2022年7月15日号
令和4年4月診療報酬改定に関する「Q&A」(その6)
◇厚生労働省疑義解釈資料(その14・15/6月22日・29日付)
〔感染対策向上加算〕
Q1 「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準において,感染制御チームにより,保健所及び地域の医師会と連携し,感染対策向上加算2又は3に係る届出を行った医療機関と合同で,少なくとも年4回程度,定期的に院内感染対策に関するカンファレンスを行うこととされているが,当該カンファレンスには,感染制御チームの構成員全員が参加する必要があるか。
また,「A234-2」の「2」感染対策向上加算2及び「3」感染対策向上加算3の施設基準において,感染制御チームは,少なくとも年4回程度,感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加していることとされているが,当該カンファレンスには,感染制御チームの構成員全員が参加する必要があるか。
A1 原則として,感染制御チームを構成する各職種(例えば,感染対策向上加算1については,医師,看護師,薬剤師,臨床検査技師)について,少なくともそれぞれ1名ずつ参加すること。
〔外来感染対策向上加算〕
Q2 「A000」初診料の注11及び「A001」再診料の注15に規定する外来感染対策向上加算の施設基準において,「感染対策向上加算1に係る届出を行った複数の医療機関と連携する場合は,当該複数の医療機関が開催するカンファレンスに,それぞれ少なくとも年1回参加し,合わせて年2回以上参加していること」とされているが,やむを得ない理由により,一部の医療機関のカンファレンスに参加できなかった場合,どのように考えればよいか。
A2 感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会のカンファレンスに合わせて年2回以上参加していればよい。なお,翌年には,参加できなかった医療機関のカンファレンスに参加することが望ましい。
〔地域包括診療加算,地域包括診療料〕
Q3 「A001」再診料の注12に規定する地域包括診療加算及び「B001-2-9」地域包括診療料の施設基準における「慢性疾患の指導に係る適切な研修」については,
・「疑義解釈資料の送付について(その8)」(平成26年7月10日事務連絡)別添1の問7において,「原則として,e-ラーニングによる研修の受講は認めない」とされており,
・「疑義解釈資料の送付について(その5)」(平成30年7月10日事務連絡)別添1の問4において,「2年毎の研修修了に関する届出を2回以上行った医師については,それ以後の「2年間で通算20時間以上の研修」の履修については,日本医師会生涯教育制度においては,カリキュラムコードとして29認知能の障害,74高血圧症,75脂質異常症,76糖尿病の4つの研修についても,当該コンテンツがあるものについては,e-ラーニングによる単位取得でも差し支えない」とされているが,
「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問257を踏まえ,これらの4つのカリキュラムコードを含め,当該研修についてはe-ラーニングにより受講してもよいか。
A3 差し支えない。なお,e-ラーニングにより受講する場合は「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問257の記載事項に留意すること。
〔急性期充実体制加算〕
Q4 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準において求める「入院患者の病状の急変の兆候を捉えて対応する体制」に係る「所定の研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。
A4 現時点では,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問59でお示ししているものに加えて,日本内科学会「JMECC(日本内科学会認定救急・ICLS講習会)~RRS対応」が該当する。
〔医師事務作業補助体制加算〕
Q5 「A207-2」医師事務作業補助体制加算1の施設基準における「当該医療機関において3年以上の医師事務作業補助者としての勤務経験を有する医師事務作業補助者が,それぞれの配置区分ごとに5割以上配置されていること」について,
① 他の医療機関において勤務した期間を除いた通算勤務期間が3年以上である場合,「当該医療機関における3年以上の勤務経験」としてよいか。
② 当該医療機関が医師事務作業補助体制加算に係る届出を行っていない間に医師事務作業補助者として勤務した期間を,勤務経験に含めてよいか。
A5 それぞれ以下のとおり。
① 差し支えない。
② 差し支えない。
〔報告書管理体制加算〕
Q6 「A234-5」報告書管理体制加算について,「入院中に第4部画像診断又は第13部病理診断に掲げる診療料を算定したものについて,退院時1回に限り,所定点数に加算する」こととされているが,第4部画像診断又は第13部病理診断の費用が包括されている入院料等を算定する患者についても,画像診断又は病理診断を実施し,その他の要件を満たす場合には,当該加算を算定可能か。
A6 算定可能。
〔一般病棟用の重症度,医療・看護必要度〕
