保険医療部通信(第381報) – 日医「医薬品供給不足緊急アンケート」の結果(速報)について

 先般ご協力いただきました日医の「医薬品供給不足緊急アンケート」(調査期間:8月9日から9月15日)につきまして,アンケート結果(6,773医療機関回答)の速報がまいりましたので抜粋してお知らせします。
 なお,本調査の結果については,国の検討会や対象業界団体に対する改善要望等の働きかけに活用されます。

日医発第1242号(技術)
令和5年10月6日

都道府県医師会 担当理事 殿

公益社団法人日本医師会常任理事
宮 川 政 昭
(公印省略)

医薬品供給不足 緊急アンケートの結果(速報)について

〇アンケート目的
 2020年12月の小林化工の医薬品品質問題を発端に現在も医薬品供給不足が続いています。これまで日本医師会は,製薬団体に対して増産要望を行い,後発医薬品供給量として,2020年が約814億錠,2021年が約866億錠,2022年も前年度並以上に供給されています。しかし,現場には必要な医薬品が届いていないのが現状であり,国の検討会においても医薬品流通の中で一部供給の偏在があることが問題視されています。
 今般,不足している医薬品とそれを取扱っている卸はどこなのか,また,処方しても不足している医薬品とその薬局がどこなのか,流通偏在はあるかなどの調査を実施しました。

*現状
 日本製薬団体連合会の医薬品供給状況にかかる調査結果を毎月公開しており令和5年8月では,薬価収載されている医薬品17,450品目のうち,通常出荷されている数は13,462品目(77.1%),限定出荷・出荷停止されている数は3,988品目(そのうち後発医薬品は2,928品目)(22.9%)と報告されている。しかし,医薬品供給状況は改善されていない。

〇アンケート対象   日本医師会会員及び地域医師会等会員
〇アンケート方法   WEB 調査
〇アンケート実施期間 令和5年8月9日から9月30 日
〇アンケート回答数  6,773 医療機関

*速報値のため最終結果時には数字等が変わる可能性があることをご承知おきください

所在地の都道府県エリア別の回答数

設問1-4 処方箋の発行区分

設問2-1 【院内処方】入手困難な医薬品の有無

N=2,989

エリア,診療科別集計

設問2-2【院内処方】医薬品供給不足が無い医療機関が取引している卸名
(主要な社名を1社だけ回答)

N=293

設問2-3【院内処方】入手困難な医薬品名一覧(2,096品目の上位抜粋)回答品目延べ数は14,204品目
(1医療機関最大10品目まで回答可)

設問2-3【院内処方】供給不足している医薬品を取引している卸名
(主要な社名を1社だけ回答)

設問2-4【院内処方】卸に発注した医薬品の納入状況
(一つだけ選択)

エリア,診療科別集計

設問3-1 【院外処方】院外薬局からの医薬品在庫不足に関する連絡の有無

エリア,診療科別集計

設問3-2【院外処方】処方困難な医薬品名一覧(1,489品目の上位品目)
回答品目延べ数は16,623品目(1医療機関最大10品目まで回答可)

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