「令和3年度 研修医ワークショップ in Kyoto」をZoom開催

 府医では,例年,研修医,若手勤務医を対象とした研修会,勉強会を目玉事業に位置付け,里親精神でサポートに努めている。
 ただ,新型コロナウイルス感染症の蔓延から,軒並みWEB会議システムを活用しての開催を余儀なくされており,制限されながらの研鑽の場の提供にとどまっている。その一方,WEB開催の恩恵という側面も間違いなく存在する。参加者やタスクフォースは自宅や所属先からPC1台で参加することが可能であり,移動時間,交通費の削減につながるほか,交通事情,天候についても配慮する必要がないことだ。
 今般,そのWEB会議システム「Zoom」を使用して,府医の研修医事業の柱の1つである「研修医ワークショップ in Kyoto」を2月6日(日)に開催。9名のタスクフォース,21名の研修医の参加を得てワークショップが展開された。
 会の前段部分では「救急診療Tips」として,府医の若手医師ワーキンググループが中心となり,「神経診察」,「主訴を考える」,「橈骨動脈穿刺」,「産婦人科へのコンサルト」,「いらいらする患者への向き合い方」の5つのテーマについて,現場で役に立つTipsが提供された。
 災害医療シミュレーションは加藤陽一氏をチーフタスクフォースとして実施。今回も前回に引続き熊本からWEBで指導いただく形となった。「Zoom」のブレイクアウトセッションを使用し,異なる病院の研修医3~4名からなる6つのチームでグループワークを展開。さらに「Google Jamboard」を使用して,参加者が議論しながらプロダクトを作成,共有できるシステムを構築し,トリアージをはじめとする各プログラムに挑んだ。
 アンケートからは,非常に好評が得られたことがわかり,参加研修医にとって知識の幅を広げられた1日となったと思われる。この結果を踏まえ,府医で構築したWEB研修会のシステムは,コロナ禍には有効な開催形態であることがわかった。また,この方法を用いれば,より遠隔地からの参加も期待できることから,京都の研修医事業を全国的に知ってもらえるチャンスになり得る。
 この府医の特徴がちりばめられた研修医事業の企画をより一層ブラッシュアップし,次年度以降の開催に活かしていければと考える。

【タスクフォース】
 加藤 陽一  熊本赤十字病院
 武部弘太郎  京都府立医科大学附属北部医療センター
 大阿久達郎  京丹後市立久美浜病院
 杉本  健  京都第二赤十字病院
 岡田 麻美  京都第二赤十字病院
 吉田 常恭  京都大学大学院医学研究科
 福永 大幹  京都第二赤十字病院
 谷村 真依  京都第二赤十字病院
 大江  熙  京都府立医科大学

(敬称略)

2022年3月15日号TOP