2022年5月15日号
令和4年4月2日(土),新年度を迎え府医では令和4年に研修医となる医師を対象に「新研修医総合オリエンテーション」をオンライン形式で開催し,20病院,178名の参加を得た。
この新研修医総合オリエンテーションは,府医の研修医事業の柱の1つであり,毎年4月から京都府内の臨床研修指定病院で初期研修を受ける新研修医を対象に,臨床研修指定病院では十分に対応できない分野や府医独自のオリエンテーションプログラムを提供することで,研修医が身につけるべき最低限の知識の均一化を図るとともに,研修医同士の「ヨコ」のつながりを深めることを目的として開催している。
一昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止を余儀なくされたものの,昨年より,オンライン形態で開催し,好評を得ている。
冒頭,松井府医会長があいさつに立ち,新型コロナウイルス感染症が蔓延する厳しい状況の中,国家試験に合格し,晴れて医師となったことに祝意を示した上で,京都府全体で良医を育てることが府医の理念であることを説明し,参加研修医に対して手厚いサポートの提供を約束した。
また,このオリエンテーションの目的を,これからの臨床の現場で必要な知識や教養の習得と京都府で働く研修医同士の連携の強化・向上であるとし,府医の研修医事業を通じて,スキルアップ・レベルアップ・ネットワーク作りに活用してほしいと呼びかけた。
今回も,昨年同様,新型コロナウイルス感染拡大を防止するために,例年のオンサイト開催とは一線を画したオンラインならではの,グループワークを主軸としたプログラムを組み立てた。オンラインでのグループワークの企画・運営は,京都府立医科大学の松原慎氏が担当。グループワークは,全32グループ,1グループあたり5~6名で構成し,全グループ同時進行で積み木式の自己紹介,複数のテーマに沿ったディスカッションを行った。勤務先の異なる者同士でグループを組むことで,今後の臨床研修プログラムを消化する中で必要な“はじめましての人”(患者,ローテート先の上司,先輩,コメディカルなど)とのコミュニケーションの取り方を学んだ。
このほか,KMCC(Kyoto Medical Career support Center)京都府地域医療支援センターから,京都の研修に対する強固なサポート体制が示されるとともに,動画を用いて,医師会が提供する医師賠償責任保険加入を例に医師としての心構えが示された。
このほか,臨床研修屋根瓦塾KYOTOの短編動画を上映するなど,府医が取組んでいるユニークな研修医向け事業についてや,病院の規模,研修医の数の枠を超えて交流が図れる企画であることを紹介するとともに,研修医に対して改めて「スキルアップ」,「レベルアップ」,「ネットワークづくり」の重要性を強調した。