保険医療部通信(第362報) – 令和4年4月診療報酬改定について

令和4年4月診療報酬改定に関する「Q&A」(その8)

◇厚生労働省疑義解釈資料(その19/7月26日付)

〔外来感染対策向上加算,感染対策向上加算〕

Q1 「A234-2」の「1」の感染対策向上加算1の施設基準において,「保健所及び地域の医師会と連携し,感染対策向上加算2又は3に係る届出を行った医療機関と合同で,少なくとも年4回程度」カンファレンスを行うこととされているが,
① 保健所及び地域の医師会のいずれか又は両方が参加していない場合であっても,当該カンファレンスに該当するか。
② 保健所や地域の医師会が主催するカンファレンスに参加することをもって,当該要件を満たすものとすることは可能か。

A1 それぞれ以下のとおり。
① 該当しない。ただし,やむを得ない理由により参加できなかった場合であって,参加に代えて,後日書面等によりカンファレンスの内容を共有している場合は,該当する。
② 不可。感染対策向上加算1の届出を行った医療機関が開催する場合にのみ当該要件に該当するものである。なお,当該カンファレンスについて,感染対策向上加算1の届出を行った医療機関が,保健所や地域の医師会と共催した場合は可能。

Q2 「A234-2」の「1」の感染対策向上加算1の施設基準における,「保健所及び地域の医師会と連携し,感染対策向上加算2又は3に係る届出を行った医療機関と合同で,少なくとも年4回程度,定期的に院内感染対策に関するカンファレンス」について,具体的にどのような内容であればよいか。

A2 カンファレンスの内容については,参加する保健所,地域の医師会,感染対策向上加算2又は3に係る届出を行った医療機関との協議により決定して差し支えない。
 なお,例えば,令和4年度地域保健総合推進事業「院内感染対策ネットワークと保健所の連携推進事業」による「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集について―中間報告―」(令和4年6月)(※)事例2において,以下の項目が掲げられていること等を参照されたい。
・参加医療機関の感染対策にかかる情報共有
・参加医療機関が,感染対策で困っていることや工夫していることを発表し,意見交換しながら改善策について検討
・参加医療機関の相互ラウンドを行い,感染対策の共有や改善について検討

(※)「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集について―中間報告―」(令和4年6月)
http://www.phcd.jp/02/kenkyu/chiikihoken/html/2022.html

Q3 「A234-2」の「1」の感染対策向上加算1の施設基準において,「感染対策向上加算2,感染対策向上加算3又は外来感染対策向上加算に係る届出を行った他の医療機関に対し,必要時に院内感染対策に関する助言を行う体制を有すること。」とされているが,具体的にどのような体制であればよいのか。

A3 感染対策向上加算2,感染対策向上加算3又は外来感染対策向上加算に係る届出を行った他の医療機関から院内感染対策に関する助言を求められた場合に助言を行うことができるよう,連絡先の共有等を行うこと。
 なお,助言内容については,例えば,令和4年度地域保健総合推進事業「院内感染対策ネットワークと保健所の連携推進事業」による「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集について―中間報告―」(令和4年6月)事例2,事例4,事例5に掲げられる以下の項目等を参照されたい。
・多剤耐性菌が発生した医療機関に対し,ラウンドや指導を実施
・新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生しやすいと考えられる医療機関等への事前の臨地指導
・新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した医療機関に対し,感染拡大防止に関する専門的な臨地指導,助言等を実施
・薬剤耐性菌対策に関する臨地指導,院内研修会開催

Q4 外来感染対策向上加算及び「A234-2」感染対策向上加算の施設基準において,「新興感染症の発生等を想定した訓練については少なくとも年1回以上参加していること」における当該訓練については,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日)別添1問27が示されたが,他にどのようなものが考えられるか。

A4 「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日)別添1問27で示しているとおり,新興感染症患者等を受け入れることを想定した基本的な感染症対策に係るものであり,参加医療機関の感染症対策等の状況も踏まえて決定することが望ましい。
 なお,令和4年度地域保健総合推進事業「院内感染対策ネットワークと保健所の連携推進事業」による「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集について―中間報告―」(令和4年6月)事例5において,対象者のレベルや役割に応じて,基本知識の習得や感染症病棟での実地訓練が実施されていることが掲げられていることを参照されたい。

