2021年11月15日号
オンライン資格確認につきましては,当初本年3月に本格運用開始予定であったところ,システムの安定性確保や加入者データの正確性担保などの観点から,テスト的な位置づけのプレ運用が継続されてきたところです。
その後,種々の対応によってデータの正確性が担保されたことから,9月22日の第145回社会保障審議会医療保険部会において,10月20日から本格稼働を開始する旨が公表されました。
本格運用開始にともない,下記のとおりレセプト請求の運用に関する留意事項等(5点)をお知らせします。
なお,医療機関におけるオンライン資格確認の導入は義務ではなく,今回の本格運用開始にともなって導入が強制されるわけではありません。
日医は,将来的にすべての医療機関にオンライン資格確認が導入されれば,安全に繋がる医療専用のネットワークが構築されることから,このネットワーク基盤の活用が,国民・患者への安全・安心で良質な医療提供に繋がると考え,オンライン資格確認の推進に協力しています。ただし,現在,世界的な半導体不足により,システム事業者(ベンダー)が必要な機材を調達できないケースや,ベンダーの経験不足等で,導入に関する適正な見積もりが取得できないケースが発生していることから,焦らずにベンダーとご相談いただき,内容や費用等に納得いただいてから,導入を進めるよう案内しています。
記
【留意事項等】
1.レセプト請求の運用における留意事項
プレ運用期間中は,オンライン資格確認導入医療機関であっても,レセプト請求等に係る運用は従来通りとされていました。本格運用開始以降は,未導入医療機関においては従来通り,導入医療機関においては,オンライン資格確認システム上の情報が原則正しいと判断して,レセプト請求を行っていただくことになります。
また,本格運用開始に伴い,患者等が受付時に閲覧の同意をしている場合,限度額適用認定証情報,限度額適用・標準負担額減額認定証情報及び特定疾病療養受療証情報の閲覧が可能となります。情報閲覧により資格が確認できた場合,認定証等が提示されたものとみなして,レセプト等の「特記事項」欄に,該当する略号を記載可能となります。
なお,閲覧同意の取得方法は,マイナンバーカードの場合は顔認証付きカードリーダー上での操作,被保険者証の場合は口頭になります。
2.薬剤情報の閲覧開始について
本格運用開始に伴い,患者等が持参したマイナンバーカードで受付時に閲覧の同意をしている場合,医療機関等は薬剤情報の閲覧が可能となります。前項の1.と異なり,マイナンバーカードではなく被保険者証の場合は,薬剤情報の閲覧はできません。
3.導入医療機関等におけるイレギュラーケースへの対応方針について
機器の故障等のイレギュラーケースへの対応方針については,以下にまとめられている通りです。
ケース2~5 → 次ページ参照
また,導入医療機関には,イレギュラーケースへの対応方法の詳細についての資料が別途提供される予定とのことです(準備でき次第,「医療機関等向けポータルサイト」からメールで通知されるとのことです)。
4.「オンライン資格確認」運用開始日の入力について
オンライン資格確認の導入作業・運用開始準備作業が完了した医療機関は,「医療機関等向けポータルサイト」(https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/)にログインして,「オンライン資格確認の運用開始日入力」ページより,運用開始日を入力することが求められています。この入力により,厚生労働省が更新している導入医療機関等のリストに反映されることになります。
5.患者向けオンライン資格確認に関する周知素材について
導入医療機関用に,「マイナ受付」ポスターや顔認証付きカードリーダーの使い方のPOP 等の周知素材が厚労省ホームページ「オンライン資格確認に関する周知素材について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/index_16745.html)に掲載されています。
【参考】
日本医師会ホームページ・メンバーズルーム内に「オンライン資格確認相談窓口」を設けております。導入についてお困りのことがございましたら,情報をお寄せください。いただいた情報を厚生労働省と共有し,問題解決のための情報提供や業者への働きかけ等の支援を行っております。
【日本医師会ホームページ・メンバーズルーム内オンライン資格確認相談窓口】
https://www.med.or.jp/japanese/members/info/jirei.html