各専門医会長との懇談会

 7月31日(土)各専門医会長との懇談会がWebで開催され,専門医会から16名,府医から25名が出席。「新型コロナウイルス感染症の振り返りと今後の対策」,「新型コロナウイルスワクチン現状と今後の対策」,「専門医会のあり方」をテーマに意見交換が行われた。

〈注:この記事の内容は7月31日現在のものであり,現在の状況とは異なる状況がございますのでお含みおきください〉

新型コロナウイルス感染症の振り返りと今後の対応

 最近の感染状況,これまでの振り返り,今後の対応について説明を行い,ワクチン接種の効果を評価するとともに,コロナに限らず感染症対策では正しいマスクの装着など標準予防策の徹底が重要であるとした。

~感染症対策の柱~
 ①感染者の早期発見

 当初は,地域の医療機関に十分なPPEが供給されなかったため,院内感染を防ぐため,発熱患者は帰国者・接触者相談センターに電話で相談し,帰国者・接触者相談センターから帰国者・接触者外来へ受診させる体制が取られた。
 府医では昨年4月30日にドライブスルーによるPCR検査センターを立ち上げ,昨年7月20日からは,地域の医療機関で感染防御対策が進んだ結果,唾液・鼻腔ぬぐい液を検体とする検査を実施し,より安全な検査体制が構築された。

 ②感染者の隔離
 当初は,症状の軽重に関わらず入院措置が取られたため,感染症指定病院等のコロナ患者を対応する病院はすぐに満床となり,受入医療機関に過度の負担が生じたことから,入院治療の必要な感染者を入院とし,軽症者や無症状者は宿泊療養で対応する体制に移行した。
 宿泊療養施設でも中等症に近い患者を診ることから医療機能(健康観察,SpO2モニタリング,酸素療法,薬物療法)が導入され,重症化患者の上り搬送,回復患者の下り搬送が行われた。
 今後は,若年層で重症化症例が増えることを想定し,リスク評価の検討,宿泊療養におけるモニタリング強化,治療法の確立と情報共有による治療の均てん化を目指す。

 ③積極的疫学調査
 クラスターの拡大を防ぐことは大変重要で,積極的疫学調査が追い付かないほど感染が拡大した場合は,間もなく医療崩壊を招く状況にあり,緊急事態宣言等による日常生活への強い制限が必要になる。

 ④重症患者の入院治療の確保
 重症者の増加にともない,通常医療に使われるべき医療資源が圧迫されるため,感染症治療と通常医療の折り合いをつけ,感染者数をどこまで許容するかを判断すべきである。
 若年層のワクチン接種を進めることと併せて,重症患者の治療および重症化を防ぐ取組みや医療への早期のアクセスが必要である。

~第5波への対応~
 京都府入院医療コントロールセンターでは,総括班,病院調整班,療養支援班,施設療養班を設置し,一元的な管理体制を取っている。センターにおいて,入院(確保病床511床),宿泊療養(826室),自宅療養に振り分けを行い,コロナ回復後に隔離対象となった患者は,療養支援病床等で受け入れる体制が整備されている。

~中和抗体薬(ロナプリーブ)~
 重症化リスク因子を有し,酸素投与を要しない患者が対象で,成人および12歳以上かつ体重40㎏以上の小児に,発症から7日以内に単回点滴静注する。酸素飽和度93%以上,「診療の手引き」における重症化リスク因子を少なくとも1つ有することが適応の条件であるが,コロナワクチン接種歴のある者は除外される。
 今後,投与適応基準の決定,リスク因子の把握,疫学調査時の調査項目の検討,実施医療機関の決定,医療機関の薬剤保有・使用情報の共有など投与のためのルール作りを京都府入院医療コントロールセンターで行う。

