保険だより – 医療機器の保険適用等にともなう診療報酬の算定方法等の一部改正について 8月1日から

 7月30日付保医発0730第1号厚生労働省保険局医療課長通知をもって「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和2年3月5日保医発0305第1号)等の一部が改正され,8月1日から適用されましたので,お知らせします。
 今回の改正は,医療機器等が区分A3,B2およびC2として保険適用されたことによるものです。

▷新たに機能区分及び保険償還価格が設定された医療機器等(8月1日適用)

1.手術用ロボットナビゲーションユニット
【販売名】 MazorXロボットシステム(日本メドトロニック株式会社)

〔決定区分〕 区分A3(特定包括・既存技術・変更あり)
〔対応する診療報酬項目〕 K939 画像等手術支援加算1ナビゲーションによるもの
〔主な使用目的〕
 本品は脊椎手術における脊椎スクリューの挿入において,患者のX線画像から構築した三次元画像上に手術計画を作成し,術前計画に基づいたロボットアームの動作により手術器具の挿入経路を決定し,挿入される器具の位置情報を患者の三次元画像上へリアルタイムで表示する手術支援装置である。脊椎手術の治療計画の作成を支援するための治療結果のシミュレーションを行うこともできる。本品は頸椎での手技には使用しない。

<関連する告示・通知の改正>
「特定診療報酬算定医療機器の定義等について」(令和2年3月5日保医発0305第11号)の一部改正(令和3年7月30日付保医発0730第1号)

2.経カテーテルウシ心のう膜弁
【販売名】 エドワーズサピエン3(エドワーズライフサイエンス株式会社)

〔決定区分〕 区分B2(個別評価・既存機能区分・変更あり)
〔決定機能区分〕 182 経カテーテル人工生体弁セット (1)バルーン拡張型人工生体弁セット
〔主な使用目的〕
 本品は,経皮的心臓弁留置に用いるバルーン拡張型人工心臓弁(ウシ心のう膜弁)システムであり,以下の患者に使用することを目的とする。
 ・自己大動脈弁弁尖の硬化変性に起因する症候性の重度大動脈弁狭窄を有し,本品による治療が当該患者にとって最善であると判断された患者。ただし,慢性透析患者においては外科的手術を施行することができず,本品による治療が当該患者にとって最善であると判断された患者に限る。
 ・外科的に留置した大動脈生体弁の機能不全(狭窄,閉鎖不全又はその複合)による症候性の弁膜症を有し,かつ外科的手術を施行することができず,本品による治療が当該患者にとって最善であると判断された患者。

<関連する告示・通知の改正>
「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和2年3月5日付保医発0305第9号)の一部改正(令和3年7月30日付保医発0730第1号)

3.経カテーテルブタ心のう膜弁
【販売名】 コアバルブEvolut R(日本メドトロニック株式会社)

〔決定区分〕 区分B2(個別評価・既存機能区分・変更あり)
〔決定機能区分〕 182 経カテーテル人工生体弁セット (2)自己拡張型人工生体弁システム
〔主な使用目的〕
 本品は,経皮的心臓弁留置に用いる自己拡張型の経皮的大動脈生体弁(ブタ心のう膜弁)システムであり,自己大動脈弁弁尖の硬化変性に起因する症候性の重度大動脈弁狭窄を有し,本品による治療が当該患者にとって最善であると判断された患者に使用することを目的とする。また,外科的に留置した大動脈生体弁の機能不全(狭窄,閉鎖不全,又はその複合)による症候性の弁膜症を有し,かつ外科的手術を施行することができず,本品による治療が当該患者にとって最善であると判断された患者に使用することも目的とする。ただし,慢性透析患者を除く。また,本品の34mmサイズ生体弁は自己大動脈弁のみを対象とする。

<関連する告示・通知の改正>
※前ページ参照

4.遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用),体細胞遺伝子変異解析プログラム(抗悪性腫瘍薬適応判定用)
【販売名】 FoundationOne Liquid CDxがんゲノムプロファイル(中外製薬株式会社)

〔決定区分〕 区分C2(新機能・新技術)
〔保険償還価格〕
特定保険医療材料ではなく,新規技術料にて評価する。
○準用技術料
(医薬品の適応判定の補助を目的とした場合(ALK融合遺伝子,ROS1融合遺伝子及びNTRK融合遺伝子))
D004-2 悪性腫瘍組織検査  1 悪性腫瘍遺伝子検査
 イ 処理が容易なもの  (1)医薬品の適応判定の補助等に用いるもの 2,500点
 ロ 処理が複雑なもの 5,000点
(医薬品の適応判定の補助を目的として複数の検査項目を併せて実施した場合)
D004-2 悪性腫瘍組織検査  1 悪性腫瘍遺伝子検査
 注1 イ 2項目 4,000点
    ロ 3項目 6,000点
  2 イ 2項目 8,000点
○関連技術料
(腫瘍の包括的なゲノムプロファイルを取得することを目的とした場合)
D006-19 がんゲノムプロファイリング検査
 1 検体提出時 8,000点
 2 結果説明時 48,000点
(医薬品の適応判定の補助を目的とした場合(EGFR遺伝子))
D006-12 EGFR遺伝子検査(血漿) 2,100点
〔主な使用目的〕
 ・本品は,固形がん患者を対象とし,全血検体を用いて腫瘍の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
 ・本品は,下表の医薬品の適応判定の補助を目的として,対応する遺伝子変異等を検出する。

<関連する告示・通知の改正>
「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和2年3月5日付保医発0305第1号)の一部改正(令和3年7月30日付保医発0730第1号)

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