学術講演会における「確認問題」

京都消化器医会 オンラインセミナー
とき:8月20日(土)  ところ:WEB配信

「拡がる潰瘍性大腸炎治療の選択肢 -インテグリン阻害剤への期待-」
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 准教授 髙木 智久 氏

設問1 正しいものを一つ選択せよ。
① 本邦の潰瘍性大腸炎は約8割が初回発作型であり,比較的穏やかな臨床経過を辿る
② 寛解期の潰瘍性大腸炎患者の社会経済生産性は,健常人と同等である
③ 粘膜治癒を達成した潰瘍性大腸炎患者は再燃しない
④ 潰瘍性大腸炎の外科治療移行率は経年的に低減しつつある


解答1 ④

設問2 正しいものを一つ選択せよ。
① 新規インテグリン阻害剤Carotegrastは注射剤である
② 新規インテグリン阻害剤Carotegrastは免疫抑制療法の効果不十分症例が適応となる
③ 新規インテグリン阻害剤Carotegrastは進行性多巣性白質脳症の発症リスク低減を意識した投薬期間が設定されている
④ 本邦健常人のJCウイルス抗体陽性率は10%程度である

解答2 ③

第9回 禁煙外来講習会
とき:8月27日(土)  ところ:WEB配信

「禁煙外来 〜初心に返って〜 なぜ禁煙に取り組むのか」
沖縄大学学長 医師 山代  寛 氏

設問1 日本人が命を落とす原因の第1位は何か?

解答1 タバコ

設問2 DOHaD説とはなにか?

解答2 Developmental Origins of Health and Diseaseの略

解説2 「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは,胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定される」という概念。妊娠中の能動喫煙,受動喫煙との関連が指摘されている。

17th Stroke Oriented…研究会
とき:8月27日(土)  ところ:WEB配信

「血栓止血学からみる抗凝固療法」
金沢大学附属病院 病院臨床教授 朝倉 英策 氏

設問1 以下の中で,抗凝固療法の治療が不適切な疾患はどれか?
① 心房細動
② 門脈血栓症
③ 脳静脈洞血栓症
④ 閉塞性動脈硬化症
⑤ 静脈血栓塞栓症(VTE)

解答1 ④

解説1 血流の速い環境下の血栓症は,血小板活性化が主病態であるため抗凝固療法ではなく,抗血小板療法が有効である。

設問2 D-ダイマーが高値の多発性脳梗塞で疑うべき疾患は何か?

解答2 Trousseau症候群(トルソー症候群)

設問3 脳静脈洞血栓症をきたしうる疾患として,間違っているのはどれか?
① COVID-19
② von Willebrand病
③ 抗リン脂質抗体症候群
④ 先天性プロテインC欠乏症
⑤ ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)

解答3 ②

解説3 von Willebrand病は,粘膜出血(鼻出血,過多月経など)が見られる先天性出血性素因である。

2022年10月15日号TOP