~次の感染症に備えて~
 医療機関で感染症を診療するためには,感染防御対策法の周知(標準予防策とゾーニング),PPEの確保,病床の機能分化と連携,効果的な治療方法の確立と治療法の共有が必要である。
 感染症治療に対しては,医療機関の規模に関係なく平時から感染症対策の周知徹底(ICTの設置),感染防御装備の備蓄,病院においては感染症患者対応病床を何床確保できるかの確認,自院の機能の分析,高度医療機関との連携(上り搬送),高度医療機関からの受け入れ(下り搬送),回復後のリハビリテーション機能を検討する必要がある。
 新興感染症について,感染力,病原性,致死率,症状,潜伏期間などの詳細が分からない状況においては,非感染者との接触を防ぐことが絶対条件になる。今後の対応においても,初期段階では,専門外来を設置し,ウイルスの詳細が判明するに従い,臨機応変に対応できる体制を構築することが必要である。

新型コロナウイルスワクチン 現状と今後の対応

~ワクチン供給の不均衡~
 世界的にもワクチンの需要と供給が追い付いていない状況で,特に海外からの供給に頼るアジア・アフリカでは不足している。
 さらに,ワクチン不足・偏在など供給の不均衡が進む要因として,「COVAXにワクチンが流れること」,「3回目接種を検討していること」,「余剰を抱える国で未接種者のワクチンを確保していること」,「新興国で中国製ワクチン接種後に欧米製ワクチン接種を開始したこと」等を挙げた。

~ワクチンの効果~
 京都府内においては,高齢者感染者は6月初旬から減少傾向が見られ,6月・7月の90代の感染者はゼロである。
 感染者数,重症感染者数,死亡者割合からみると,第5波で感染者数が急増しているが,重症感染割合や死亡割合は減少していることから,ワクチンの効果があると考えられる。

~今後の対応~
 今後,日本での接種率70%超えを目指して粛々とかつ速やかに接種を進めることが重要で,そのためにはワクチン供給の確保が最重要課題である。

専門医会のあり方について

 昨年度の本会議にて,府医からの助成金については,3年の経過措置を設けた上で府医会員割合などを考慮した助成金額に見直しを図ることを説明したとして,引続き,各専門医会における府医会員割合の増加にさらなる協力を依頼した。

各専門医会からの意見・要望

 各専門医会から事前に提出のあった意見・要望について,書面回答を行った。詳細は次のとおり。

⑴ 府医会館の使用について:外科医会
 府医会館使用について,専門医会は会議室(大会場)の使用(予約)が現状難しく,もう少し使用できるようなシステムにしていただきたい。

【回 答】
 府医会館の利用について,会議室に限りがあり,需要に対する供給が追い付いていない状況にある。特に研修会は,212-213会議室や310会議室の利用が多く,日程も先生方の休診時間に合わせた土曜日に偏っている。また,土曜日でも閉館日もあるため,全体の回数が限られている。その中で,公平に使用していただけるよう,運用ルールを検討する。

⑵ 府医会館のインターネット環境の整備について:眼科医会
 府医会館の各会議室にWi-Fi環境を整えていただきたい。

【回 答】
 府医会館のインターネット環境について,各会議室にLANが設置されているので,web会議等でご利用の場合はご相談いただきたい。
 会議等でWi-Fi環境が必要な場合は,ポケットWi-Fiの貸出も含めて検討する。
 なお,会館全体のWi-Fi環境の整備については,会員の利便性の向上に繋がることから,費用面やセキュリティ面を踏まえ,今後検討する。

⑶ PPEの配給について:消化器医会
 消化管内視鏡検査は,上部下部ともにコロナの飛沫感染のリスクが高いと考えられる。多くの検査数になるので,PPEで使用するディスポ用品で余っているものがあれば配給してほしい。

【回 答】
 府医でも緊急時に対応するためPPEを備蓄しているが,保管スペースの問題等から先生方に配布できる余剰のPPEは持ち合わせていない。現在は,流通もしているため,各自で購入をお願いしたい。

