保険だより – アルファカルシドール錠が安定供給されるまでの必要な患者への優先的な使用等の対応への協力について

 アルファカルシドール製剤につきましては,一部の後発品の製造販売業者において,承認書と製造実態の齟齬が確認されたため,出荷停止されており,今後供給が不安定になることが予想されています。製品のシェア等を鑑みると,大幅な供給量の増加が可能となる時期の見通しが難しく,また,同製品の同種同効製剤(エルデカルシトール製剤等)についても代替での供給に課題があるとのことです。
 アルファカルシドール製剤については副甲状腺機能低下症や腎不全にともなう続発性副甲状腺機能亢進症,くる病・骨軟化症患者において必要度の極めて高い薬剤とされています。
 ついては,日本骨代謝学会,日本骨粗鬆症学会による提言を参考とした対応が,厚生労働省医政局経済課から下記のとおり示されましたので,ご協力をお願いします。

 アルファカルシドール製剤が安定供給されるまでの本剤が必要な患者(副甲状腺機能低下症や腎不全に伴う続発性副甲状腺機能亢進症,くる病・骨軟化症の患者)への優先的な使用を考慮し,骨粗鬆症治療へのアルファカルシドール製剤等の使用に当たっては,当面の間,医療機関等においては,日本骨代謝学会,日本骨粗鬆症学会による提言を参考として,例えば,以下の対応をお願いします。

① エルデカルシトールをアルファカルシドールに変更することは避ける。
② 新規に骨粗鬆治療を開始する場合は,エルデカルシトールやアルファカルシドールは避ける。
③ アルファカルシドールもしくはエルデカルシトールを他の薬剤と併用している場合は,必要性を検討し,短期間休薬できるようであれば一旦休薬する。
④ デノスマブと併用の場合は,可能であればエルデカルシトールやアルファカルシドールを沈降炭酸カルシウム・コレカルシフェロール・炭酸マグネシウムチュアブル錠(デノタスチュアブル配合錠)に変更する。
⑤ エルデカルシトールやアルファカルシドールを単剤で処方の場合は,他の薬剤への変更を検討する。
⑥ アルファカルシドールもしくはエルデカルシトールを処方する場合は,できる限り長期処方を避ける。(30日処方までとする。)

2021年9月1日号TOP