地域医療部通信 – 新型コロナウイルス感染症対策~京都府医師会での対応,2021年5月~

2021年5月31日
京都府医師会新型コロナウイルス感染症対策チーム

1.はじめに

 4月に4都府県に発出された緊急事態宣言では感染拡大の明らかな抑制には結びつかず新規感染者数の減少には至らないため,5月7日に政府は5月31日までの延長を決めた。まん延防止等重点措置(まん防措置)が出された県でも感染拡大が続き,6道県で緊急事態宣言が出されることになった。感染拡大は地域差があるが,全国的に増加し医療提供体制がひっ迫状況に陥る自治体が目立っていた。5月下旬でも感染の抑制効果が不十分であるため,緊急事態宣言およびまん防措置の実施期間が6月20日まで延長となった。従来株から変異株への置き換わりが顕著になってきたが,多くは英国型であった。
 コロナワクチン接種は,医療従事者優先接種と高齢者接種が開始となったものの,当初のワクチン供給が潤沢でなかったこと,個別接種あるいは集団接種のいずれも予約方法に問題を生じ,特に個別接種医療機関への問い合わせが殺到して日常診療に悪影響が出た。また,集団接種の予約が短時間に殺到して予約できなかった人からの不満が噴出した。特例承認されたモデルナ社ワクチンは大規模接種会場で使用することになった。
 5月の1か月間の動向について述べる。
 なお,本文中に記載した数値や対応策等は,5月31日時点のものであり,今後の動向により変化することを予めお断りしておく。

2.COVID-19の流行状況とその対策

⑴ 全国の感染者数の推移と政府の対策
①まん延防止等重点措置と緊急事態宣言

 4月にまん防措置から緊急事態宣言に切り替わった4都府県(東京,京都,大阪,兵庫)での感染者数減少が見られず,感染のオーバーシュートを防げたものの期待した効果が出ていないとして,5月7日に政府は当初11日までとした期限を31日まで延長することを決め,同時に愛知県と福岡県も緊急事態宣言の地域として拡大した。その後,3道県(北海道,岡山,広島)と沖縄県も対象区域となった。5月上旬には内閣府が楽観視し北海道などをまん防措置対象としていたことが,分科会会合などで専門家からの反対意見が多数出て,12日の厚労省専門家会合が3道県への対策強化の必要性を強調したことから,内閣府の方針を覆す結果となった。
 全国の新規感染者数は,5月中旬まではほぼ上げ止まりで,10万人あたり約32人となっていた。感染拡大状況は地域差が大きく,増加傾向にある地域と,横ばいや減少傾向にある地域が混在していた。中旬以降は減少傾向になり,下旬には1週間に10万人あたり約26人となった。重症者数,死亡者数は増加傾向が続いた。中旬の時点で感染者数は明確に減少には転じていなかった。4月に菅首相は「人の流れを止める」と表明していたが,政府が期待していた1年前の宣言時のような効果は現れなかった。GWでの人の動きは少なかったものの,1年前に比べると各地の繁華街で人出は大幅に増加していた(京都駅で68%増,四条河原町付近で51%増)。3度目の緊急事態宣言で「自粛疲れ」,「宣言慣れ」が背景にあり,宣言による抑制効果は限定的と思われる。病床使用率など他の指標も期待外れでさほどの改善がなかった。人流が減らなかったことと変異株の影響と各種対策による感染抑制の効果の影響が複合しており,状況の評価や今後の予測は難しい面がある。全国の実効再生産数は,5月は1.0を少し上回るものの10日までは横ばいであったが,その後13日に1.24に増加した後に減少に転じ19日0.96,22日0.87,26日0.84,31日0.80となった。
 関西圏では,緊急事態宣言措置後の5月に入っても医療の危機的状況が続き,改善の兆しが見えなかった。特に大阪では入院中の重症者が病床確保数を上回り,コロナ病床以外で重症者治療にあたる事態に陥った。宣言後3週間の5月中旬で新規感染者数は減少に転じてきた。実効再生産数では,大阪と兵庫が1.0を下回り22日時点で両府県とも0.7前後で月末まで横ばい状態であった。京都は1.0と横ばい状態が続いていたが,24日0.83から漸減し31日0.63となった。大阪での夜間停留人口・昼間停留人口はこれまでの最低値水準まで急減した後に増加に転じている。停留人口の減少から新規感染者数の減少まで約5週間を要した。大阪・兵庫を中心に医療提供体制や公衆衛生体制が非常に厳しい状況が続き,一般医療を制限せざるを得ない状況が続いた。大阪では宿泊療養者数,入院者数,重症病床使用率が減少・低下傾向だが,兵庫では宿泊療養者数が減少傾向で,その他は横ばいであった。病床の確保が進められているが,必要な医療を受ける体制の確保のためには,新規感染者数の減少を継続することは必須である。高齢者施設等でのクラスター発生が続いている。
 5月28日に緊急事態宣言およびまん防措置の延長が決定され,5月31日までの期限が6月20日までとなった(表1)。

表1.緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の実施期間と実施区域

 厚生労働省(厚労省)と国立感染症研究所(国立感染研)によると,4月の感染者のうち5人以上のクラスターは463件,職場が96件で最も多く21%を占め,会議でのクラスターも確認された。クラスターの発生場所が移り変わってきており,第1波では医療機関,夏の第2波では飲食店が中心であったが,第3波では高齢者施設での発生割合が高かった。かつて頻発した医療機関で感染対策の徹底が進んだが,感染拡大の長期化で対策の緩みに繋がっているため,医療機関でのクラスターがいまだに生じている。変異株の感染力の強さが感染拡大に影響しており,従来は3密が揃うと感染リスクが高かったが,変異株ではマスク装着をしていても屋外での密接で感染するなど,必ずしも3つが揃わなくても感染した事例が報告されており,従来の対策では予防が不十分になりつつある。学校・教育施設のクラスターも第1~3波を上回っていた。若年層のリスクが高まり,変異株が多い大阪府では第4波の重症者に占める50代以下の割合が34%で,第3波での18%の倍近くとなっていた。政府の対応は,緊急事態宣言延長を決めた一方で,大型商業施設の休業やイベントの観客制限の緩和をするなど,ちぐはぐ感がある。政府の対応が後手に回っており,一部の措置緩和で人流の制限ができなくなり,6月下旬頃に再び感染が拡大する可能性も考えられる。

②変異株の拡大
 英国型(B.1.1.7)の変異株の割合が,スクリーニング検査では全国で約8割となり,一部の地域を除いて従来株からほぼ置き換わったと推定される。国立感染研による民間検査機関でのスクリーニングの分析でも,多くの地域ですでに90%が変異株に置き換わってきたとする結果が示された。
 インド型(B.1.617)は「注目すべき変異株(VOI)」であったが,WHOが重症化リスクや感染力を調査し感染力の増強を示唆する情報があるとして5月10日に「懸念される変異株(VOC)」に変更することを表明した。日本国内でも,すでにインド型の感染者が判明しているが,海外ではインド型の置き換わりが進んでいるという報告もあり,引続き分析が進められる。特にゲノムサーベイランスにより全国的な監視体制を強化するとともに,積極的疫学調査等により国内における感染拡大を可能な限り抑えていくことが必要である。また,インド,パキスタン,ネパールに対しての水際措置の強化が行われ,今後も国外および検疫での発生状況等を踏まえて,迅速に対応することが必要である。
 なお,COVID-19感染の封じ込めに成功していた台湾とシンガポールで5月になってから感染者が急増した。台湾の感染拡大のきっかけは国際線パイロットの英国型変異株の国内持ち込みである。シンガポールでは国際空港でのクラスター発生で,空港スタッフでインド型の感染者が多いと報告されている。両国の背景に,ワクチン接種の遅れと国民全体の感染対策に対する油断があった。