〔外来腫瘍化学療法診療料〕

Q5 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料について,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問157において,「「専任の医師,看護師又は薬剤師が院内に常時1人以上配置され,本診療料を算定している患者から電話等による緊急の相談等に24時間対応できる連絡体制が整備されていること」における常時とは,24時間」と示されたが,診療所であって,令和4年9月30日までの間に体制を整備することが困難な場合については,どのように考えればよいか。

A5 令和4年3月31日時点で外来化学療法加算1又は2の届出を行っている診療所については,やむを得ない理由等により院内に常時1人以上配置することが困難な場合であって,電話等による緊急の相談等に医師,看護師又は薬剤師が24時間対応できる連絡体制が整備され,患者に周知している場合においては,令和6年3月31日までの間に限り,外来腫瘍化学療法診療料2を届け出てもよいものとする。
 なお,その場合においては,令和4年10月1日以降の算定に当たり,別添2の様式39を用いて届出を行う必要があり,その際,院内に常時1人以上配置することが困難な理由を添えること。

〔特定行為に係る看護師の研修制度〕

Q6 「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問87等において,施設基準で求める看護師の研修として「特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる領域別パッケージ研修」のいずれかが該当するとされているが,当該パッケージ研修に含まれる特定行為区分の研修をすべて修了している場合は,当該要件を満たしているとみなして差し支えないか。

A6 差し支えない。

〔発達及び知能検査〕

Q7 「D283」発達及び知能検査「3」操作と処理が極めて複雑なものについて,WISC-V知能検査は含まれるか。

A7 含まれる。

〔導入期加算(人工腎臓)〕

Q8 「J038」人工腎臓の注2に規定する導入期加算2及び3の施設基準について,それぞれ「導入期加算3を算定している施設が実施する腎代替療法に係る研修を定期的に受講していること」,「導入期加算1又は2を算定している施設と連携して,腎代替療法に係る研修を実施」とあるが,「腎代替療法に係る研修」とは,どのようなものが該当するか。

A8 次の要件を満たすものが該当する。
(イ) 導入期加算3を算定している施設が主催する研修であること。
(ロ) 当該研修を実施又は受講する各施設に配置されている「腎代替療法に係る所定の研修を修了した者」が参加していること。
(ハ) 在宅血液透析,腹膜透析及び腎移植に関する基礎知識,腎代替療法の特性に応じた情報提供,腎代替療法に係る意思決定支援等の内容が含まれる研修であること。

〔鏡視下咽頭悪性腫瘍手術,鏡視下喉頭悪性腫瘍手術〕

Q9 「K374-2」鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む。)(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)及び「K394-2」鏡視下喉頭悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)の施設基準における「関連学会と連携」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A9 現時点では,日本頭頸部外科学会のデータベースである「咽喉頭癌に対するロボット支援手術症例レジストリ」に症例登録することを指す。

訪問看護療養費関係

〔訪問看護情報提供療養費〕

Q1 訪問看護情報提供療養費3について,入院又は入所前に指定訪問看護が行われた日の属する月と医療機関に指定訪問看護に係る情報を提供した月が異なる場合,情報を提供した月に当該療養費のみを算定して差し支えないか。

A1 差し支えない。なお,この場合においては,訪問看護療養費明細書の「備考」欄に入院又は入所前の最後に指定訪問看護を行った日付を記載すること。

〔訪問看護ターミナル療養費〕

Q2 訪問看護ターミナル療養費を算定する利用者について,指定訪問看護が最後に行われた日の属する月と死亡月が異なる場合,死亡月に当該療養費のみを算定して差し支えないか。

A2 差し支えない。なお,この場合においては,訪問看護療養費明細書の「備考」欄に死亡日及び死亡前14日以内に指定訪問看護を行った日付を2日分記載すること。

2022年8月15日号TOP