2021年10月15日号
令和2年度診療報酬改定において経過措置が設けられた施設基準のうち,重症度,医療・看護必要度の該当患者割合等,患者の診療実績に係る施設基準については,当初,令和2年9月30日までとされていましたが,新型コロナウイルスの感染拡大による医療機関への影響等を踏まえ,2度にわたって経過措置が延長され,本年9月30日まで経過措置が延長されていたところです。
また,診療報酬上の施設基準の中には,地域医療体制確保加算の救急搬送件数等,前年の年間実績をもって翌1年間の算定の可否等を判断する項目もありますが,新型コロナウイルス感染症による影響を受けている令和2年の1年間の実績によって令和3年度1年間の算定の可否を決定すると,医療提供体制に大きな影響を与える可能性があったことから,令和3年9月30日までは,令和元年(平成31年)の実績で判断することも可能とされたところです(ただし,コロナ病床を割り当てられている医療機関においては,令和4年3月31日まで)。
こうした臨時的な取り扱いが実施された一方で,実態を把握するため,該当する医療機関には報告が求められ,9月15日に開催された中医協では,その報告内容が示されました。その結果,今回の経過措置や,年間の診療実績に係る特例措置の対象となる医療機関は一部に留まっていることが明らかになりました。
こうした調査結果を踏まえ,今般,コロナ患者受入の重点医療機関,協力医療機関およびコロナ患者受入病床を割り当てられた医療機関については,経過措置や年間の診療実績に係る特例措置を来年3月末まで延長する一方で,それ以外の医療機関については,9月末で終了することが示されました。詳細は近畿厚生局ホームページ
(https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/020930_kijyun_keikasochi_ika_00004.html)をご参照ください。
日医においては,施設基準の届出が求められる医療機関の負担等を鑑み,厚労省に対して,対象となる医療機関には個別にきめ細かく対応するよう求めるとともに,事前の調査結果が実態と大きく異なるようなことがあれば,再度,中医協で議論することを要請しています。
〈参考:中医協資料〉