2021年3月1日号
設問 春季カタルの好発年齢はどれか。
① 0~6歳
② 7~13歳
③ 14~20歳
④ 21歳以上
解答 ②
解説 子供の結膜炎は年齢が鑑別診断のヒントになる
・細菌性結膜炎:3歳以下に多い
・季節性アレルギー性結膜炎:6歳以上が多い
・春季カタル:10歳前後に発症する
・巨大乳頭結膜炎:15歳以上が多い
・ウイルス性結膜炎:すべての年齢で発症する
設問1 インクルーシブ教育システムにおける本質的な視点と教育的ニーズに応じた支援を保障するために大切なこととは?
解答1 インクルーシブ教育システムにおいては,障害のある子どもと障害のない子どもができるだけ同じ場でともに学ぶことを目指している。その場合,それぞれの子どもが,授業内容が分かり学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら,充実した時間を過ごしつつ,生きる力を身に付けていけるかどうかが最も本質的な視点であることを理解しておく必要がある。
子どもの教育的ニーズ,学校ごとの基礎的環境整備(合理的配慮の基礎となる教育環境の整備)の状況等は様々であり,同じ眼疾,同じ障害の程度であっても,就学先の合理的配慮は異なると考えられる。
子どもの教育的ニーズに応じた支援を保障するためには,乳幼児期から専門的な教育相談・就学相談が受けられる体制を教育・医療・保健・福祉等との連携のもとに確立し,本人・保護者に十分な情報を提供することが大切である。
就学先の決定については,どの保護者にとっても不安が大きい。視覚に障害のある子どもを持つ保護者が一番最初に出会う専門家はおそらく眼科医である。小学校から高校までの長い期間にわたり,将来を見据えた教育支援が可能となるよう,京都府視覚支援センター等教育機関との早期からの連携が必要である。
設問2 「多様な学びの場」,柔軟な「学びの場」の選択とは?
解答2 視覚障害教育における「多様な学びの場」とは,通常の学級,通級による指導,特別支援学級(弱視学級),特別支援学校(盲学校)といった学びの場を示す。
インクルーシブ教育システムにおいては,同じ場でともに学ぶことを追求するとともに,個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して,自立と社会参加を見据えて,その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる,多様で柔軟な仕組みを整備することが大切である。
就学時にその後の学びの場がすべて決まってしまうのではなく,障害の状態等の変化,発達の程度,適応の状況,学校の環境等を勘案しながら,柔軟に転学等ができることを,関係者間で共通理解しておくことが重要である。
「〇〇の力を付けるために小学校低学年は盲学校で,その後は地元の小学校で学ぶ」といった積極的で柔軟な「学びの場」の選択が大切である。
設問1 小児のロービジョンケア事例では,早期にロービジョンケアを開始する。○か×か?
解答1 ○
解説1 時期が遅れると支援の導入が難しい。
設問2 小児のロービジョンケア事例では,医療か教育のどちらかが関わればよい。○か×か?
解答2 ×
解説2 医療,教育,福祉など「京都ロービジョンネットワーク」の多職種連携により幅広い支援ができる。
設問3 「見えにくいこどもたちを早期にロービジョンケアに繋げること。少なくとも,情報提供をすること」のポイントは?
解答3 ・見つける
・渡す
・相談する
設問1 特発性側弯症のおおよその発症率は?
① 0.1%
② 2%
③ 5%
④ 10%
⑤ 20%
解答1 ②
設問2 特発性側弯症の装具の有効性(成功率)はおおよそどのくらいか?(成功率は手術に至らなかった人の割合とする)
① 0-1割
② 1-2割
③ 2-3割
④ 6-7割
⑤ 10割
解答2 ④
設問3 装具治療の導入が必要なCobb角は何度から?
① 1度
② 5度
③ 10度
④ 15度
⑤ 25度
解答3 ⑤
設問1 60歳以下の腱板断裂は放置された場合,症状が残存しやすい傾向にある。○か×か。
解答1 ○
解説1 Natural history of nonoperatively treated symptomatic rotator cuff tears in patients 60 years old or younger
60歳以下の症候性腱板断裂患者に対して保存療法を実施
実施前後で断裂進行と痛みの変化を調査(N=51)
症状残存 65% → 56%で断裂サイズ進行
症状 消失 35% → 25%で断裂サイズ進行
60歳以下では症状が残存しやすい傾向
(Ori Safran, et al., Am J Sports Med , 2011)
有痛性腱板断裂の保存療法の10年成績
60歳以上 成績良好
60歳以下 成績不良 ➡ 若い腱板断裂の対応が重要!
(木嶋,皆川ら, 肩関節, 2011)
設問2 肩関節に重度の可動域制限であれば,腱板が完全断裂している可能性が高い。○か×か。
解答2 ×
解説2 肩痛患者の可動域制限と腱板断裂
設問3 リバース型人工肩関節は日整会が策定したガイドラインに則って適正に使用されなければならない。○か×か。
解答3 ○
解説3 リバース型人工肩関節全置換術ガイドライン 2014年4月から本邦で承認 2019年12月改訂
(適応) 腱板断裂性関節症
修復不能腱板広範囲断裂
高齢者の3,4part新鮮骨折
骨折後の変形治癒・続発症
リウマチ肩
TSA・HHR術後再置換例
関節窩骨欠損が大きな変形性肩関節症
(条件) 原則65歳以上,三角筋の機能が残存
自動挙上90°未満