表2.懸念される変異株(VOC: Variant of Concern)

表3.注目すべき変異株(VOI: Variant on Interest)

 5月29日にベトナム保健省が,COVID-19の英国型とインド型の両方の特徴を併せ持つ変異株がみつかったと発表した。ベトナムでは5月上旬では数十人だった新規感染者数が中旬から急増し,25日に過去最多の400名を超えた。複数の感染者の遺伝子解析で新たな変異株が見つかっており,インド型の変異ウイルスに英国型に含まれている変異が加わったとされ,特に感染力が強いという。日本政府は水際対策の一層の強化を検討し始めた。英国型やインド型の国内発生は政府の水際対策の遅れによって流入したとの見方がある。
 5月31日にWHOは変異株の名称をギリシャ文字のアルファベットを使うと発表した。インド政府は「B.1.617.2」が「インド型変異株」と呼ばれていることに抗議し,ソーシャルメディア各社にCOVID-19変異株の「インド型」に言及するコンテンツを削除するよう命令していた。WHOはこれまでに,公式にこうした呼び方はしていなかった。ギリシア文字による新名称は,VOCとVOIに適用される。英国,南アフリカ,ブラジルで最初に確認された変異株はそれぞれ「アルファ株」,「ベータ株」,「ガンマ株」と呼称する。インドで最初に確認された変異株は亜系統に分かれ,そのうちVOCに相当する「B.1.617.2」系統が「デルタ株」に,VOIに相当する「B.1.617.1」系統が「カッパ株」となる。VOIの6種類については「イプシロン」,「ゼータ」,「エータ」などを充てた。従来から新型ウイルス変異株に関しては,それぞれの変異に対して二つの科学的名称(呼称と系統名)が使用されている。突然変異に関する情報を伝える「B.1.1.7」,「B.1.351」,「P.1」といった系統名は,COVID-19では今後も使用される。変異株を特定し報告したことで偏見の対象にならないよう,2009年の新型インフルエンザのパンデミックの際には,最初に報告された「ブラジル」の名称を使わなかった経緯がある。WHOは公式には使っていなかったとはいえ,今回の発表は遅かった印象が拭い去れない。

⑵ 京都府の感染者数の推移と対策
 京都府内の新規感染者は,京都市が7割を占めていた。京都市,京都府ともに年齢分布はほぼ同じ傾向を示し,いずれも20代以下が全体の35%程度で,京都市内では20代が連日二桁の陽性者(1日30人が最多)であった。クラスターは,高齢者福祉施設,教育施設,医療機関,行政機関などであり,陽性者の家族内発生あるいは接触者が多かった。また感染経路不明者は4割を超えていた。1日の新規感染者数は,5月1日の158人で始まり,連日100人を超えていたが,14日の165人を境に徐々に減少傾向となり,22日以降は100人を下回った。30日69人,31日23人である。下旬の感染者の8割以上は京都市内の発生であった。

表4.分科会モニタリング指標

 京都府内の変異株は,検査開始から5月30日までの変異株検査数が5,073件,変異株陽性者数2,274件で,変異株陽性率は44.8%であった。3月21日までの変異株陽性率は1.4%であったが,その後急増し4月以降70~90%であった。5月17日~23日までの1週間では変異株陽性率は93.9%と増加してきた。変異株解析は国立感染研で行われ,府内で検出された変異株の100%は英国型であった。今後,英国型以外のインド型などの変異株の拡大が懸念される。

3.府医の4月の活動

⑴ 会議等
 緊急事態宣言下であり,府医のすべての会議(理事会,部会,委員会)は基本的にWeb形式(ハイブリッド)で行った。また府医会館で行う各種の研修会などでWeb開催できないものは中止,延期となった。
 松井府医会長は,京都府新型コロナ対策専門家会議,京都府新型コロナ対策本部会議,京都府新型コロナ対策専門家意見交換会,京都市ワクチン接種会議に出席した。また松井府医会長と府医コロナチームは,医療従事者接種について京都府ワクチン接種対策室と,京都市住民接種に関して京都市吉田副市長,安部健康福祉局長,ワクチン担当者らと,再三に亘り協議を行った。
 19日に京都市域地区感染症担当理事連絡協議会を開催(会員の視聴参加)し,副市長らと協議してきた内容について説明し,京都市の担当者からもワクチン接種に係る説明があった。26日には地区庶務担当理事連絡協議会のあとに地区感染症担当理事連絡協議会を開催した。いずれもWeb形式で,府医役員と行政担当者は府医会館で参加した。

⑵ 自宅療養者に対する医師による健康観察(陽性者外来および府医自宅療養支援チーム
 宿泊療養あるいは入院療養に至らず自宅療養を余儀なくされたCOVID-19感染者の情報提供を自治体から受けて,電話相談によって健康観察を行う自宅療養支援チームの活動は4月26日から開始し,5月は28日まで引続き行った。1日~28日まで,出務は会員がのべ47名,府医役員44名で,健康観察をした自宅療養者はのべ118名(新規39名,継続79名)であった。陽性者外来は18名が受診し,入院となったのは4名,宿泊療養になったのは1名であった。保険診療としての投薬処方はのべ12名であった。新規感染者数と宿泊療養者数の減少傾向とともに,自宅療養での要注意の人が減ってきた。24日以降は府医役員のみで対応し,28日をもって活動を一旦休止した。次の感染拡大で自宅療養者の健康観察支援が必要となれば,昨年末と今回の活動でのノウハウを活かして直ちに再開はできる。

