第3回地区庶務担当理事連絡協議会(令和4年6月22日開催)

△報告ならびに協議事項

1.次期感染症サーベイランスシステムの更改について
 京都府では,従来,医療機関で感染症法上の届出対象疾病を診断した場合は,医療機関からFAXで保健所に報告し,保健所が「NESID」というシステムで国に報告していたが,本年10月より新システムが運用開始されることを報告した。
 同システムは「NESID」と「HER-SYS」の機能を併せ持ち,保健所を介さず医療機関から直接,同システムに入力することで国に報告ができる仕組みであり,今後の新興感染症の流行に備えることが主な目的であるとした。
 また,システム運用開始に向けたネットワーク疎通確認への協力を呼びかけ,京都市では,特に全数報告が多い20か所の医療機関に対して個別に協力が依頼される予定であるとした。
 最後に,まだ未確定な部分が多いため,新たな情報が入り次第,情報提供する意向を示した。

2.最近の中央情勢について
 5月下旬から6月中旬にかけての社会・医療保険状況について,◆財務省の財政制度等審議会は今夏の2023年度予算概算要求などを見据えた「春の建議」をまとめ,岡本三成財務副大臣に提出。◆厚生労働省は,オンライン資格確認システムを導入した医療機関・薬局では,2024年度末(25年3月末)までにほぼすべての店舗・施設で電子処方箋が扱える環境を整えていく考えを示した。◆日医は,財務省の財政制度等審議会が取りまとめた「春の建議」について,特に▽かかりつけ医の法制化▽給付費の伸びと経済成長率の整合性▽医療法人の事業報告書の電子開示▽リフィル処方箋―の4点に「大きな問題がある」として見解を発表した。◆中医協・診療報酬基本問題小委員会は,看護の処遇改善を巡る点数設計について,対象とする基本診療料項目を「入院料」と「初再診料および入院料」とした上で,「医療機関ごとの必要額」と「収入見込み額」の乖離の少ない2つのモデルを中心に検討を進める方向性を確認した。◆中川俊男日医会長は会見で,「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針2022)」等に対し,オンライン資格確認の原則義務化自体には理解を示した一方で,来年4月からの原則義務化はスケジュール的に難しいとの見解を示し,「医療現場や国民が混乱しないよう,導入・維持への十分な財政支援や,丁寧な周知や広報による国民,医療機関双方の理解の醸成を求める」と述べた。―といった話題を中心に説明した。

~質疑応答~

◇地区より「オンライン資格の原則義務化について,7月に行われる参議院選挙の結果によって,撤廃されることはないのか」と質問が出された。

 府医からは,マイナンバーカードの普及率が十分ではなく,国民全員がマイナンバーカードを取得したとしても,保険証機能を付加するとは限らず現実的ではない状況ではあるが,決定事項であるため覆ることはないと回答した。

◇地区より「オンライン資格確認の原則義務化や電子処方箋の導入など規制改革推進会議からの要望で改正される流れは変えようがないという印象を受けている」との意見が出された。

 国を挙げてデジタルトランスフォーメーションに取組んでおり,電子化の流れを止めることは困難であるとの見解を示した。その一方で,オンライン診療はあくまでも対面診療の補完であり,オンライン診療を前提とした社会になるような事態は避けるべきだとして警鐘を鳴らした。

3.学術講演会の今後の予定について
 7月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。

4.第48回京都医学会演題募集について
 標記学会について,改めて一般演題への応募を呼びかけた。

5.府医代議員・予備代議員の補欠選挙について
 府医代議員・予備代議員を変更する場合は,補欠選挙が必要となるため,府医事務局・総務課へ連絡するよう依頼した。併せて,地区選挙管理委員・予備選挙管理委員が交替する場合も同様に連絡するよう依頼した。

△地区からの協議事項

1.研修医の医師会入退会について(福知山)
 研修医会員の研修修了時の速やかな異動・退会届の提出や,継続して勤務医としての入会につなげる取組みなど,各地区での対応について意見交換が行われた。
 研修医の入会手続きは,手続き簡素化のため府医のWebフォームにて入会登録を行っており,入会希望者を取りまとめた一覧表を地区にフィードバックし,地区の承認を得た後,府医にて入会手続きを行っていることを再確認した。
 その後,研修医に対する勉強会の開催等,地区における取組みが紹介されるとともに,病院との連携の重要性が指摘され,病院勤務の医師を役員に加えるなどして,工夫していく必要があるとの意見が出された。
 府医としても,今後,若手医師との交流を増やし,府医に残ってもらえるよう尽力していく意向を示した。

2022年8月1日号TOP