。)と本人年金収入等120万円超の段階(以下「第3段階②」という。)の2つの段階に区分するとともに,第3段階②について,第3段階②と第4段階の本人支出額(介護保険三施設平均)の差額の概ね2分の1の額(月額約2.2万円)を本人の負担限度額に上乗せする。
(2) (介護予防)短期入所生活介護及び療養介護(以下「ショートステイ」という。)の食費の助成について,(1)と同様,第3段階を2つに区分するとともに,第3段階②について,(1)の金額を踏まえた本人の負担限度額への上乗せ(650円/日)を行う。
また,食費が給付対象外となっている通所介護等との均衡等の観点から,第3段階①及び第2段階についても,負担能力に配慮しながら本人の負担限度額への上乗せ(第3段階①:350円/日,第2段階:210円/日)を行う。各所得段階の負担限度額への上乗せ額については,各所得段階の見直し後の負担限度額の段差(増加額)がほぼ均等(300円から400円)となるように調整する。
(3) 食費・居住費の助成の要件となる預貯金等の基準について,所得段階に応じて設定することとし,第2段階,第3段階①,第3段階②の3つの所得段階それぞれに基準を設定する(第2段階:650万円,第3段階①:550万円,第3段階②:500万円)。
なお,見直しに当たっては,社会福祉法人等による生計困難者等に対する介護保険サービスに係る利用者負担額軽減制度事業の活用等を促進するとともに,令和3年8月からの施行に向けて,見直しの趣旨や内容等について被保険者や介護サービス事業者等に対して丁寧に周知・広報を行うことが重要である。
周知・広報に関しては周知用リーフレット等を作成しているところであり,周知方法や事務手続の詳細等については追ってお示しする。