⑶ 宿泊療養健康管理
 宿泊療養は,ホテルヴィスキオ(V)とアパホテル(A)の2箇所を療養施設としているが,年齢,基礎疾患の有無や症状の程度によって,健康観察上,より注意を要する人は前者に収容するよう京都府入院医療コントロールセンター(入院CC)が振り分けていた。宿泊療養者の症状悪化に対して4月から酸素投与と薬剤(ステロイド)投与が可能となったが,夜間での症状悪化に対応するために,5月6日からホテルVに当直医が21時から翌朝7時まで滞在することになった。当直の医師は,府立医大救急医療学山畑先生がコーディネートされて,救急医を中心に府立医大などから出務していただいた。
 夜間などで呼吸状態の悪化時には入院CCと連携して転院までの間の一時的な酸素投与などを行った。ホテルVでの酸素投与は21件で,入院調整の間の対応として酸素飽和度の低い人に行われ,投与から転院までは10分~19時間であった。酸素投与の最初の指示は当直医6件,医師会出務医3件,入院CC12件であった。
 5月の入所者総数は1,253名(A677,V576)で,京都市が2/3,府内1/3であった。5月の陽性者外来受診は12件で,そのうち11件は入院が必要と判断されて転院となった。健康観察のための出務医(各地区医師会会員+府医理事)はホテルV70名(1日平均2.3名),ホテルA57名(同1.8名)で,出務医には陽性者外来受診の必要性を判断し入院CCとの連携を図っていただき,薬剤投与が必要な場合の保険診療としての処方箋発行を実施された。保険診療はV447件(同14.9件),A155(同6.2件)であった。5月下旬には,新規感染者数の漸減に並行して入所者数が漸減したが,入院病床の余裕ができたことにより,症状悪化の可能性の高い療養者をCOVID-19受入病院へ転院する上り搬送が増えた。
 第4波(3月1日~5月31日)の宿泊療養施設入所者の状況は,入所者総数2,336名,年代別では10歳未満0.6%,10代10.2%,20代30.8%,30代13.7%,40代17.6%,50代17.3%,60代7.5%,70代以上2.3%で,転機は退所1,996名(85.4%),転院158名(6.8%),自宅療養へ切り替え13名(0.6%),入所中167名(7.1%),ホテル移動2名(0.1%)であった。
 20日に入所した60代男性が,宿泊療養中に死亡する事案があった。京都府は専門家による検証を行うとした。

⑷ 京都府・医師会 京都検査センター(府医PCR検査相談センター)の運営
 4月に山城南圏域のドライブスルー検査センターを再開した。週に1回の開催で,4月27日,5月11日・18日・25日,6月1日に実施し,出務医は各1名,検査数36件でうち陽性は5件であった。新規感染者数の減少とともに地域の医療機関に余裕が出てきたことから,当該地域の保健所と地区医の了承を得て6月1日分をもって再度休止とすることが決まった。また,休止中の西部会場は,建て替え工事に入るため,5月27日をもって解体・撤収することになった。
 府医会館6階の府医相談センターから診療・検査医療機関への紹介は,5月の受付件数857件(きょうと新型コロナ医療相談センターからの紹介660件)のうち739件(紹介率86.2%)になった。当日の未調整あるいは保留となったのが43件で,キャンセルが75件(キャンセル率8.8%;患者都合81.3%,行政対応17.3%,救急対応は1.3%)であった。受付数は月曜日に多い傾向にあった。GW明けの3日間で154件の受付数は,10日の週253,17日の週225,24日の週161と漸減した。

4.COVID-19ワクチン

⑴ 大規模接種会場
 4月から始まった65歳以上高齢者約3,600万人への接種は,5月6日時点で全国では1回目接種は24万人に留まった。4月中の1日最多接種回数は4月27日の2万1,602回であった。5月7日,菅首相は高齢者接種の7月末の完了実現に向けて「ワクチン1日100万回接種」という新たな目標を示した。7月末から逆算して,接種回数を1日100万回に引上げなければ到底間に合わないということからである。国から自治体への高齢者ワクチン配送量よりも実際の接種が追いついていなかった。ワクチン接種の会場確保と担い手の確保がネックとされた。
 大規模接種会場を東京都と大阪に設置して自衛隊の医官らに加えて潜在看護師などの募集を行った。大規模接種会場の運営に関しては,業務の一部を民間企業に委託した。民間看護師の確保は人材派遣会社と契約し,受付業務を旅行代理店に委託し,これらの看護師の派遣,受付,接種記録の管理などで,合計36億円で受注した。東京と大阪の大規模接種の予約は,防衛省のHPでのネット予約のみとし,LINE経由で申し込みが可能で,5月17日から東京23区内,大阪市内在住の65歳以上の受付を開始した(接種は24~30日)。24日から東京都全域,大阪府全域を受け付け(31日~6月6日接種),31日以降の受付は埼玉,千葉,神奈川,京都,兵庫の各府県が加わった(6月7日~接種)。17日の大阪会場の予約は,ネット申請の受付開始25分で予定数に達した。この予約システムには不備があり,架空の接種券番号でも予約でき,接種券番号と入力情報を照合する機能がなく,これらの実在しない番号での予約を排除できなかった。防衛省のシステムと国民の個人情報とがリンクすることを避けるためであったが,その後,防衛省はシステムの一部を改修した。この大規模接種会場では,モデルナ社ワクチンを用いる。2会場の接種能力は,最大1日1万5,000回で,政府の目標の1日100万回の一部を補うだけである。
 一方,集団接種会場を設置する2割の自治体から医師や看護師の不足感の意見が出ていた。厚労省は,担い手解消のために,特例として歯科医師の接種を容認し,薬剤師,救命救急士にも接種可能とするよう広げた。神戸市は5月下旬に開設する大規模接種会場で地元歯科医師が接種にあたり,神奈川県大和市は市立病院歯科医師がワクチン接種に加わると発表した。京都府内の集団接種に向けて各地区医が相当なご尽力をされて準備されたが,薬剤師や救命救急士の必要性はなかった。府医としては,各圏域での差はあるものの人口当りの医師数の多い京都では,接種医はあくまでも医師が担うべきであり,歯科医師や薬剤師に接種の担当を要請するのは最終手段と考えている。また,市区町村が短期間で多数の医師・看護師の確保が困難であるため,自治体が民間企業に医師や看護師の紹介・派遣を委託する動きが出てきた。「総合メディカル」,「エムスリー」,「シミックホールディングス」,「日本調剤グループ」などが,自治体に医療従事者を紹介する。奈良県は6月から市町村の集団接種会場に研修医を派遣することを決めた。
 京都府は,高齢者ワクチン接種のため大規模接種会場を府内2箇所(府立京都スタジアム(サンガスタジアム京セラ/亀岡市,府立けいはんなホール/精華町)に独自に設けることを18日発表した。両会場を合わせて1日最大2,400名の接種を想定した。また,政府が大阪に開設した大規模接種会場(大阪府立国際会議場)での接種を希望する人向けに無料送迎バスの拠点を府内6箇所に設けることも決めた。京都府民対象の接種予約が始まる31日に合わせて,バス利用を受け付けるコールセンターを開設した。
 V-SYSの運用を委託している米国IT「セールスフォース・ドットコム」で,5月12日に大規模なシステム障害が発生し,8都道府県11自治体で,一時的にコロナワクチン接種の予約受付ができなくなるというトラブルに見舞われた。同日中に予約システムは復旧した。V-SYSも一時停止した。日本のITの貧弱さとIT他力本願の脆さが露呈した。
 ワクチン確保に手間取り国際的なワクチン争奪戦に乗り遅れた日本は,ワクチン確保の課題解決策を引続き行わねばならない。厚労省は5月7日に,ファイザー(mRNA),モデルナ(mRNA),ノババックス(遺伝子組換えタンパクワクチン:アジュバントを使い抗原量が少なく済む;発症予防効果89%,英国型への有効率86%)の3社と合計2億5,000万回分のワクチン供給を新たに受ける方向で協議を開始し,詳細な条件がまとまれば正式契約するとした。14日に田村厚労相はファイザー社ワクチンを追加で5,000万回分の供給を9月までに受けることを正式契約したことと明らかにした。すでに契約していた分を合わせて合計1億9,400万回分(9,700万人分)のワクチン確保の目処が立ったことになる。
 5月末で全国のワクチン接種人数は約1,000万人となり,1日当りの接種回数は約53万人(7日間平均)となっている。