⑷ 乳幼児感染予防対策加算について:小児科医会

 コロナウイルス感染症の流行が続き,小児科の経営は改善されていない。乳幼児感染予防対策加算を減額せず継続していただきたい。

【回 答】
 新型コロナウイルス感染症により患者の受診行動は大きく変化し,特に小児科や耳鼻咽喉科は深刻な状況と認識している。
 府医でも,医療機関における平時の感染症対策の重要性をあらためて認識し,次期診療報酬改定の要望事項として,乳幼児感染予防策加算の恒久化を濱島府医副会長が参画する日医社会保険診療報酬検討委員会を通じて日医に要望したところである。
 先般,中医協において府医の顧問である城守日医常任理事が新型コロナウイルス感染症の収束後も医療機関が万全の感染対策を講じていくために,現在の臨時的な取り扱いである感染症対策の加算を継続するとともに,基本診療料に包括し,点数の引上げを主張されている。

⑸ 医業収入の減収補填に対する支援について:耳鼻咽喉科専門医会
 今回のコロナ禍により,耳鼻咽喉科の医業収入が大きく減少した。日本臨床耳鼻咽喉科医会のアンケート結果では,第1波では5割以下に減少して,第4波以降の現在も,通常年の6割~7割程度となっている。各種給付金や保険点数の増点により,救済措置を取っていただいたが,まだまだ十分ではない。
 このコロナ禍の深刻な医業収入への影響について,コロナ前の診療実績を基に減収分を補填できる継続的な支援を,今後もお願いしたい。

【回 答】
 減収補填策として,財務省などからは,新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている医療機関に限定することや診療報酬の1点単価の補正(いわゆる地域別診療報酬)などが提案されているところである。
 府医は,受け入れの有無にかかわらず医療機関に深刻な影響を与えていることを踏まえ,補助金や支援金とともに,感染症対策の加算など診療報酬上の臨時的な取り扱いの恒久化を引続き求める必要があると考える。

⑹ アコファイド処方について:消化器医会
 アコファイド処方時の病名については注意が必要で,胃潰瘍などの病名があれば査定の対象となる。また現段階では内視鏡実施日の記載が必要である。FDの新ガイドラインの運用が開始されるので,今後の方向性として,なるべく簡素化してもらうように働きかけてほしい。

⑺ ヘリコバクター・ピロリ感染診断等について:消化器医会
 PPI投与中止2週が経過していない場合,H.p.感染診断は例え結果が陽性であったとしても算定は認められない。またその後の除菌治療も査定の対象となる。せめて除菌治療は認めてほしい。

⑹ ⑺【回 答】
 ご指摘のとおり,アコファイド錠については,厚労省が示す留意事項通知において,上部消化管内視鏡検査等により,胃癌等の悪性疾患を含む器質的疾患を除外することとされており,器質的疾患を有する場合は算定できないこと,レセプトに上部消化管内視鏡検査等の実施年月日を記載すること(検査実施月のみ)が求められている。また,ヘリコバクター・ピロリ感染診断等の保険診療上の取り扱いについても同様に通知が示され,その通知に従ってレセプト審査が行われている。通知で明示された内容は,保険者も確認するため,そのルールが基本となるので,ご理解いただきたい。
 ただし,通知のみでは判断ができない内容については,審査委員間で統一した見解が必要となることから,府医では,審査基準の平準化を目的に,基金と国保の代表と連絡会(基金・国保審査委員会連絡会)を開催し,合意した基準で審査が行われている。

⑻ コロナ禍での受診抑制について:循環器医会
 コロナ禍での受診抑制は徐々に改善されているが,未だ急性心筋梗塞では救急受診が遅れている症例がある。今後もコロナ感染症が完全に沈静化しないところであるが,ワクチン接種も進み感染する危険性は減少すると思われる。医師会としての住民への受診啓発の活動をお願いしたい。

【回 答】
 府医でも受診抑制や健診控えによる重症化を懸念しており,今後中医協や学会などから示されるデータに基づく検証が必要と考える。京都府や京都市に対して,住民に適切な受診を促すよう,市民新聞などの媒体を通じて,前向きに広報することを要望する。
 同時に,医療機関が安心安全な医療提供体制を維持するためにも,加算の恒久化など相応の手当てが必要と考える。

