2021年3月15日号
相楽医師会と府医執行部との懇談会が11月21日(土),Webで開催され,相楽医師会から20名,府医から8名が出席。「オンライン資格確認」,「新型コロナウイルス感染症のインフルエンザ流行期における対策」をテーマに活発な議論が行われた。
〈注:この記事の内容は11月21日現在のものであり,現在の状況とは異なる部分がございますのでお含みおきください〉
令和3年3月から開始されるオンライン資格確認の概要を説明。(本誌3月1日号P8〜9参照)
◇「顔認証付きカードリーダーの申請受付はすでに始まっているが,早く手続きすべきか迷っている。申請期限はあるか,期限を過ぎた場合にどうなるのか」
顔認証付きカードリーダーは,無償配布されるが,カードリーダー申し込み後,令和5年3月までにオンライン資格確認等システム利用申請などを行い導入しなければ,機器の費用相当額(約9万円)の返還が求められる。
◇「オンライン資格確認を導入すれば,患者のすべての情報を確認できるのか」
患者の資格情報の他,患者の同意を得て特定健診データや薬剤情報等が確認できる。マインナンバーカードによる資格確認については,カードの普及率が低い上に,患者がマイナポータルで保険情報を登録しなければならず,導入しても当初は利用者が少ないと思われる。また,マイナンバーカードを利用する患者と従来どおり健康保険証を持参する患者が入り混じり,対応が複雑化する恐れがある。
◇「オンライン資格確認の導入に係る費用は国から補助されるとのことだが,この補助から賄いきれない金額を府医が補助することはないのか」
国からは,関連機器の購入やネットワーク環境の整備等に係る費用について,42.9万円を上限に4分の3が補助される。令和3年3月末までにカードリーダーの申し込みを行った場合,上限額までは全額補助となる。府医での補助は考えていない。
新型コロナウイルス感染症のインフルエンザ流行期における対策について概要を説明。(本誌3月1日号P2〜3参照)
◇PCR検査の精度と経過観察期間について
感染2日から9日目までであれば80%以上の精度があることが明らかとなっている。
健康観察期間については,新型コロナウイルスが大幅に減少するのが10日後であるため,発症して10日となっているが,この期間中は出勤禁止というわけではない。自宅療養は72時間であるため,この期間だけ患者には自宅療養をし,経過観察期間中に具合が悪くなれば,かかりつけ医に連絡するよう指導をお願いしたい。
◇「陽性反応のラインが薄く出た場合は,偽陽性の可能性が高いがどうすればよいか。また,PCR検査結果が出るまでに時間がかかるが,どのように対応すべきか」
薄く陽性反応が出ても陽性という判断になるが念のため,鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査をお願いしたい。また,患者には結果が出るまでの間,偽陽性の可能性があることを説明した上で自宅療養するよう指導する。
◇自宅療養者の家族に対する感染症対策に関する指導について
自宅内でもマスクを着用し,手洗いを徹底する等基本的な感染症対策の他にドアノブといった感染者が触れる可能性のあるものを消毒するよう指導してほしい。