⑵ ワクチン関連情報
 5月21日にモデルナ社のmRNAワクチンとアストラゼネカ社(AZ社)のウイルスベクターワクチンが医薬品医療機器等法第14 条の3に基づく特例承認された。AZ社のワクチンについては「予防接種法に基づいて公費で受けられるワクチンとするかどうかは,引続き審議会で議論」してゆくとして,当面は国内での接種には用いないこととなった(日本ワクチン学会の見解を後述)。AZ社ワクチンは国内向けに確保した1億2,000万回分が,宙に浮く事態となった。3,000万回分を米国から原液を輸入して第一三共などが瓶詰めして製剤化し,残る9,000万回分はJCRファーマ(神戸市)が国内で生産を始めている。現時点での製剤化を終了した量は不明であるが,2~8℃の冷蔵で半年間保管できるが,使わないまま保存期間を過ぎる可能性がある。政府内では,行き場を失ったワクチンを輸出する案が浮上した(後述)。
 欧州医薬品庁(European Medicines Agency, EMA)が,ファイザー社ワクチンについて,冷蔵(2~8℃)で1か月の保管が可能であることを発表したことを受け,5月28日に厚労省はこれを承認した。
 5月31日に厚労省はファイザー社のワクチンについて16歳以上としている公的な予防接種の対象年齢を拡大し,12歳から15歳も対象にすることを決めた。米国で行われた12歳から15歳を対象に行った治験で,有効性や安全性が確認されたとするデータが提出され,ファイザー社が「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」と添付文書改訂について協議していたが,厚労省の分科会で改訂を了承された。15歳以下が接種を受けるには保護者の同意が必要で,厚労省は近く自治体に周知する方針である。
 ファイザー社はコミナティ筋注の添付文書等で,冷蔵保管1か月と接種対象者を12歳以上になった点を改訂した。

表5.新型コロナワクチンの特徴

⑶ 京都のワクチン接種状況
(ア)高齢者接種

 京都府内では,井手町で8日から府内トップで集団接種が始まった。7月上旬には高齢者の2回目接種を終える予定である。集団接種は,府内各地で順次開始となった。笠置町は,車椅子利用者,病状の悪い人など集団接種会場に来ることが困難な人を対象にドライブスルー形式での接種を決めた。
 京都市は,20日から予約が始まる在宅高齢者対象の集団接種について,当初予定の14箇所から16箇所に増やすと発表した。新たに追加された接種会場は京都工場保健会診療所と京都予防医学センターで,平日にも接種を行う。コールセンターの回線数は150から300回線に増設した。20日に予約受付を開始するのは,29日~6月18日接種枠の1万3,566人分で,1回目接種の人が対象である。この第1弾の予約受付は,ポータルサイトは25分間で約7,000回分の予約終了し,コールセンターは1時間あたり約1,000回分,7時間で約7,000回分を受け付けた。ポータルサイトもコールセンターも繋がりにくかったことから,予約できなかった市民から不満の声が多く上がった。
 政府のCOVID-19対策分科会に参加する経済学者らは,ワクチン予約の仕組みで改善を求める提言をまとめた。ここでは,多くの自治体が採用する先着順よりも抽選制完全年齢順,個人ごとに接種日時を指定する割当制が有効だとした。先着順を採用すると,受け付け開始のタイミングで申し込みが集中し,回線がダウンするトラブルに繋がりやすい。対応する自治体も人員や電話回線,サーバーの早強など無駄が生じやすい。予約の混乱につけいって,大量の予約枠を確保する悪質な代行業者が出てくる余地もあり,実際に有料でワクチン予約を請け負うという業者が現れており,注意喚起されている。提言では経済学的見地から先着順以外の手法を用いるべきとしている。接種対象者に「いつ」,「どこで」受けたいのかを,電話やネットで受け付け,一定期間ごとに年齢や基礎疾患を考慮した抽選により,予約システムにかかる負担や無駄を軽減できるとした。抽選の代わりに,生年月日で優先順位をつける完全年齢順や,予め個人に接種場所と日時を割り当てる割当制も有効であるとし,どの方式が望ましいかは,状況に依存するとした。割当制はキャンセルや再予約の要望が少ない年齢層や自治体で導入するのがよいとしている。

 京都府内の2市2町(京丹後市,舞鶴市,京丹波町,井手町)は,事前に日時を自治体が指定する割当制の方式を取ったため,役所に住民が殺到する,電話回線がパンクするといった大きな混乱を生じなかった。
 京都市は,高齢者の接種券の配布開始時期に配布と同時に新型コロナワクチン・ポータルサイトに,個別接種医療機関を公表することを申し出ていたが,府医としては接種券配布の時期を遅らせることと,医療機関名を公表しないよう主張してきた。その理由として時期的に,①ワクチンの供給量が十分でない,②実際に接種が始まっておらずワクチン接種が未経験,③各接種医療機関かかりつけ医に対してワクチン供給に関する情報が不十分,④公表により問い合わせ電話が医療機関に殺到すると日常診療業務に支障をきたす,⑤集団接種の具体的な見通しが立っていない,⑥市のコールセンターでの予約受付体制が整っていない,ことをあげていた。実際に接種が始まればかかりつけ医は自信をもって接種ができるようになり,ワクチン供給が増えればかかりつけ患者に対してワクチンの案内と予約受付ができようになると考えていた。その後,個別接種医療機関での医療従事者優先接種によって実際の接種が始まったこと,5月の高齢者住民接種の開始2週目以降のワクチン供給量が増え安定供給されることが明らかになってきたこと,集団接種会場が具体的に決まってきたこと,集団接種の予約はコールセンターで一元的に行うことと同時にかかりつけ医を持たない市民の予約と接種に係る相談についてもコールセンターで受け付ける仕組みができあがってきた。コールセンターがすべての予約の窓口になることを条件として,6月にワクチンポータルサイトに個別接種医療機関名を公表することになり,門川市長は28日にそのことを発表した。ポータルサイトには,行政区別の医療機関名のみを掲載し電話番号は公表しない。医療機関名を公表することは,多くの医療機関がワクチン接種体制に参画・協力していることを市民が知って安心し,医療機関への信頼を得ることに繋がることが目的であった。各個別接種医療機関には,これらの経緯と公表の目的を明らかにした上で,公表の可否について府医から改めて意向調査を行った。その結果,京都市内の個別接種医療機関983箇所(註,京都市外540,京都府内合計1,523)のうち,約半数近くが不可と回答された。この不可と回答した医療機関の多くは,すでにかかりつけ患者の接種予約を多数受けておられ,それ以上の予約を受け入れることができないとされたところである。接種に協力しないというのではなく,むしろワクチン接種に多大な協力をいただいている医療機関である。公表しないことが非協力的と市民から判断されることは避けねばならない。
 この結果を受けて,京都市と再度協議を行い,京都市は予定していたポータルサイトでの公表を中止することを決めた。
 中止の理由は以下のとおり(松井府医会長が府医MLに投稿した内容)。
●65歳以上の高齢者への接種について,京都市のコールセンターで一元的に登録するシステムに変更になったことにより,医療機関名の公表は予約の観点からは意味がなくなった
●府医が全面的に協力していることを目的に医療機関名を公表すると,市民に医療機関に直接予約できると誤解され,問い合わせの集中等により医療現場が混乱する可能性がある
●多くの先生から公表を辞退する意志表示をいただき,府医が全面的に協力していることを市民に知らせ,安心していただく目的を達成できない
●公表を辞退された医療機関も公表を承諾いただいた医療機関も等しく接種に協力していただいている医療機関であることから,公表は公平性を欠く
 6月から京都市のコールセンターとポータルサイトは,受付順・先着順ではなく,一旦すべての接種希望者を受け付けて,市民の居住地に応じて,集団接種会場あるいは個別接種医療機関(事前に接種可能な日時,人数の申し込み)に割り振ることで,各医療機関への電話連絡が減らすことができる。また市民のワクチン接種への需要を的確に把握することは,今後の集団接種会場の規模などを設定するための重要なデータとなる。かかりつけ医を持たない市民にとって,割当制になることで混乱を回避できて,かつ安心を担保できる。これらに加えて,府医ではLINEを利用した予約システムの検討を始めた。
 5月30日時点で,京都府の高齢者は1回目接種114,859人(15.6%),2回目接種3.017人(0.4%)となった(全国平均はそれぞれ13.1%,0.9%)。

