委員会だより – 地域ケア委員会 答申書

◎伊藤 照明(右京医師会)    ○関   透(下京西部医師会)    ○梅山  信(乙訓医師会)
 小原 章央(京都北医師会)    岡山 容子(中京東部医師会)     関沢 敏弘(下京西部医師会)
 田原 正夫(左京医師会)     北村 裕展(西京医師会)       守上 佳樹(西京医師会)
 若林 寛二(山科医師会)     髙安  聡(伏見医師会)       松田かがみ(宇治久世医師会)
 西垣 哲哉(福知山医師会)    安井 俊雄(北丹医師会)       梶  龍兒(京都府病院協会)
 久野 成人(京都私立病院協会)  藤澤 泉利(京都府訪問看護ステーション協議会)
 中吉 克則(京都府介護支援専門員会)

(敬称略,順不同,◎=委員長,○=副委員長)
担当副会長 谷口 洋子 / 担当理事 市田 哲郎・角水 正道・小柳津治樹

「Next Corona を見据えた有事,平時の地域医療・地域ケア」

 今期の地域ケア委員会は,諮問事項「Next Corona を見据えた有事,平時の地域医療・地域ケア」について鋭意協議し,答申をまとめ,6月8日(木)に伊藤委員長から松井府医会長へ答申書を提出した。
 新型コロナウイルス感染症により在宅医療・介護,病院,施設等の現場はどのような状況であったのか,どのように対応したのか・できなかったのか,それぞれの立場からの「現実」をご報告いただき,これを踏まえて,次にパンデミックが起こった際の備えと対応について協議した。
 コロナ禍で大きな問題となった「医療逼迫」をどのように避けるかについては,発熱外来を実施する医療機関を増やし,軽症者・重症者各専用医療機関を区分けする他,オンライン診療も活用することを提案した。要介護自宅療養者へは,医療職と介護職が協働し,チームとして対応することが奏功したケースが多数あり,そのために地域包括ケアシステムの推進と,京あんしんネットのようなコミュニケーションツールが非常に重要であるとし,ICT リテラシーを高めると同時に病院や施設でも利用できるよう工夫が必要であると指摘した。高齢者・障がい者施設における医療提供については,その診療報酬の給付制限は有事の際は適応しないことが求められ,一方で ACP の推進も必要とされた。
 また,医療・介護・福祉スタッフが絶対的に少ない現状が露呈され,その解消には診療報酬・介護報酬の引上げが不可欠であることや,医療 DXの推進とこれへの対応も必要性を挙げた。
 最後に,京都では KISA2 隊の活躍により自宅療養者の命が多数救われ,同時に他の多くの自治体が頼らざるを得なかった株式会社による単発往診専門の医療機関は,京都では参入がなかったことも付け加えた。

松井府医会長に答申を提出する伊藤照明委員長
(中央は地域ケア担当の市田府医理事)

2023年7月15日号TOP