2023年8月15日号
◎栗山 政憲(小児科医会) 〇長谷川 功(西陣) 河井 昌彦(京大)
松尾 敏(小児科医会) 松井 史裕(小児科医会) 嶋元 孝純(眼科医会)
中井 茂(耳鼻咽喉科医会) 大島 泉(京都市) 森本真梨子(京都府)
(敬称略,順不同,◎=委員長,○=副委員長)
担当副会長 谷口 洋子 / 担当理事 松田 義和・禹 満・細田 哲也
今期の乳幼児保健委員会は,諮問事項「乳幼児健診について」について鋭意協議し,答申をまとめ,6月8日(木)に栗山委員長から松井府医会長へ答申書を提出した。
協議にあたり,京都市や各市町村における乳幼児健診の実施状況,その現状と課題を洗い出した。大半の市町村において集団健診で実施されているが,コロナ禍で集合しての健診が実施できず,乳幼児の大事な時期に健診を受けることができない事態に陥った。京都市では一時期,個別健診に切り替えたが,莫大な費用がかかるため,1年足らずで中止となった。集団では会場に多職種が配置され,保護者はいろいろな職種にすぐに相談できる体制であるといったメリットもある一方,予防接種および一般診療の現場で地域の医療機関は常に保護者と関わっており,その際に乳幼児の発達発育を観察していることから,健診も当該医療機関で実施することは自然の流れと考えられるとしている。
また,令和4年度より京都府内全市町村で実施可能となった眼科屈折検査導入により,弱視や眼疾患の早期発見が期待され,新生児聴覚スクリーニングの実施により難聴を早期に発見し,早期に治療開始や保護者へのサポートができる体制が整ったとしている。
次元の異なる少子化対策の一環として,持続的で切れ目のない乳幼児健診が必要であり,健診機会を増やすための財政措置こそが優先されるべきであろうと提言している。