(イ)医療従事者優先接種
 京都では4月19日の週から医療従事者優先接種が個別接種医療機関で始まったが,医科以外の医療従事者の接種も始まった。全国の医療従事者480万人のうち,1回接種は99%以上になり,2回接種も65%を超えてきた。

(ウ)余剰ワクチンの接種
 ファイザー社ワクチンは,通常のシリンジと注射針を用いると1バイアル5回分となるが,ローデッドタイプの針と通常のシリンジでは6回分が確保できる。ローデッドタイプの針およびシリンジを用いる場合は6回分が余裕をもって確保できる。
 ワクチン予約は6人枠を基本として,6の倍数で受け入れるが,当日の体調不良や急なキャンセルがあった場合,発生した余剰分をどのように扱うかが各自治体の課題となっている。個別接種医療機関では,待機者のリスト(近隣の保育士・教師など)を作成し,また別の予約者の中から繰り上げ接種をするなどの対応をされている。京都市では,ワクチンキャンセルセンターに連絡(電話番号は非公表,個別接種医療機関にのみ事前に通知)すると,未接種の京都市の職員や保健師,救急救命士などのキャンセルリストから短時間でその接種会場に行くことのできる者が紹介されてくる体制を構築している。また,接種券のない人に接種した場合は,必要事項を記入した予診票をロット番号シールと一緒に保管しておき,被接種者の氏名,住所(住民基本台帳),生年月日などを運転免許証などで確認して,キャンセルセンターに連絡すると,後日,被接種者へセンターから確認の連絡を入れた上で接種券が送付される。接種医療機関は接種券が届いてから,保管していた予診票に接種券を貼付してVRSで入力(読み取り前に接種日とロット番号の変更が必要)し,国保連合会へは遅れて請求することになる。

(エ)ワクチン接種の財政支援:接種費用の上乗せ
 5月25日に政府は,コロナワクチンの接種促進に向けた医療機関などへの財政支援策を決めた。接種回数の多い個別接種医療機関への接種費用上乗せとしては,通常1回2,070円を最大で5,070円に増額する。休日,時間外での接種意外に,週に100回以上あるいは150回以上と接種回数の多い場合の上乗せ分がある(詳細は別稿を参照)。休日や時間外の別での申請方法については,まだ決定していない。明らかになり次第,お知らせします。
 コロナワクチン接種そのものが「走りながらの制度」であり,上乗せも同じく走りながらの施策であり,言い出してはみたものの対応は後から付いてくる状況である。

⑷ ワクチンの副反応
 先行接種の1回目接種後8日以降に回収した報告1万9,723人と2回目接種の1万9,272人を対象とした主な副反応疑いと発生した割合(5月26日公表分)は,接種部位の痛みが最多で1回目2回目ともに約9割にみられた。次いで倦怠感が多く2回目の7割にみられ1回目の3倍であった。頭痛は2回目に5割超で1回目の2倍以上であった。発熱は1回目は少なかったが,2回目は4割弱に増えた。

⑸ コロナワクチンの効果:ファイザー社(トジナメラン)とモデルナ社(mRNA-1273)
 Lancetオンライン版で実臨床における2回接種の有効性についてのイスラエルの全国規模の研究が正式に発表された。2回接種後7日以降の感染,入院,重症化,死亡に対して95%超の抑制効果が認められたと報告した。イスラエルは世界に先駆けていち早くワクチン接種を開始し,16歳以上654万人弱のデータを抽出し,2回接種後7日以上経過した者と非接種者を比較した。このうちCOVID-19感染は23万人余にみられた(英国型B.1.1.7系統が94.5%)。2回接種7日以降では,95.3%の感染予防効果(無症候性91.5%,症候性97.0%),COVID-19関連入院は97.2%,重症化による入院は97.5%,死亡では96.7%の抑制効果がみられた。85歳以上の高齢者は若年者と同様の有効性が認められた。なお16~44歳では死亡を100%抑制した。
 国立感染研感染症疫学センターは,国内サーベイランスデータを用いて(V-SYSとHER-SYSのデータを分析),ワクチン接種者におけるCOVID-19感染について調査した。ワクチンを少なくとも1回接種済みの医療従事者110万人余(うち2回接種済み104万人余)中,COVID-19陽性と報告されたのは281例(0.026%,4月30日時点)で,1回目接種後14日以降の感染を約60%抑制する効果が得られたとした。イスラエルで行われた研究では,1回目接種から2回目接種までの期間のCOVID-19報告の抑制効果は46~60%と報告されており,これと同等であるとした。
 米国で,COVID-19に感染していない約5万人の医療従事者を対象とした,2種類のmRNAワクチンの有効性を検討する大規模コホート研究が実施された。メイヨークリニックが2020年12月に勤務する医療従事者約7万6,000人に対するCOVID-19ワクチン接種プログラムを開始し,事前にCOVID-19に感染していないことが確認され,ワクチン接種対象者7万人余のうち,研究期間中にワクチン接種した4万9,220人を対象とした(2回接種;ファイザー4万1,741人,モデルナ3,421人,1回接種;各々2,757人,1,301人)。追跡期間中のCOVID-19陽性は,2回接種群30人(0.1%),1回接種群98人(3.1%),未接種群997例(4.2%)であった。この米国の医療従事者約5万人の大規模コホートにおいて,2種のmRNAワクチンは2回接種から14日以降に無症候性を含むCOVID-19感染を96%以上抑制することが明らかとなったとした。
 同じくメイヨークリニックでエージェントベース・モデルとして米国の人口集団10万人を想定したシミュレーションで,ワクチン接種率が1日当り人口の0.3%以下である場合は,2回目の接種を遅らせてより若い世代への1回目接種を優先させることで,180日目までの累計死亡率が最大20%低下する可能性を示唆した。この報告では,少なくとも65歳未満の人にとって,2回目接種を遅らせる戦略は特定の条件下で累積死亡率を低下させるので,地域のワクチン接種率を検討して,2回目接種遅延によりワクチン接種率を上げる利点と,この戦略の不確実性に関連するリスクを比較検討する必要がある,とした。
 横浜市立大学の研究チームは,ファイザー社ワクチンを2回接種した人の9割が,日本でみつかっているほとんどの変異株に対する中和抗体を持っていたとの研究結果を発表した。独自に開発した中和抗体の有無を迅速に推定できるシステムを用いて2回接種を完了した日本人105人の血中に変異株などに対する中和抗体について解析した。この結果,99%で従来株の抗体を確認でき,英国型と南アフリカ型,ブラジル型には90~94%,インド型には97%が抗体を持っていた。これらの抗体は,1回目接種後は変異株の種類によって差があるものの16~57%であったが,2回目接種後には90%以上と高くなっていた。