⑼ 保険点数の新設希望について:形成外科医会
①顔面の瘢痕拘縮形成手術(K010の1)について,運動制限をともなわなくても算定できる区分を新設してほしい。
 (以前は算定できていた頬・鼻・耳介など開・閉瞼や開口に制限を及ぼさない部位の拘縮の算定が認められなくなっている。例えば,K010の2,顔面以外のその他の部位と同じ点数にするなど)

②K217「眼瞼内反症手術」について,K219「眼瞼下垂症手術」の1の「眼瞼挙筋前転法」と同様の術式を下眼瞼に対して行うlower eyelid retractor advancement法という優れた術式があるので,これをK219の1の7,200点と同じ点数で新設してほしい。

⑽ 認知症ケア加算取得について:脳神経外科医会
 施設基準では,精神科か神経内科の3年以上の経験あるいは2日間の研修が必須も研修枠が限られている。次回診療報酬改定に向け,脳神経外科医の関与実績からも「脳神経外科3年以上の経験」を入れられないか。

⑾ クレアチニンクリアランスの保険収載について:腎臓医会
 24時間クレアチニンクリアランスを保険請求できるようにしてほしい。身体障がい者申請の検査項目に24時間クレアチニンクリアランスが入っているが,これに保険点数が付いていないというのは不合理だと考える。

⑼ ⑽ ⑾【回 答】
 日医の社会保険診療報酬検討委員会に近医連の代表として濱島府医副会長が参画している。当該委員会では委員からの要望事項をとりまとめ,中医協の議論に反映されている。近医連の意見を集約し要望事項を提出しているが,10項目と限られるため,一般的な医療機関に係る項目を選定せざるを得ない。日医の委員会には各学会からも代表者が参画し要望されており,専門医会からも専門的な立場で,学会を通じて働きかけをお願いしたい。

⑿ 中高生に対するコロナウイルスワクチンについて:小児科医会
 中高生のコロナワクチンは,学校での集団接種は行わず個別接種で行うべきと考える。12歳の小学生は,同学年での差をなくすため行わない。現在医会内でアンケートを実施中である。

【回 答】
 学校での集団接種は接種を希望しない者への同調圧力の問題から推奨しないものであることは文科省の示した方針のとおりと考える。個別接種においては重症化する例が他の年代に比べて少ないことも踏まえ,その判断は個々の保護者に委ねられるべきものであるが,その判断に資するための情報は十分に提供されるべきと考える。若年者ではワクチン接種後の心筋炎を発症する可能性があり,より慎重に臨まねばならない。

⒀ 妊婦への新型コロナウイルスワクチン接種について:産婦人科医会
 希望する妊婦に対してはワクチンの接種をお願いしたい。副反応に関しては,一般の人と差はない。発熱時はアセトアミノフェンを内服していただいて問題ない。

【回 答】
 産婦人科医会のお考えのとおりである。府医としても妊婦への新型コロナウイルスワクチン接種について推奨する。

⒁ HPVワクチンの接種にあたって:産婦人科医会
 HPVワクチンは,市区町村が主体となって実施する定期接種として接種を受けることができる。また,思春期男子への接種も可能となった。接種対象希望者には医学的に正しい情報提供と接種へのご協力をお願いしたい。

【回 答】
 国の積極的勧奨の一時差し控えによりHPVワクチン未接種で定期接種対象外となった女子への救済とともに,接種対象者およびその保護者へのワクチンに関する正しい情報提供は不可欠な施策と考える。しかしながらこれはあくまで市町村行政の問題であり,市町村が責任をもって普及促進を図るべき問題とも言える。これを前提に府医としても行政機関への働きかけを行いたい。

