2022年5月15日号
担当理事 角水 正道
消化器がん検診委員会では,胃がん検診(胃透視・胃内視鏡・胃がんリスク層別化検診)および大腸がん検診について,偶数月第3金曜日午後2時10分より,喧々諤々,議論を重ねております。そんな中,最近のトピックについてご紹介します。
1.消化器がん検診の新規認定が通年化しました。
「京都市胃がん検診(胃透視)」・「大腸がん検診の二次精密検査実施医療機関」・「京都市内視鏡検診実施医療機関」・「京都市内視鏡検診(一般二次)二次読影医」の認定は従来,年度末に一斉に行われていました。そのため,新規開業した医療機関が検診に参加しようと思っても,申請時期の関係で年度末までお待ちいただく状況でした。これからは,初回の認定申請を通年で受け付けます。可及的速やかに認定判断をしますので,是非是非,検診参加をご検討ください。お待ちしております。
なお,更新認定は従来どおり(5年に1回)年度末に行います。
2.大腸がん検診の精検結果報告票を鋭意改訂中です。
従来の京都市精検結果報告票は,特に大腸ポリープ・大腸がんについて詳細な記載を求めておりましたが,このうちの少なくない項目が,精度管理における統計処理に反映していないことが判明しました。委員会としては,精度管理として国が求める項目を網羅しつつ,必要な項目について十分検討し,令和4年度中の改訂を目指します。
3.胃内視鏡検診の広域化に向け準備中です。
現在,京都市が用いる対策型内視鏡検診クラウドサービスASSISTAは,国が求める統計処理だけでなく,胃がん症例・要再検査症例の抽出や,画像点検で問題の多い項目を研修に生かすなど精度管理への応用が期待できます。このASSISTAはクラウド型なので例えば広域の精度管理を消化器がん検診委員会で京都府と連携して担うことも可能です。さらに検診の制度設計や費用等につきましても京都府が主催するワーキングで現実性を持って検討が重ねられています。各地区におかれましては内視鏡検診の実施を是非前向きにご検討いただければ幸いです。
その他,①内視鏡検診の基準画像について,②スキルアップに向けての研修の方法(消化器医会との連携),③大腸がん検診の受診率・精検受診率向上への対策,④胃がんリスク層別化検診の今後,⑤胃がん検診が内視鏡に移行しつつある中での胃透視の読影体制について,など,議論が伯仲し予定の1時間半で収まりきらないこともままあります。
委員会の中だけでの話し合いにならぬよう,会員の皆さんや府民全体を思い浮かべながら委員会を進めてまいりたいと考えておりますので,どしどしご意見いただければ幸いです。