⑹ その他のコロナワクチン
(ア)AZ社ワクチン
 AZ社ワクチンが特例承認されたにもかかわらず,当面は国内接種には用いないという扱いについて,日本ワクチン学会は「新型コロナウイルスに対するアストラゼネカ社製ワクチンに関する日本ワクチン学会の見解」を5月31日に発表した。以下の7点の見解を示し,AZ社ワクチンが我が国で使用されることが不可欠であると結論づけている。
 ① AZ社ワクチンは,遺伝子組換えサルアデノウイルスベクターを用いた新しいタイプのワクチンで,海外での試験で発症予防効果が76%,重症化や死亡を防ぐ効果は100%とされ,WHOの緊急使用のリストに挙げられ,すでに世界各国で使用されている。
 ② 同ワクチンは,接種後副反応として塞栓および血栓の事象が極めてまれに報告され,欧州医薬品庁(EMA)は,4月4日現在,約3,400万回接種で222件(100万接種で6.5件),その多くが60歳未満の女性で接種後2週間以内に発症と付記されている。国内第Ⅰ/Ⅱ相試験では192例という限られた症例数であるが当該の事象の発現はない。
 ③ 異なるワクチンの効果は同じ条件下で比較されたものではなく,すでに使用されているものと数値の違いに惑わされることなく同ワクチンの特徴を理解すべき。
 ④ 同ワクチンは,海外からの導入品であるが国内でも生産が開始できる。また,通常の冷蔵温度(2~8℃)で最低6か月保管,輸送および管理が可能であり,既存の医療体制で投与が可能である。一般診療所等でインフルエンザワクチン等と同様の扱いで個別接種が可能で,他の特例承認のコロナワクチンとは異なる特徴が利点になり得る。
 ⑤ 特例承認されても国内で使用できないという状況は,ワクチン接種が全世界でCOVID-19対策として喫緊の課題である中,国際的に理解が得られない。限られたワクチンを公平に分配すべきというCOVAX(ワクチンを共同購入して発展途上国にも分配する国際的な枠組み)等が掲げる国際協力の理念に反する。
 ⑥ ②の副反応に関して,安心を求める世論の配慮を念頭に,慎重に評価を進めるべき。EMAはCOVID-19の感染率,重症化率,死亡率とワクチン接種後の副反応の発生率をバランスよく考慮するよう提案しているが,日本においても年齢,性別,基礎疾患等を勘案して接種対象を選定して使用するのも一案。ワクチンの安定供給や取り扱いの利便性等の強みから,国内における迅速な接種率向上のために最大限活用されるべき。
 ⑦ 「承認されても使用されない」という前例が,今後,ワクチン領域のみならず様々な医薬品の新規開発にとって大きな障害となる危惧がある。

 日本が契約したAZ社ワクチンを,5月中旬から感染拡大した台湾に対して無償提供することを政府が決定した。COVID-19感染の押さえ込みに成功していた台湾であるが,「世界の模範」と賞賛されていたことで感染対策の緩みがあり,感染者数がほぼゼロ状態の中で国民のCOVID-19感染対策意識の低下,ワクチン確保が不十分で,またワクチン接種の必要性を感じない国民の接種自体が進まなかったこと,変異株による感染拡大のスピードに対応できなかった等,で感染の再拡大の押さえ込みに苦慮している。中国の妨害でワクチン購入がスムーズにできないという報道もあるが,米中対立の中で日本が加担する形となり,ワクチンが外交手段に使われた感が否めない。台湾の感染再拡大に至る状況を詳細に分析し,いずれ感染押さえ込みが可能となる日本は,このことを肝に銘じるべきである。

(イ)ジョンソン・エンド・ジョンソン社(J&J)ワクチン
 米国J&J社は,24日にグループ会社のヤンセンファーマが同社のコロナワクチンの製造販売承認を厚労省に申請したと発表した。国内での申請は4例目で,すでに国内承認された3社のワクチンと異なり1回接種で済む。AZ社と同じウイルスベクターワクチンで,COVID-19遺伝子の一部をウイルスに組み込んでヒト細胞に送り込む。海外の臨床試験では,中等度から重症の発症予防の有効性は66%であった。海外ではまれに接種後に血小板減少をともなう血栓症の発症が報告されており,各国で対応が分かれている。米国は2月に緊急使用を認め,EUも条件付きで承認した。米国は血栓症のため一時接種中断を勧告したが,現在はリスクベネフィットからメリットが上回るとして接種継続を推奨している。日本での治験250人の中間解析報告では,血栓症発症を含めて安全性の問題は認められなかった。マイナス20度の冷凍で2年間,2~8度の冷蔵で3か月間の保管が可能である。対象は成人で,具体的な年齢は未定としている。来年初頭には供給できる可能性があるが,日本政府との供給の契約はしていない。日本政府との契約がなくても,安全性や有効性が確認されれば薬事承認は可能で,その場合は予防接種法に基づく公費負担や健康被害の救済はなく,高齢者以外の季節性インフルエンザと同様に自費の任意接種扱いで流通する可能性もある。

(ウ)ノババックス社ワクチン
 米国ノババックス社の開発中のNVX-CoV2373ワクチン(Matrix-M1アジュバント50µg含有遺伝子組換えスパイクタンパク質5µg)の初期/後期第Ⅱ相試験の結果,南アフリカ型変異株(B.1.351系統の501.Y.V2)に対する有効性が示されたと発表した。南アフリカで登録したHIV陰性成人(18~84歳)および医学的に安定しているHIV陽性成人4,406例(18~64歳)をNVX-CoV2373ワクチン群とプラセボ群に1:1でランダムに割り付けて,21日間で2回の筋肉内注射を行った。Per-Protocol解析でのワクチンの有効性は49.5%で,HIV陽性者に限ると60.1%であった。連続して分離された41株の内38株は南アフリカ型変異株であった。南アフリカ型に対するワクチンの有効性は43.9%,HIV陽性者に限ると51.0%であった。COVID-19発症例は大半が南アフリカ型によるものであったことから,NVX-CoV2373ワクチンは南アフリカ型に有効性を発揮すると考えられた。