⒂ 3歳児健診への屈折検査導入について行政への予算要望のお願い:眼科医会
 前回の府医との懇談会で,3歳児健診での視覚検査でスポットビジョンスクリーナー(以下SVS)を用いての屈折検査が弱視の早期発見に大変重要であることをお話させていただいた。3歳児健診では小児科の先生方のご尽力に感謝申し上げる。その後,本年5月,日本眼科医会が実施した全国調査「3歳児健診における屈折検査導入に関する緊急調査」で,群馬,富山,高知の3県では100%の自治体が3歳児健診でSVSを使用した屈折検査を導入していた一方,京都府では26自治体の中,宇治市,宇治田原町,木津川市のみで11.5%となっており,全国平均28.4%より低迷していた。さらに,上記調査により,屈折検査の導入で要精検率や要治療数が約2倍以上に上がったということも分かった。財政がひっ迫しているが,将来を担う子どもたちの視機能の発達のため3歳児健診における屈折検査導入の予算要望を府医から京都府・京都市へ強く働きかけていただくようお願いしたい。

【回 答】
 昨年の当懇談会での要望を受け,府医として京都府・京都市に対し,新生児の聴覚検査と併せて本件について働きかけを行った。新型コロナウイルス対策のため,どの市町村も財政的に厳しい状況の中,京都府内では宇治市,宇治田原町,木津川市が導入している。子どもの視機能の発達に有用であることは認識しており,また,日本眼科医会も国に要望していることもあり,府医として引続き,今年度も京都府・京都市に強く要望する方針である。

⒃ 医師の働き方改革について:循環器医会
 医師の働き方改革が24年に迫っている。この改革では,病院勤務医の残業時間縮減が必須で,循環器内科,心臓血管外科はどこの病院でも残業時間の多い診療科である。
 例えば,急性心筋梗塞での再灌流療法を「受診後90分以内」に完了することがガイドラインで推奨されている。循環器専門医は夜間,休日に関わらず呼び出され,緊急冠動脈拡張術を実施しているが,これらの働きはすべて残業時間に相当する。しかし,勤務時間の上限を超えての勤務が法令違反となれば,これらの循環器救急医療が継続できないこともあり得る。
 この対策のひとつとしては,専門病院ネットワークでの輪番体制の構想が考えられる。医師会としての取組みを教えてほしい。

【回 答】
 医師の働き方改革により2024年4月から時間外労働の上限規制が適用される。これに基づき,医師の時間外労働規制にかかる各水準が適用されている。
・A水準:年960時間/月100時間
・B水準:地域医療確保暫定特例水準 (医療機関を特定)
・連携B水準:大学病院や地域医療支援病院などのうち,医師の派遣を通じて,地域の医療提供体制を確保するために必要な役割を担う医療機関が対象
・C-1水準:初期・後期研修医が,研修プログラムに沿って基礎的な技能や能力を修得する際に適用
・C-2水準:医籍登録6年目以降の者が,高度技能の育成が公益上必要な分野について,特定の医療機関で診療に従事する際に適用とされている。
 A水準以外の各水準は,指定を受けた医療機関に所属するすべての医師に適用されるのではなく,指定される事由となった業務やプログラム等に従事する医師にのみ適用される。所属する医師に異なる水準を適用させるためには,医療機関はそれぞれの水準についての指定を受ける必要がある。
 また,労働時間の短縮を着実に推進していくことが重要であることから「医師の働き方改革に関する検討会報告書」では,労働時間短縮を強力に進めていくための具体的方向性の一つとしてタスク・シフティング/シェアリングが挙げられている。
 今後,医療機関は,時短計画案の作成や医療機関勤務環境評価センターによる第三者評価,都道府県による特例水準医療機関の指定などのタスクが課せられることとなる。現状,自病院の医師の時間外労働の把握が取組むべき喫緊の課題であると考える。
 府医では,医師等働き方改革検討部会委員に委員として役員が参画しており,行政を巻き込んで医療機関へのサポートに取組んでいきたい。また,今期の執行部は,勤務医の先生方に寄り添うことをテーマの1つに掲げており,制度としての「医師の働き方改革」が臨床の現場と大きく乖離するケースが出てくることも考えられるため,勤務医の労働環境や地域医療の実情を勤務医部会等で取り上げ,積極的な情報提供や取組みを展開していくほか,京都府を通じて厚労省へ,また,日医に対して提言する。

2021年9月15日号TOP