2022年9月15日号
令和5年4月からのオンライン資格確認原則義務化に向けて,オンライン資格確認に必要な顔認証付きカードリーダー(以下,「カードリーダー」という)をまだ申し込んでいないすべての医療機関に対して,厚生労働省から,早期のカードリーダー取得が依頼されているところです(現在紙レセプトでの請求が認められている医療機関は,オンライン資格確認導入の原則義務化の例外となります)。
これについて,日医より,まだカードリーダーの申し込みをされていない会員に,まずは早期に,お使いのレセコンや電子カルテ(以下,「既存の院内システム」という)のシステム事業者に,オンライン資格確認導入のための見積作成を依頼いただきたいとする旨等,下記内容についての周知依頼がありましたので,お知らせします。
記
各医療機関がオンライン資格確認導入のための見積を取得し,自らの医療機関の状況を把握いただくとともに,その際に判明した問題点を日本医師会の相談窓口にお寄せいただくことが,オンライン資格確認の導入促進,課題解決による医療機関の負担軽減,「やむを得ない場合」の対応要望などのために,大いに役立ちます。
オンライン資格確認は,院内に設置する「カードリーダーを繋いだパソコン(資格確認端末)」と,社会保険診療報酬支払基金(以下,支払基金)・国民健康保険中央会が運営するオンライン資格確認等システムをオンライン接続することで,患者の即時の保険資格確認という基本的な機能が利用できます。さらに,資格確認端末と既存の院内システムを連携することで,レセコンに患者の保険資格情報などを取り込むことや,患者同意の元に電子カルテで様々な医療情報を閲覧することができるようになり,システム導入のメリットを最大限享受できるようになります。
既存の院内システムとの連携については,それらの導入・保守を行っているシステム事業者に,対応作業を依頼いただくことになりますが,連携部分だけでなく,資格確認端末の手配や回線との接続設定なども含め,オンライン資格確認対応を一括してその事業者に発注いただくことになるケースが多いかと存じます。
カードリーダーは,5つのメーカーから機種がリリースされており,診療所は1台,病院は3台まで無償提供されますが,機種ごとに形状など,特徴に差があります。
基本的には,どの機種であっても,各社の既存の院内システムと連携できるようになっていますが,システム事業者によっては,より相性のいい機種を推奨することもあるようです。
これらを踏まえ,見積を依頼される際には,特に以下の点についてご確認をお願いいたします。
システム事業者への確認により,カードリーダーの機種が選定できましたら,是非早期に,医療機関等向けポータルサイトから,カードリーダーの申込をいただきたく,お願いいたします。
なお,ポータルサイトのアカウントが未登録の医療機関に対しては,支払基金から8月10日付けで「オンライン資格確認 医療機関等向けポータルサイトへのアカウント登録のご案内について」が郵送されておりますので,そちらをご参照の上,ポータルサイトのアカウント登録とカードリーダー申込をお願いいたします。
【オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係 医療機関等向けポータルサイト】
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/
補助金を受けるためには,令和4年12月末までにカードリーダーをお申し込みいただき,令和5年2月末までにシステム事業者と導入作業の契約を締結,同3月末までに運用開始いただく必要があります。
加えて,今回の原則義務化を受け,配送期間及び院内システム改修に必要な時間を踏まえ,従来,受注生産されてきたカードリーダーが事前生産されることとなり,ご希望の機種を入手いただくために,補助金要件よりも早いカードリーダー申込締切が提示されているところです。1機種は10月30日,4機種は11月30日が申込締切とされていますが,在庫がある限りは,締切以降でも申込可能とのことです。
見積取得の結果,「地域に業者が見つからない」,「見積額が補助金上限額より高い」,「保守料が高い」,「導入に時間がかかる」,「適切なネットワーク回線が見つからない」など,導入に障害がある場合は,日本医師会の相談窓口に情報をお寄せください。
いただいた情報を厚生労働省やオンライン資格確認推進協議会(日本医師会,日本歯科医師会,日本薬剤師会にて設立)と共有し,問題解決のための情報提供や業者への働きかけ等の支援を行ってまいります。
また,収集した問題点から,医療機関には責任のない「やむを得ない場合」をまとめ,中医協附帯意見の「令和4年末頃の導入の状況について点検を行い,地域医療に支障を生じる等,やむを得ない場合の必要な対応について,その期限も含め,検討を行う」際の根拠として活用させていただきます。
【日本医師会ホームページ・メンバーズルーム内オンライン資格確認相談窓口】
https://www.med.or.jp/japanese/members/info/jirei.html
オンライン資格確認の概要(原則義務化の内容,導入補助金,診療報酬上の加算など)や,カードリーダーの各機種の特徴などにつきましては,8月24日(水)に開催された「医療機関等向けオンライン説明会」の録画映像がYouTubeで配信中ですので,ご視聴ください。
三師会・厚生労働省合同開催 オンライン資格確認の原則義務化に向けた医療機関・薬局向けオンライン説明会(録画映像と資料)
視聴URL https://youtu.be/1H3mhnEd-U8
資料URL https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/about/docs/onshigimuka.pdf