2022年10月1日号
10月1日より新設される医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,厚労省より算定に係る通知および必要とされる問診票の項目,さらにQ&Aが示されましたのでお知らせします。本加算について,施設基準は設けられていますが,基準を満たしていれば,近畿厚生局に届け出る必要はございません。
また,医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する医療機関においては,初診時等に用いる問診票について,留意事項通知の「(別紙様式54)初診時の標準的な問診票の項目等」を参考にすることとなりますが,文言等については,同様の内容が含まれていれば良く,さらに,
いずれの方法であっても問題ありません。
なお,電子的保健医療情報活用加算は9月末で廃止されます。
1.算定に係る通知
ア (初診料の)「注15」に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算は,オンライン資格確認の導入の原則義務化を踏まえ,オンライン資格確認を導入している医療機関の外来において,初診時に患者の薬剤情報や特定健診情報等の診療情報を活用して質の高い診療を実施する体制を評価するものであり,別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合に,医療情報・システム基盤整備体制充実加算1として,月1回に限り4点を算定する。
ただし,健康保険法(大正11年法律第70号)第3条第13項に規定する電子資格確認により当該患者に係る診療情報を取得等した場合又は他の医療機関から当該患者に係る診療情報の提供を受けた場合は,医療情報・システム基盤整備体制充実加算2として,月1回に限り2点を算定する。
イ 医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する医療機関においては,以下の事項について院内及びホームページ等に掲示し,必要に応じて患者に対して説明する。
(イ)オンライン資格確認を行う体制を有していること。
(ロ)当該医療機関を受診した患者に対し,受診歴,薬剤情報,特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行うこと。
ウ 初診時の標準的な問診票の項目は別紙様式54に定めるとおりであり,医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する医療機関は,患者に対する初診時問診票の項目について,別紙様式54を参考とする。
2.施設基準(届出は不要)
(1)電子情報処理組織を使用した診療報酬請求(オンライン請求)を行っていること。
(2)健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認(以下「オンライン資格確認」という)を行う体制を有していること。なお,オンライン資格確認の導入に際しては,医療機関等向けポータルサイトにおいて,運用開始日の登録を行うこと。
(3)次に掲げる事項について,当該医療機関の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること。
ア オンライン資格確認を行う体制を有していること。
イ 当該医療機関を受診した患者に対し,受診歴,薬剤情報,特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行うこと。
<届出に関する事項>
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準に係る取扱いについては,当該基準を満たしていればよく,特に地方厚生(支)局長に対して,届出を行う必要はないこと。
3.(別紙様式54)初診時の標準的な問診票の項目等
医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する医療機関は,当該医療機関の受診患者に対する初診時問診票の項目について,以下を参考とすること。
なお,問診票の項目とは別に,以下の内容についても問診票等に記載すること。
4.疑義解釈その1(9月5日付)
問1 「A000」初診料の注15に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,その施設基準としてオンライン資格確認の運用開始日の登録を行うこととあるが,どのように登録すればよいか。
(答) 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000760048.pdf)を参照されたい。
問2 医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,オンライン資格確認を導入し,運用開始日の登録を行った上で,実際に運用を開始した日から算定可能となるのか。
(答) そのとおり。
問3 医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,オンライン資格確認等システムを通じて情報の取得を試みた結果,患者の診療情報が存在していなかった場合の算定は,どのようにすればよいか。
(答) 医療情報・システム基盤整備体制充実加算2を算定する。
問4 医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,患者が診療情報の取得に同意しなかった場合の算定は,どのようにすればよいか。また,患者の個人番号カードが破損等により利用できない場合や患者の個人番号カードの利用者証明用電子証明書が失効している場合の算定は,どのようにすればよいか。
(答) いずれの場合も,医療情報・システム基盤整備体制充実加算1を算定する。
問5 医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,施設基準を満たす医療機関の医師が情報通信機器を用いて初診を行う場合や往診で初診を行う場合は算定できるか。
(答) 算定できない。
問6 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準等において,「ホームページ等に掲示」することとされているが,具体的にはどのようなことを指すのか。
(答) 例えば,
・当該医療機関のホームページへの掲載
・自治体,地域医師会等のホームページ又は広報誌への掲載
・医療機能情報提供制度等への掲載 等が該当する。
問7 医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,別紙様式54を参考とした初診時問診票は,「A000」初診料を算定する初診において用いることでよいか。
(答) よい。その他小児科外来診療料,外来リハビリテーション診療料,外来放射線照射診療料,小児かかりつけ診療料及び外来腫瘍化学療法診療料を算定する診療においても,医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定するときには,別紙様式54を参考とした初診時問診票を用いること。
問8 医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,初診時問診票の項目について別紙様式54を参考とするとあるが,当該様式と同一の表現であることが必要か。また,当該様式にない項目を問診票に追加してもよいか。
(答) 別紙様式54は初診時の標準的な問診票(紙・タブレット等媒体を問わない。以下「問診票」という。)の項目等を定めたものであり,必ずしも当該様式と同一の表現であることを要さず,同様の内容が問診票に含まれていればよい。また,必要に応じて,当該様式にない項目を問診票に追加することも差し支えない。
なお,患者情報の取得の効率化の観点から,健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により情報を取得等した場合,当該方法で取得可能な情報については問診票の記載・入力を求めない等の配慮を行うこと。
問9 医療情報・システム基盤整備体制充実加算について,初診時問診票の項目について別紙様式54を参考とするとあるが,令和4年10月1日より新たな問診票を作成し使用する必要があるか。
(答) 必ずしも新たな問診票を作成することは要しないが,別紙様式54に示された問診票の項目等が,医療機関において既に使用している問診票に不足している場合は,不足している内容について別紙として作成し,既に使用している問診票とあわせて使用すること。