(エ)国内のワクチン
 バイオ企業のアンジェスと塩野義製薬は,それぞれ変異株対応のワクチン開発について公表した。アンジェスは昨年3月からコロナワクチン開発を始め,治験の第2段階を実施しているが,4月に英国型・ブラジル型・南アフリカ型の3種類の変異株対応ワクチン開発を始めた。インド型への対応は検討中としている。塩野義は昨年12月からコロナワクチンの治験を国内で開始し,開発と並行して協力会社での生産設備の立ち上げを進めている。

5.COVID-19の検査

 第95回日本感染症学会/第69回日本化学療法学会(5月7日~9日,WEB開催)において国立国際医療研究センター国際感染症センターの山元氏が,SARS-CoV-2の感染管理とCOVID-19の疾患診断について解説した。
 感染管理におけるスクリーニング検査について,頻回あるいは大量に実施することをから,費用や実効性の面から抗原検査が適しているが,感染の可能性が低い(事前確率が低い)症例では偽陽性の割合が高いため留意が必要とした。核酸増幅検査(NAT)を利用したスクリーニングは高感度ゆえに感染管理上の意義が乏しい長期ウイルス核酸排出例や再陽性(非感染性)例が検出されることから,そのような症例への対応を予め考慮すべきとした。
 一方,疾患診断は,患者の利益・不利益に直結し,治療方針にも関わるため確実な診断および迅速性が求められる。両者の担保が期待できる検査としては,NATによる臨床現場即時検査(POCT)が挙げられると述べた。
 検体については,発症早期では鼻咽頭拭い液や唾液,鼻前庭拭い液,中鼻甲介拭い液の感度は概ね良好だが,咽頭拭い液はやや感度が低い。喀痰などの下気道検体は高感度であり,ウイルス核酸量は上気道検体よりも多く,発症後期でも検出率が高いことから,最終的に除外したい症例については喀痰などの下気道検体を用いたNATの実施が有用とした。
 COVID-19が重症化しやすいとされる発症7~10日後はウイルス量が減少してNATの感度が低下するが,NATを反復することで感度を高めることが可能とした。但し,ルーチンに検査を反復することは偽陽性の結果を生ずる可能性が高まり,検体操作の多いPOCTや自動測定機器を用いずにNATを実施している検査室では,コンタミネーションによる偽陽性が生ずる可能性が高まることが推測されるとした。

6.COVID-19関連のその他の情報

⑴ 非ステロイド抗炎症薬(NSAID)
 COVID-19重症化との関連が指摘されていたNSAIDをめぐり,英国で実施された大規模研究の結果が明らかになった。COVID-19流行の初期段階からCOVID-19重症化への関与が議論の的になっていた。その後,いくつかの両者の関連を検討する研究が行われたが,いずれも小規模なものであった。
 英国エジンバラ大学の研究チームは,英国のイングランド,スコットランド,ウェールズを包括した急性呼吸器疾患と新興感染症に関するコホート研究ISARIC CCP-UKを活用し,SARS-CoV-2陽性または感染疑いで入院した7万2,179例を抽出し,入院前にNSAIDを使用していた群と非使用群に分けて転帰をを比較した。主要評価項目は院内死亡,副次評価項目は来院時のCOVID-19重症度,集中治療室への入室,侵襲的人工呼吸器使用,非侵襲的人工呼吸器使用,酸素補充療法の実施,急性腎不全,とした。抽出した例のうち,4,211例(5.8%)が入院前にNSAIDを使用していた。傾向スコアマッチングにより,年齢,性,糖尿病,心疾患などを調整した解析の結果,主要評価項目の院内死亡は,使用群が非使用群の0.95倍(オッズ比0.95,95%CI0.84~1.07倍,p=0.35)であった。副次評価項目についても,いずれも両群で大きな違いは認められなかった。この結果,NSAIDはCOVID-19患者に対して安全に使用できるという明確なエビデンスが示された。

⑵ COVID-19の感染対策
 コロナ患者使用のリネン類の回収,選択にともなう感染リスクは不明であり,宿泊療養施設や医療機関などでは一様に廃棄されているケースが少なくない。国立感染研は,COVID-19患者が使用後のリネン類を取り扱う感染リスクおよび洗濯方法別に感染性を有するSARS-CoV-2の残留頻度を調査した。その結果,無症状,軽症者が使用したリネン類には,少なくとも入院または発症後5日目までは感染性を有するSARS-CoV-2が付着している可能性があるが,家庭用洗濯機を用いて標準的な洗濯を行えば,洗剤の種類にかかわらず感染リスクは低いと報告した。なお,COVID-19患者使用後のリネン類を安全に運搬し,洗濯機に入れることができる場合は,洗濯前の熱湯・化学消毒は不要である。
 ヒトの皮膚に付着しているSARS-CoV-2に対する4種類の消毒薬(エタノール,イソプロパノール,グルコン酸クロルヘキシジン(CHG),塩化ベンザルコニウム(BAC))の有効性を検証した結果を府立医大消化器内科学のグループが発表した。感染拡大予防目的の手指衛生においてエタノール消毒液が他の消毒液より有効で,第一選択になる。但し,低濃度エタノールでは消毒効果が大幅に低下するため注意を要する。
 まん防措置の実施では,飲食店などにアクリル板やビニールシートの設置が求められるが,これがSARS-CoV-2の飛沫感染防止策としてどの程度有効なのか,を検討する研究が電気通信大学の研究チームから報告された。SARS-CoV-2感染拡大の予防には「接触」,「飛沫」,「マイクロ飛沫」の3つの感染経路に対して策を講じる必要がある。マイクロ飛沫は,空気中に存在したとしても,室内の二酸化炭素(CO2)濃度を計測・可視化して換気状態を良好に保てば早期の排出が可能である。研究グループでは,地域と連携してCO2濃度の可視化や換気状態を改善する実証実験を行ってきた。COVID-19のクラスター発生現場における換気状態を評価し,マイクロ飛沫の動きを分析した結果,アクリル板やビニールシートによる空間の遮蔽が空気を滞留させ,換気状態が悪化することで,マイクロ飛沫感染のリスクを高める可能性があることを明らかにした。改善策として,区画ごとに十分な換気を確保する(区画ごとに窓を開ける,出入口の扉と窓を開放する,まんべんなく空気の流れ道をつくる,換気回数は5~8回/時(換気ファンを回すと10~28回/時に向上))ことが重要としている。

