2022年4月15日号
宇治久世医師会と府医執行部との懇談会が令和3年12月8日(水),Webで開催され,宇治久世医師会から30名,府医から9名が出席。「COVID-19対策における府医と地区医の連携」,「学校医のなり手不足の現状とその対策」をテーマに活発な議論が行われた。
〈注:この記事の内容は12月8日現在のものであり,現在の状況とは異なる部分がございます〉
新型コロナウイルス感染症への対応については,懇談会開催時点において収束傾向にあった第5波の状況と第6波に向けた対策について,特に▽保健所との連携による自宅療養者の健康観察,▽中和抗体薬と経口内服薬,▽3回目の追加接種―等を中心に意見交換が行われた。
学校医のなり手不足の問題について,現状と今後の対策について意見交換が行われた。
府内の一部地域において,医師の高齢化となり手不足により,学校医の配置が困難であるとの報告が上がっており,府医としても深刻な問題であると認識していることを示した上で,従来,学校医の配置は,地区医ごとに手挙げ制や学校保健担当理事による調整,事前に順番を決めて調整するなど様々な方法で協力を得ている状況であり,学校医の複数配置については内科,小児科に加えて外科系の先生の協力を得て,地区を跨いで調整を行っているものの,それでもなり手がなく,やむを得ず地区医の役員が複数校兼務している地区もあると説明。府医としても,健診業務について,複数校を集約して実施することや,従来の内科学校医だけでは脊柱側弯等を含む運動器検診の実施が難しいとの声もあることから,健診時に整形外科医等が出務すること等を教育委員会に提案していることを報告した。
学校保健安全法の条文には,「学校には学校医を置くものとする」との一文しか記載がなく,推薦にあたって地区医がどこまで責任を負うかという問題もあるとした上で,医師会としては,地域の学校保健について一定の社会的責任を負っているとの認識を示し,もともとマンパワーが不足している地域では今後も配置が難しい状況が見込まれることから,この現状を教育委員会に伝え,地域行政とも協力し,地域全体の共通課題として認識してもらうことが第一歩だと指摘した。すぐに具体的解決策を示すことは難しいが,これは日本のすべての地域における問題であり,今後も各地域の動向を注視しつつ,可能な方策を検討していくとした。