2022年9月1日号
医薬品は,原則として承認された効能・効果および用法・用量を前提に保険適用されていますが,保険適用を迅速に行うことでドラッグ・ラグを解消する観点から,一定の条件を満たした医薬品については,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用を可能とする取り扱いが中医協総会にて了承されています。
今般,7月29日に開催された薬食審第二部会および8月4日に開催された薬食審第一部会において,それぞれ下記の品目についての事前評価が行われた結果,当該品目については公知申請を行っても差し支えないとの結論となりました。
これを受け,今後追加される予定の効能・効果についても7月29日および8月4日から保険適用が可能となりましたので,お知らせします。
▷7月29日から保険適用が可能となった医薬品
1.一般名:アセトアミノフェン
販売名:カロナール原末,カロナール細粒20%,カロナール細粒50%,カロナール錠200,カロナール錠300,カロナール錠500
会社名:あゆみ製薬株式会社
変更される予定の効能・効果(取消線部削除,下線部追加,関連する部分のみ抜粋):
1)下記の疾患並びに症状の鎮痛各種疾患及び症状における鎮痛頭痛,耳痛,症候性神経痛,腰痛症,筋肉痛,打撲痛,捻挫痛,月経痛,分娩後痛,がんによる疼痛,歯痛,歯科治療後の疼痛,変形性関節症
用法・用量(変更なし):
通常,成人にはアセトアミノフェンとして,1回300~1000mgを経口投与し,投与間隔は4~6時間以上とする。なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日総量として4000mgを限度とする。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
<参考>
アセトアミノフェンの効能・効果は,これまで各種疾患・症状名の記載が多岐にわたっていたところ,医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議における本品目の術後疼痛及び関節リウマチに関する要望に対する検討結果を踏まえ,本品目は国際的に標準的な鎮痛薬と位置づけられている点も考慮し,効能・効果は,個別の疾患名を列挙するのではなく「各種疾患及び症状における鎮痛」とすることが適切とされたものである。
▷8月4日から保険適用が可能となった医薬品
1.一般名:レベチラセタム
販売名:イーケプラ点滴静注500mg
会社名:ユーシービージャパン株式会社
追記される予定の効能・効果:
てんかん重積状態
追記される予定の効能・効果に関連する注意:
〈てんかん重積状態〉
・診療ガイドラインを参考とし,本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること。
追記される予定の用法・用量:
〈てんかん重積状態〉
成人の場合1回1000~3000mgを静脈内投与(投与速度は2~5mg/kg/分で静脈内投与する)するが,1日最大投与量は3000mgとする。
2.一般名:メピバカイン塩酸塩
販売名:スキャンドネストカートリッジ3%
会社名:日本歯科薬品株式会社
追記される予定の効能・効果(下線部追加):
歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔
用法・用量(変更なし):
通常,成人には1管1.8mL(メピバカイン塩酸塩として54mg)を使用する。
なお,年齢,麻酔領域,部位,組織,症状,体質により適宜増減するが,増量する場合には注意すること。
効能・効果に関連する注意(下線部追加):
1.浸潤麻酔においては,30分以内の処置に適用すること。
〔本剤は,血管収縮薬配合の局所麻酔剤と比較して作用時間が短い。〕