2021年10月1日号
副会長 西村 康孝
2020年2月より始まったコロナウイルス感染症のパンデミックにより、医師会活動も大変大きな制約を課されることになりました。伏見医師会では、それまで多岐にわたる研究会、講演会が実施されており、会員各位の知識や技術の向上に役立ってまいりましたが、その多くが中止もしくはWEBでの配信などに様変わりいたしました。ここ2年間は医師会の総会でさえも、必要最小限の理事役員の出席でホテルのような大きな会場ではなく、伏見医師会館での開催となっております。
そのような中で、医療従事者に対するコロナウイルスワクチンの優先接種が開始されましたが、当初はワクチン供給がままならず、開業医の先生方の接種はようやく4月末ごろから開始されることとなりました。その他の医療従事者の接種に関しては、高齢者の接種と重なるように開始されたため、かかりつけとして高齢者を多く抱えている先生方は高齢者の接種に忙殺されることとなり、歯科医師、薬剤師、訪問看護師などの接種が進まない状況に陥りました。伏見医師会では、伏見歯科医師会、伏見薬剤師会と問題点を共有して、接種可能な医療機関に協力を求め、医療従事者の方をそれぞれマッチングさせて割り振ることで6月には医療従事者の接種を完了することができました。
高齢者の集団接種に関しても、伏見区内で約77,000人とされる65歳以上の高齢者の方の接種をどう進めていくかについて京都市の担当者を交えて医師会理事会との協議会を節目ごと実施し、伏見区独自の接種方法を模索してまいりました。伏見医師会は行政区である伏見区と一致した地区医師会でありますが、伏見区役所、深草支所、醍醐支所と3つの地域に分散しているため、集団接種会場も3か所設置されることになりました。各集団接種会場に医師が5名ずつ出務することとなりましたので、当初は延べ450枠の出務が必要となり、病院の先生方の協力も得ながら伏見医師会で出務医の割り振りをさせていただきました。途中2回目の接種が開始となってからは、接種時間を2時間から3時間に延長し、その上で伏見区役所、醍醐支所(接種会場は醍醐地域体育館)の2会場では、接種レーンを3レーンに増強して1時間あたりの接種人数を60人から120人として対応いたしました。結果、土曜日で360人、日曜日で720人のキャパシティーを確保することができました。最後、ワクチン供給のこともあり、2日間の接種が中止になったにもかかわらず、高齢者の接種がほぼ完了いたしました。
8月7日からは64歳以下の基礎疾患のある方の集団接種が再開されています。ワクチン供給のこともあり、接種時間は2時間、醍醐会場以外は接種レーンの減少もやむを得ませんでしたが、会員各位のご協力によりスムーズに実施されております。
医師会として今できることは、ワクチン接種に個別または集団で協力することで病院の先生方の負担を少しでも減らすこと、またコロナ診療に対してもホテル療養者、自宅療養者に対する出務を通じて社会貢献することと考えます。コロナが少し落ち着いた際に、また学術活動や地域医療への貢献など本来の医師会活動が一日でも早く再開できることを祈るばかりです。
一般社団法人 伏見医師会
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会 長:辻 一弥
会員数:627人(2021.9.10現在)
副会長 西村 康孝