2021年6月1日号
4月23 日に緊急事態宣言が発出されたところですが,「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和3年4月23日変更))において,「高齢者,障害者など特に支援が必要な方々の居住や支援に関するすべての関係者(生活支援関係事業者)」については,事業の継続を要請するものとされており,引続き,介護サービス事業所が提供する各種サービスについては,利用者の方々やその家族の生活を継続する観点から,十分な感染防止対策を前提として,利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要とされています。
介護サービスの継続等について,厚生労働省から通知が発出されていますので抜粋して下記のとおりお示しします。通知の全文については,WAM NETのホームページ等で介護保険最新情報vol.971をご参照ください。
記
1 感染防止策の徹底
サービスの提供にあたっては,「社会福祉施設等における感染拡大防止の為の留意点について(その2)(一部改正)」(令和2年10月15日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡)等において示された取扱いを徹底の上,対応を行うこと。その際は,以下の感染症対策ツールなども活用しながら,取組を行うこと。
① 新型コロナウイルス感染症対策のポイントをまとめたマニュアル,動画,事例集等
「高齢者施設における感染対策の更なる推進について」(令和3年3月9日付厚生労働省老健局高齢者支援課ほか連名事務連絡)等に基づき,これまで示してきた平時から感染時までのケア等の具体的な留意点,自主点検実施要領,机上訓練シナリオ,感染対策のポイントをまとめた動画や手引き,事例集を公表している。また,各自治体においても感染拡大防止に係る取組が実施されており,同取組をとりまとめたホームページを作成している。これらを活用すること等により,感染防止対策の再徹底,シミュレーションを行い,感染予防及び感染拡大防止に引き続き取り組むことが求められる。
② 介護サービスにおける感染症対応力向上のための研修
介護サービスに従事する職員が標準的な予防策や感染発生時の備え等を理解し実践できるよう,
・感染症の知識や技術に関する全職員向け
・体制づくりや職員への配慮などに関する管理者向け
に分けて,eラーニングサイトを構築している。併せて,感染症の専門家による実地研修も組み合わせて実施されており,これらの研修も活用し,一層の感染症対応力の向上に取り組むことが求められる。
③ 感染症発生時業務継続計画の策定に向けたひな型等
令和3年度介護報酬改定において,全ての介護サービス事業所に対して,一定の経過措置期間を設け,感染症発生時の業務継続計画の策定等が義務付けられている。業務継続計画の策定の参考として,業務継続ガイドライン,ひな形等を作成しており,これらを活用しながら,感染者が発生した場合のサービスの継続に向けた取組が求められる。
上記①~③の介護サービス事業所等向けの感染症対策等をまとめたものを厚生労働省ホームページに掲載しているので,参考にされたい。
また,「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和3年4月23日変更))において,特定都道府県等は,面会に関する感染防止策の徹底(オンライン面会の活用等)等を行うこととされたところである。面会に関しては,地域における発生状況等も踏まえ,緊急やむを得ない場合を除き制限する等の対応を検討すること,地域における発生状況等を踏まえ面会を実施する場合は感染防止対策を行った上で実施すべきであること等を示しているところであり,引き続き,適切に対応を行うとともに,オンライン面会も考慮しつつ,面会の実施にあたっては感染防止対策を徹底すること。
(参考)特定都道府県:緊急事態宣言の対象区域に属する都道府県
2 柔軟なサービス提供について
サービス提供にあたっては,事務連絡でお示ししてきた人員基準や介護報酬等の特例を活用した柔軟なサービス提供についても検討すること。(※1)
その際,サービス別の特例について一覧化したものをホームページに掲載しているので,参考にされたい。
また,通所介護等においては,居宅で生活している利用者に対して,居宅を訪問し,個別サービス計画の内容を踏まえ,できる限りのサービスを提供した場合等に,相応の介護報酬の算定が可能である。なお,自主的に休業している場合や,①通所サービスの事業所におけるサービス提供と,②当該通所サービスの事業所の職員による居宅への訪問によるサービス提供の両方を適宜組み合わせて実施する場合においても,同様の取扱いが可能である。
さらに,一定の条件で,健康状態,直近の食事の内容や時間,直近の入浴の有無や時間,当日の外出の有無と外出先,希望するサービスの提供内容や頻度等について,電話により確認した場合,相応の介護報酬の算定が可能である。(※2)
※1 一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合にも報酬を減額しないことや,感染防止のためにサービスが短時間の実施となった場合も従来通りの報酬算定を可能とすること等柔軟な取扱いについて,「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」(令和2年2月17日付厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室ほか事務連絡)等においてお示ししている。
※2 通所介護事業所が,当初の計画に位置付けられたサービス提供ではなく,時間を短縮しての通所サービスの提供や,訪問によるサービスの提供を行う場合,事前に利用者の同意を得た場合には,サービス担当者会議の実施は不要として差し支えない。
また,これらの変更を行った場合には,居宅サービス計画(標準様式第2表,第3表,第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しが必要となるが,これらについては,サービス提供後に行っても差し支えない。
なお,同意については,最終的には文書(電磁的方法を含む。以下,同じ。)による必要があるが,サービス提供前に説明を行い,同意を得ていれば,文書はサービス提供後に得ることでよい。
(参考)
【1 感染防止策の徹底】
・「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和3年4月23日変更))(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)
https://corona.go.jp/news/news_20200411_53.html
・「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)(一部改正)」(令和2年10月15日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡)
https://www.mhlw.go.jp/content/000683520.pdf
・「高齢者施設における感染対策の更なる推進について」(令和3年3月9日付厚生労働省老健局高齢者支援課ほか連名事務連絡)
https://www.mhlw.go.jp/content/000750918.pdf
・「感染対策に関する研修(e−ラーニング)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/kansentaisaku_00001.html
・「感染対策のための実地での研修に係る令和3年度における第1次募集について」
https://www.mhlw.go.jp/content/000770802.pdf
・「介護事業所等における新型コロナウイルス感染症への対応等について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00089.html
・介護事業所等向けの新型コロナウイルス感染症対策等まとめ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/taisakumatome_13635.html
【2 柔軟なサービス提供について】
・「「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」のまとめ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000045312/matome.html