2021年5月15日号
令和2年6月12日に公布された地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律で認知症の定義の見直しが行われ,本年4月1日に施行されました。
併せて,本年3月19日に公布された介護保険法施行令等の一部を改正する政令,本年3月31日に公布された介護保険法施行規則等の一部を改正する省令が本年4月1日に施行されました。
改正の趣旨は,介護保険法施行令の一部改正として,認知症はアルツハイマー病その他の神経変性疾患,脳血管疾患その他の疾患(特定の疾患に分類されないものを含み,せん妄,鬱病その他の厚生労働省令で定める精神疾患を除く)による後天的な脳の障害により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態と定義することとなりました。この場合において,「特定の疾患に分類されないものを含み」とは,国際疾病分類第10版(ICD-10)等の整理も踏まえ,その認知症の原因となる原因疾患について,アルツハイマー病等の特定の診断名がつくものだけではなく,認知機能の低下は認められるが原因が「特定不能」のようなものも含み得ることについて,明確化したものです。
また,介護保険法施行令第1条の2の厚生労働省令で定める精神疾患をせん妄,鬱病その他の気分障害,精神作用物質による急性中毒又はその依存症,統合失調症,妄想性障害,神経症性障害,知的障害その他これらに類する精神疾患(ICD-10における認知症以外の精神疾患(精神および行動の障害)の代表例)とすることについて規定されました。