<資料>
#「Deep mutational scanning of SARS-CoV-2 receptor binding domination reveals constraints onfolding and ACE2 binding」(TN Starr et al, Cell 182;1295-1310, Sep 3, 2020)
#「Disinfectant effectiveness against SARS-CoV-2 and influenza viruses present on human skin: model-based evaluation」(R Hirose, et al, J Clin Mirobiol Infect, April 2021)
#「Neutralization of SARS-CoV-2 spike 69/70 deletion, E484K and N501Y vasriants by BNT163b2 vaccine- elicited sera」(X Xie, et al, vol27;620-21, April 2021)
#「Effectiveness of mRNA COVID-19 vaccines against SARS-CoV-2 infection in a cohort of healthcare personnel」(MD Swift, et al, Clin Infect Dis, online, April 26, 2021)
#「US case reports of cerebral venous sinus thrombosis with thrombocytopenia after Ad26.COV2.S vaccination, March 2 to April 21, 2021」(I See, et al. JAMA 0nline, April 30, 2021)
#「Impact and effectiveness of mRNA BNT163b vaccine against SARS-CoV-2 infection and COVID-19 cases, hospitalisations, and deaths following nationwide vaccination campaign inIsrael: an observation study using nation surveillance data」(EJ Haas, et al, Lancet, online, May 5, 2021)
#「Non-steroidal anti-inflammatory drug use and outocomes of COVID-19 in the ISARIC Clinical Characterisation Protocol UK cohort: a matched, prospective cohort study」(TM Drake, et al, Lancet Rheumatol online, may 7, 2021)
#「Public health impact delaying second dose of BNT162b2 or mRNA-1273 covid-19 vaccine: simulation agent based modeling study」(S Romero-Brufau, et al, BMJ 2021;373:n1087)
#「Efficacy of NVX-CoV2373 COVID-19 vaccine against the B.1.351 variant」(V Shinde, et al, NEJM May 5, 2021)
#「Effect of 2 inactivated SARS-CoV-2 vaccines on symptomatic COVID-19 infection in adults, A randomized clinical trial」(NA Kaabii, et al. JAMA online, May 26, 2021)
#「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)における「時間外・休日のワクチン接種会場への医療従事者派遣事業」について」(4月30日,事務連絡,厚労省医政局)
#「新型コロナ感染症患者(変異株)の退院基準等について(周知依頼)」(4月30日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「保健所等における新型コロナウイルス感染症対応に資する電話通訳サービスについて(令和3年度の取扱)」(4月30日,厚労省健康局/医政局)
#「新型コロナワクチンの高齢者向け摂取の前倒しについて」(4月30日,厚労省健康局)
#「入国者健康確認センターとHER-SYSの情報連携によるSARS-CoV-2陽性と判定された方の情報及び検体の提供について」(5月7日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「高齢者施設における新型コロナ予防接種の実施に係る留意事項について」(5月7日,事務連絡,厚労省健康局/老健局)
#「新型コロナワクチンの接種体制の強化に向けた協力依頼について」(5月7日,厚労省健康局/医政局)
#「新型コロナウイルス感染症予防接種の間違い防止について」(5月7日,日医)
#「医療機関における無症状者(職員,入院患者等)への新型コロナウイルス感染症に係る検査の費用負担について(再周知)」(5月10日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「効率的な予防接種の推進に向けた新型コロナワクチンの調整等について」(5月10日,日医)
#「新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査における検体提出等について」(5月10日,日医)
#「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の期間延長等に伴う周知依頼について」(5月11日,日医)
#「ワクチン接種記録システム(VRS)タブレット端末のソフトウェアアップデート及び読み取りスタンドの送付について(周知依頼)」(5月11日,内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室)
#「『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル(2021年4月28日Ver.6)』の周知について(依頼)」の送付について」(5月11日,日医)
#「新型コロナウイルス感染症から快復した患者の転院を受け入れる後方支援医療機関の確保について」(5月11日,事務連絡,厚労省医政局)
#「「令和3年度新型コロナウイルス感染症患者等入院受入医療機関緊急支援事業補助金」の交付申請書の提出期限の延長等について」(5月11日,日医)
#「新型コロナワクチンBNT162b(Pfizer/BioNTech)を接種後のCOVID-19報告率に関する検討(第1報)」(国立感染研,5月13日)
#「ワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症と診断された症例に関する国立感染症研究所による医療機関に対する積極的疫学調査への協力依頼について(周知)」(5月13日,日医)
#「臨床研修を受けている医師による新型コロナワクチン接種について」(5月13日,事務連絡,厚労省医政局)
#「新型コロナウイルス感染症対応「日本医師会休業補償制度」中途加入申申込再開について」(5月17日,日医)
#「新型コロナワクチンの接種体制の強化に向けた医師・看護師等の兼業に関する取扱いについて(依頼)」(5月18日,日医)
#「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種のための筋肉内注射の歯科医師による実施のためのオンライン研修システムについて(情報提供)」(5月18日,事務連絡,厚労省医政局/健康局)
#「新型コロナウイルスワクチン接種事業へのさらなるご協力について」(5月18日,日医)
#「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に係る看護職の確保に向けた都道府県ナースセンターの活用について」(5月21日,日本看護協会)
#「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)(COVID-19ワクチンモデルナ筋注)の使用に当たっての留意事項について」(5月21日,厚労省医薬・衛生局)
#「コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(遺伝子組換えサルアデノウイルスベクター)(バキスゼブリア筋注)の使用に当たっての留意事項について」(5月21日,厚労省医薬・衛生局)
#「特例承認に係る医薬品に関する特例について」(5月21日,厚労省医薬・衛生局)
#「新型コロナウイルスワクチンに係る予防接種の高齢者に次ぐ接種順位の者(基礎疾患を有する者等9への接種の開始等について(疑義照会))(5月21日,事務連絡,厚労省健康局)
#「「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施について(指示)」の一部改正について」(5月24日,日医)
#「武田/モデルナ社ワクチンの接種体制について」(5月24日,事務連絡,厚労省健康局)
#「基礎疾患を有する者への接種に係る情報提供等について」(5月24日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナウイルス感染症患者の治療に必要な人工呼吸器無償譲渡について」(5月25日,事務連絡,厚労省医政局)
#「新型コロナワクチンの余剰が発生した場合の取り扱いについて」(5月25日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナウイルスワクチンの個別接種の促進について」(5月25日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナワクチン接種における予診時の確認について」(5月25日,事務連絡,厚労省健康局)
#「「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種のための筋肉内注射の歯科医師による実施について」に関する質疑応答集(Q&A)について」(5月26日,事務連絡,厚労省医政局/健康局)
#「新型コロナワクチンの接種体制の強化に向けた協力依頼について」(5月26日,事務連絡,厚労省健康局/医政局)
#「「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第5版」の周知について」(5月26日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制状況を評価するためのチェックポイント把握方法について」(5月26日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の区域追加等に伴う周知依頼について」(5月26日,事務連絡,厚労省医政局)
#「新型コロナウイルスのワクチン接種の医師確保について(ご案内)」(5月26日,日医女性医師支援センター)
#「新型コロナワクチン接種に係る人材確保のための窓口について」(5月26日,日医)
#「Experimental investigation to verify if excessive plastic sheeting shielding produce micro clusters of SARS-CoV-2」(Y Ishigaki, et al, medRxiv, May 27, 2021)
#「院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)に係る産科医療機関の追加募集について」(5月28日,日医)
#「新型コロナウイルス変異株流行国・地域に滞在歴がある入国者の方々の健康フォローアップ及びSARS-CoV-2陽性と判定された方の情報及び検体送付の徹底について」(5月28日,日医)
#「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(3版)」(5月31日改訂)

2021年6月15日号TOP