地区だより 山科医師会

広報担当理事 松井 雅裕

 山科区は、京都市の東端に位置し、京の東の玄関口としての役割を担っています。西の境には東山連峰、北は大文字山、如意ケ獄、東は音羽山、牛尾山と三方を山なみに囲まれ、山科盆地となっています。そのため地理的には南で伏見区醍醐地域に接していますが、京都市中心部と独立しております。小野小町や豊臣秀吉らが好んだ緑と水の豊かな地であり毘沙門堂や隋心院、醍醐寺など格式高い名刹が多く、山科疏水や赤穂浪士ゆかりの社寺も見どころです。
 山科区の人口は約13万人で京都市11区のうち5番目の多さです。2012年ごろにはマンション建設ラッシュにより人口が増えた時期もありましたが最近は減少に転じています。
 山科医師会は昭和47年に、東山医師会から分離独立する形で設立されました。現在6つの病院と数多くの診療所にて構成され、会員数はA会員104名、B会員222名、C会員19名、D会員16名合計383名(令和3年7月現在)の大きな医師会に発展することができました。昨年には、法人化を成し遂げ、来年には設立50周年の大きな節目を迎えます。
 山科の医療の特徴として、盆地地形であることから医療の多くが山科地区内で完結することが挙げられます。山科医師会は2つの基幹病院を抱えておりますが、一般診療においても、病院と診療所の「病診連携」、診療所どうしの「診々連携」がうまくとれています。様々な領域の勉強会や懇親会も多く、また年2回の医師会会員のレクリエーションを通じて勤務医と開業医が互いに顔の見える関係を保ち、病院と診療所の風通しが良いと自負しております。しかしながら昨年より新型コロナウイルス感染症の影響でほとんどの勉強会が延期かweb開催となり懇親会も中止になっており会員間のコミュニケーションも激減しております。なんとか早く日常に戻ってほしいものです。

写真1 山科疏水

 桜が約450本植樹されており春の遊歩道は見事な桜のトンネルとなります。市中心部に比べ観光客は少なく穴場スポットです。

写真2 随心院

 小野小町ゆかりの寺で恋愛成就の聖地としても有名です。毎年3月には「はねず踊り」が開催されます。

写真3 学術講演会

 コロナ禍以前の山科医師会学術集談会の様子です。例年はこの後忘年会を兼ねた懇親会が開かれます。

 山科医師会の活動としては毎月1回山科医師会診療センターにて理事会を開催しています。一時はオンラインでの理事会でしたが、最近はハイブリッドでの開催としております。理事会の内容は毎月発行している「山科医師会通報」を会員に配布し情報共有を図っております。
 山科医師会のモットーは開設時より「よく学び、よく遊べ」であります。
 その言葉通り会員に向けては多くの学術講演会を開催し最新の知見が得られるようにしているのと同時に、スポーツや医師会旅行通じて会員同士の親睦を図っております。また地域住民に向けては他地区医師会と同様に特定検診・がん検診を行うとともに糖尿病患者様に向けて「山糖会」として食事指導を兼ねた糖尿病教室、運動療法を兼ねた療養指導を定期的に開催しております。また地域医療・在宅医療・介護の分野への貢献も重要で2020年1月には「山科区在宅医療・介護連携支援センター」を、京都市から委託を受けて設立しました。今後は在宅医療と介護の多職種が円滑に連携できる環境を整備していきます。
 新型コロナウイルス感染対策としてはワクチン接種を広く行うことが重要です。医師会では今年度から新たに「災害時医療」担当、「感染症対策」担当部門を新設致しました。多くのかかりつけ医が連携してワクチン接種を行うとともに、集団接種では山科区役所にて5月下旬から7末の土日に医師会から医師3人が出務しました。
 この未曾有の事態に対してこれまで培ったチームワークで対応するとともにコロナ後の地域医療の在り方など新たな課題が山積しておりますので他地区の医師会の先生方の御協力も仰ぎながら山科医師会員一同努力していきたいと思います。

一般社団法人 山科医師会
〒607-8073
京都市山科区音羽西林9番地 
山科医師会診療センター内
TEL:075-591-1625 FAX:075-594-0076
H P:‌https://yamashina-med.jp/
e-mail:yamai@gold.ocn.ne.jp
会 長:安井 仁
会員数:383人(2021.7現在)

2021年9月15日号TOP