2022年6月15日号
国立病院機構 舞鶴医療センター 眼科部長
酒井 克之
府医の皆様,初めまして。昨年より勤務医部会の幹事を仰せつかりました酒井といいます。突然院長先生より指名されたときは,医師会のことなど全く分からず大変戸惑いました。しかし初めてのことに飛び込んでこそ知ることもあると,微力ながらお手伝いをさせていただいております。
府医へは何度かオンラインで勤務医部会に参加させていただいた後に,この京都医報への執筆を依頼されました。勤務医通信の内容は自由に書いてください,とのことでしたので雑感を書きたいと思います。
2020年以降はどこでもそうだと思いますが,ただひたすらコロナ対応でした。現場でのサージカルマスク不足から始まり,飲食をともなう懇親会の消滅,熱発患者への外来対応,院内各部門の当番制による病院玄関での検温などはもう懐かしささえ感じます。玄関にサーマルカメラが配置された頃には,もう大分とコロナが日常になりつつあった頃でしょうか。
眼科の全国学会や地区医の学術講演会も2020年の前半は会の開催自体がほとんどなくなりました。しかし後半から2021年にかけてはオンライン配信システムを使用した非対面の講演会が再開されはじめました。その後は現地で集合して会合を行い,それを同時もしくは後日にオンライン配信するというハイブリッド開催方式が行われるようになり,最近ではこの方式がほぼ主流となっている感があります。私はこのようにハイブリッドで学会・講演会が開催されることを大変歓迎しています。
舞鶴市は鉄道や高速道路が整備されており,陸の孤島と言われるような僻地ではありません。それでも京都市内に出るのに2時間,東京なら半日以上かかってしまいます。自宅や院内のパソコンから気軽に学会や講演会にアクセスできることは,一度体験してしまうともう戻れない便利さです。そして時間の余裕があるときには現地参加で直接同業者に会い,立ち話で手術や診療の雑談をする(臨床医はそういうTipsが日々の診療に役立ったりすることがありますよね),そのどちらかを自分で選択できることは大変贅沢なことです。今後もハイブリッド開催を継続してほしいし,コロナ禍が終息しても学会や講演会はそうあってほしいと考えています。
ハイブリッド開催方式はコロナ禍がなければおそらく2022年には主流とはなっておらず,もっと先の時代に導入されるものであったと思います。コロナによって図らずも時代を先取りした感じでしょうか。
コロナ対応は我々医療者を散々に痛めつけました。これだけだと後で振り返ってみると「あの頃はしんどかったねぇ,辛かったねぇ」で終わってしまいます。まさに“やられ損”です。しかしやられてばかりではなく,これからコロナ禍でも何かプラスになることが出てくるのを期待するのは楽観的に過ぎるでしょうか。
最後になりましたが医師会に参加してまだ1年足らずの若輩者のため行き届かない点もあるかと存じますが,精一杯努めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
Information
病院名 国立病院機構 舞鶴医療センター
住 所 京都府舞鶴市字行永2410番地
電話番号 0773-62-2680
ホームページ https://maizuru.hosp.go.jp/