2023年5月15日号
京都府立医科大学大学院医学研究科循環器内科学 教授 的場 聖明 氏
設問 1 持続する胸痛で注意すべき疾患は?
解答 1 ただちに緊急を要する疾患である急性心筋梗塞,急性心膜炎,急性大動脈解離,肺血栓塞栓症,緊張性気胸などを鑑別する。これらを鑑別すれば後はゆっくり検査を進める。
設問 2 肺塞栓の原疾患の危険因子は?
解答 2 ・12 週間以内の外科手術の既往
・最近4週間で3日以上の安静臥床
・深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の既往,家族歴
・骨折
・悪性疾患
・妊娠,産後
・カテーテル留置
浜松医科大学内科学第一講座 教授 杉本 健 氏
設問 1 潰瘍性大腸炎の病態に関与する3つのサイトカインプロファイルは?
解答 1 Th1,Th2,Th17
設問 2 臨床的再燃を防ぐために目指すべき治療目標は?
解答 2 粘膜治癒
京都府立医科大学眼科学教室 鎌田 さや花 氏
設問 1 眼疾患がある児童でも,本人が「見えている」と答えるようであれば,特別な配慮は必要ない。〇か×か?
解答 1 ×
解説 1 ・特に先天的に見えにくい児童や弱視児童は,これまでにはっきり見えていた経験がないので,自分では見えにくいとは思っていない。
・しかし,実際には他の児童よりも見えていないので,困る場面が出てきていることがあり,視機能を評価して配慮の要否を検討する必要がある。
・保護者や先生の“気づき”から,配慮の必要性が分かることも多い。
設問 2 近視のために“見えにくい”裸眼視力不良の児童と,ロービジョンで“見えにくい”矯正視力不良の児童では必要な学習配慮が違う。〇か×か?
解答 2 ○
解説 2 ・ 近視で “ 目が悪い ” 児童はとても多いが,ロービジョンで“見えにくい”児童は総数が少ないため,あまり理解されにくく放置されやすい。
・近視以外に目の異常がない場合は,眼鏡が合っていれば基本的には問題なく見える。
・一方,ロービジョン児の“見えにくい”は,近視の人の“見えにくい”とは全く異なるため,あらゆる学習配慮を検討する。すぐに補助具を使う等までは必要ない場合も,見えにくくて困っている場面がないか周囲が気にかけておく。
設問 3 見えにくさがある子どもに対して,京都ではあいあい教室,アイリス教室,京都視覚支援センター,宇治 SSC(スーパーサポートセンター)が支援してくれる。〇か×か?
解答 3 ○
解説 3 どこにどう連絡したらよいか分からない場合は,まずは京都ロービジョンネットワークに相談するとよい。
京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学 教授 家原 知子 氏
設問 1 小児がんの特徴は?
解答 1 ・化学療法感受性が高い。
・治癒率が高く,70%以上の患者は救命できる。
設問 2 小児がんの性腺毒性のある治療を開始する前(化学療法,放射線療法を含む)に説明する必要があることは何か?
解答 2 ・治療による妊孕性低下の可能性を説明
・妊孕性温存療法の方法について説明
設問 3 小児がんサバイバーが成人年齢に達する前後で必要なことは何か?
解答 3 ・長期フォローアップの必要性の理解
・自立支援と移行期医療
京都大学大学院医学研究科呼吸不全先進医療講座 特定准教授 半田 知宏 氏
設問 1 間質性肺炎の患者のうち,特発性肺線維症の可能性が高い背景や臨床所見はA,Bのどちらか?
(1) A.男性 B.女性
(2) A.50 歳 B.75 歳
(3) A.喫煙者 B.非喫煙者
(4) A.CT ですりガラス陰影を認める B.CT で蜂巣肺を認める
(5) A.ステロイドで改善を認める B.ステロイドで改善を認めない
解答 1 (1)A (2)B (3)A (4)B (5)B
設問 2 以下の患者のうち,肺移植施設への紹介を考慮するべき患者はどれか?
① 55 歳男性/IPF/安静時に PaO2 80 torr/6分間歩行試験で最低 SpO2 85%
② 70 歳女性/強皮症にともなう間質性肺炎/安静時 PaO2 55torr で在宅酸素療法中
③ 50 歳男性/IPF/肺癌を合併し術後2年で肺癌の再発を認めていない/肺高血圧症を合併している
解答 2 ①
愛知医科大学 運動療育センター准教授 井上 真輔 氏
設問 1 神経障害性疼痛に対して第一選択となる薬を3種類挙げよ。
解答 1 ・ガバペンペンチノイド(ミロガバリン,プレガバリン)
・SNRI(デュロキセチン)
・三環系抗うつ薬(アミトリプチリン)
設問 2 ミロガバリンの処方にあたり,注意すべき副作用を3つ挙げよ。
解答 2 ・眠気
・めまい,浮動感
・体重増加
・複視 など
奈良県立医科大学 整形外科学教室 教授 田中 康仁 氏
設問 1 内反型変形性足関節症に有効な保存治療は?
解答 1 保存治療
a,温熱療法 ホットパック 超短波
b,薬物療法 消炎鎮痛剤 経口・軟膏・湿布
c,関節内注入 ステロイド ヒアルロン酸ナトリウム
d,運動療法 腓骨筋腱強化
e,足底挿板 外側ウエッジ
設問 2 Ⅲ-a期,Ⅲ-b期に有効な手術治療は?
解答 2 手術的治療