保険だより – オンライン請求医療機関に対する紙媒体による返戻の廃止について

 先般,厚労省が開催した「審査支払機能の在り方に関する検討会」では,支払基金,国保中央会,国保連の審査支払機能の整合的かつ効率的なあり方について検討が行われていたところです。
 その際,行政改革担当国家公務員制度担当内閣府特命担当大臣から,オンライン請求の促進として,紙レセプトを極力減少させる必要があるとの強い意向があり,結果的に,オンライン請求を行う医療機関においては,①令和3年10月診療分(11月請求分)から,紙媒体による返戻を廃止し,オンラインによる返戻のみとし,②令和4年度中には紙媒体で返戻されたレセプトに係る再請求を除き,再請求はオンラインによるものとすることとされました。
 この議論の際,日医からは,ペナルティや義務化といった性急な取組みではなく,医療機関が自然と電子請求に移行できるような柔軟な対応が必要であること等を強く主張し続けました。
 その結果,①紙媒体による返戻の廃止は,オンライン資格確認によるレセプト振替・分割サービスが開始され,返戻が一定程度減少すると見込まれることが前提であり,本機能の導入時期が遅れることになれば,当然ながら紙媒体での返戻も継続させること,②令和4年度中のオンラインによる再請求の実施については,レセプト振替開始による資格過誤の状況やシステムへの影響を踏まえることや,紙と遜色ない修正方法で対応できるなどレセコンそのものの機能性や操作性が向上しているかどうか把握した上で判断することとされました。
 ついては,オンライン請求を行う医療機関における紙媒体による返戻廃止は令和3年10月診療分(11月請求分)から施行され,通常であれば12月7日,8日頃(国保は国保連により異なる)に届いていた紙媒体による返戻がなくなり,医療機関はオンライン請求システムにログインし返戻レセプトの有無を確認することとなりますのでご留意ください。
 なお,返戻レセプトの有無については,従来,紙媒体と併せて送付されている帳票(返戻内訳書)は当面の間送付されるため,これにより確認することができるとともに,オンライン請求システムのトップページにメッセージが表示されます。
 また,①が実施された後においても,返戻再請求は,オンラインによる返戻データ(csvデータ)を印刷することにより,引続き紙媒体での対応が可能です。

※レセプトの振替・分割サービスとは,令和3年10月請求分以降のレセプトについて,保険者のオンライン資格確認等システムへの資格登録のタイムラグ等で生じる資格過誤を,審査支払機関においてオンライン資格確認等を活用して,正しい資格情報に振替・分割する機能のこと

2021年9月15日号TOP