Q7 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度に係る基準を満たす患者の割合について,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問39において,「令和4年10月1日に届出を行うには,経過措置が令和4年9月30日までの入院料等については遅くとも令和4年7月1日から,令和4年度診療報酬改定後の評価票を用いた評価を行う必要がある」ことが示されたが,「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その26)」(令和2年8月31日事務連絡)の2.(2)に基づき,実績を求める対象とする期間について令和4年3月以前の期間を含める場合,どのように考えればよいか。
A7 令和4年3月以前の期間についても,令和4年度診療報酬改定後の評価票を用いた評価を行う必要がある。
〔特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度〕
Q8 特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度に係る基準を満たす患者の割合について,令和4年9月30日までの経過措置が設けられている入院料(※)については,令和4年度診療報酬改定後の評価票を用いた評価をいつから行う必要があるか。
(※) 救命救急入院料2,救命救急入院料4
特定集中治療室管理料1,特定集中治療室管理料2,特定集中治療室管理料3,特定集中治療室管理料4
A8 令和4年10月1日に届出を行うには,経過措置が令和4年9月30日までの入院料については遅くとも令和4年9月1日から,令和4年度診療報酬改定後の評価票を用いた評価を行う必要がある。
〔外来腫瘍化学療法診療料〕
Q9 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料における「抗悪性腫瘍剤」とは,具体的には何を指すのか。
A9 薬効分類上の腫瘍用薬を指す。
〔バイオ後続品導入初期加算〕
Q10 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料の注7に規定するバイオ後続品導入初期加算について,外来腫瘍化学療法診療料の「1」の「ロ」又は「2」の「ロ」を算定する場合であって,抗悪性腫瘍剤以外の薬剤についてバイオ後続品を使用したときは,当該加算を算定できるか。
A10 算定できる。
〔こころの連携指導料(Ⅰ)〕
Q11 「B005-12」こころの連携指導料(Ⅰ)の施設基準において求める医師の「自殺対策等に関する適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。
A11 現時点では,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日事務連絡)別添1の問162でお示ししているものに加えて,厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センターが主催する「自殺未遂者ケア研修(かかりつけ医版)」が該当する。
〔下肢創傷処置〕
Q12 「J000-2」下肢創傷処置について,足趾の浅い潰瘍についてはどのように算定すればよいか。
A12 「1 足部(踵を除く。)の浅い潰瘍135点」を算定する。
Q13 「J000-2」下肢創傷処置については,留意事項通知において,「下肢創傷処置の対象となる部位は,足部,足趾又は踵」であるとされているが,ここでいう「足部」とは具体的にどの部位を指すか。
A13 足関節以遠の部位(足趾又は踵を除く。)及びアキレス腱を指す。
不妊治療関係
〔不妊治療に係る検査〕
Q1 不妊治療において,卵胞の発育状況の確認や子宮内膜の観察を目的として超音波検査を実施した場合,当該検査に係る費用は,保険診療として請求可能か。
A1 医師の医学的判断により超音波検査を実施した場合については,保険診療として請求可能。
〔一般不妊治療管理料,生殖補助医療管理料〕
Q2 初診日又は初診日の同月内(以下「初診時」という。)に行った指導の費用は初診料に含まれ,一般不妊治療管理料及び生殖補助医療管理料は算定できないこととされているが,初診時に,
① 治療計画を作成した場合
② ①に加えて,採卵を実施した場合
においては,これらの管理料の算定についてどのように考えればよいか。
A2 それぞれ以下のとおり。
① 初診時に治療計画を作成した場合であっても,初診時にこれらの管理料は算定できないが,当該治療計画については,翌月以降,これらの管理料の算定要件に係る治療計画として取り扱って差し支えない。
② 「K890-4」採卵術を算定できるが,初診時には生殖補助医療管理料の算定は出来ない。
〔医薬品〕
Q3 不妊治療の保険適用に当たり,不妊治療に係る効能効果が追加された先発医薬品及び薬事・食品衛生審議会において公知申請の事前評価が終了し保険適用の対象とされた先発医薬品が存在する。それらの後発医薬品について,先発医薬品と効能効果に違いがある場合の取扱いについては,「先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品の取扱い等について(依頼)」(平成28年6月1日付け厚生労働省保険局医療課事務連絡)を踏まえ,審査支払機関において,一律に査定が行われるのではなく,個々の症例に応じた医学的判断により診療報酬請求の審査が行われるのか。
A3 貴見のとおり。