保険医療部通信(第351報) – 令和4年度診療報酬改定の論点<その3>

 令和4年度診療報酬改定率については,既報のとおり昨年12月22日に決定し,本体はプラス0.43%を確保したが,看護の処遇改善や不妊治療の保険適用などを除くとプラス0.23%となった。また,リフィル処方箋の導入のほか,7対1入院基本料の評価の適正化やかかりつけ医機能に係る評価の見直し,湿布薬の処方の適正化なども中医協で引続き議論することが明記された。
 改定率決定を受けて,中医協では基本方針も踏まえた具体的な点数配分の議論が行われているところである。
 昨年末までの議論では,かかりつけ医機能の評価をめぐり機能強化加算が焦点となり,支払い側が地域包括診療加算などの算定実績や患者への情報提供の強化を求めたのに対し,城守日医常任理事(府医顧問)は拙速な要件見直しの議論を牽制し,すべての患者に情報提供することは物理的に不可能なことを強調した。また,医療機関における感染症対策への評価を強く要望し,現在入院医療の点数にある感染防止対策加算について,その要件などを見直し,診療所も含めより多くの医療機関で算定できるよう提案した。
 入院医療では,支払い側が重症度,医療・看護必要度の項目の見直しなどに強く固執しており,厚労省からシミュレーションなどが示され今後具体的な議論がされる予定である。
 その他,リフィル処方箋の取り扱いやオンライン診療料の点数や要件の見直しなど,2月の答申に向けてその議論に注目が集まる(1月8日時点)。
 本号では,12月1日号保険医療部通信「令和4年度診療報酬改定の論点<その2>」の続報として,11月中旬以降の改定関連情報について,主に中医協総会の議論,特に城守日医常任理事の発言に注目しながら論点を整理し,お知らせする。

2022年2月1日号TOP