2024年4月15日号
会員増強のため,新たな取組みとして,令和5年4月から運用している「KMA.com」を用いて,三層構造を堅持した上で,会費減免の対象である研修医,若手医師がどこの都道府県に異動しても会員資格を維持できるように府医で名簿を管理し,その名簿を地区医や医療機関にフィードバックするシステムを構築したいとの考えを示した。また,地区医には,「入会・異動の手続きの簡素化」や「入会を希望される研修医への『KMA.com』の案内」,「3年目以降専攻医の地区医師会会費無料化」への協力を依頼した。
令和6年1月下旬から2月中旬にかけての社会・医療保険状況について,◆松本日医会長は1月14日の会見で,2024年度診療報酬改定の主要課題となった医療従事者の賃上げについて,「着実に実績を示し,次回改定でも持続的な賃上げに向けた原資が確保できるように働きかけていきたい」と述べた。◆厚生労働省は1月26日の中医協総会に示した個別改定項目で,2024年度診療報酬改定で生活習慣病管理料,特定疾患療養管理料,特定疾患処方管理加算を見直す方針を示し,特定疾患療養管理料については,対象疾患から糖尿病,脂質異常症,高血圧を除外するとした。◆中医協委員を務める長島日医常任理事は2月3日,2024年度診療報酬改定での「特定疾患療養管理料」の見直しについて,「単に糖尿病,脂質異常症,高血圧が削除されるわけではない」と強調し,これまで特定疾患療養管理料を算定して生活習慣病の管理をしていた医療機関の大部分は,新設される生活習慣病管理料(Ⅱ)に移行できるとの考えを示した。◆中医協は2月14日の答申で,急性期から回復期への下り搬送を評価するため,「救急患者連携搬送料」を新設する方針を示した。◆新型コロナウイルス感染症の4月以降の診療体制について,政府が公費負担を全廃し,通常の診療と同様に患者の所得などに応じた自己負担とする方針を固めた。―といった話題を中心に説明した。
3月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。
京都市介護認定審査会の開催について,京都市よりオンライン開催の導入を進め,FAX 意見提出票による審査を段階的に廃止する方針が示されたことを報告した。
令和6年度中に一部の合議体から試行的にオンライン開催を導入し,FAX 意見提出票と並行して運用されることを説明。オンラインで参加する場合にも資料は従前どおりペーパーで事前に送付され,当面はペーパーレス化を行わない方針であると連絡した。京都市は4月に審査委員に書面で案内し,オンラインで出席する意向がある場合には,招待メール用のメールアドレスの提出を求めており,実際の導入は7月頃から各区1,2の合議体で試しながら始めていく予定とし,令和7年度からオンライン開催を本格運用すると同時に, FAX 意見提出票を廃止する見通しを示している。府医としては,何か問題点が生じた場合は,京都市に改善を求めていきたいと説明した。
令和6年度の診療報酬改定内容の周知について,前回改定と同様に府医作成の早見表等の資料を直接医療機関に送付するとともに,日医作成の改定に関する説明動画を府医ホームページに掲載することを案内した。また,京都医報3月1日号(No.2264)に発送等のスケジュールを案内しているとした。
今年度より診療報酬改定は6月施行に変更され,早見表等の送付について従前より1ヵ月程度後ろ倒しとなるものがあると説明。薬価改定は従前どおり4月施行のため資料の送付時期に変更ないことを周知した。
地区から,京都市における特定健診の実施方式について,市民の健康増進の観点から,健診受診率をコロナ禍前の水準に回復させるために,市民がアクセスしやすい小学校での集団健診の再開を京都市と粘り強く話し合っていただきたいとの意見が出された。
府医は,新型コロナウイルスが感染症法上の5類に引下げられたことを受けて,今後の集団健診の実施について,京都市内地区医の意向を確認したところ,多くの地区医から小学校での健診再開を望む意見が寄せられたが,京都市からは人員体制や安全性,運営の効率性を理由として,小学校を会場とした健診の再開は検討していないとの回答があったことを説明した。
府医としては,市民の健康を切り捨てて達成される効率化には明確に反対し,今後も京都市には市民の立場に立って,健診事業を実施いただけるよう要望していきたいと回答した。
地区から,令和元年に国からフレイルを評価する方針が示され,後期高齢者健診の問診票がフレイルを評価する項目に変更された中,結果を取りまとめている府医において,フレイル対策として何らかの取組みを検討しているかと質問が出された。
府医は,後期高齢者健診の問診結果については府医でデータ化し,請求データとして実施主体である市町村へ提出していると説明。京都市では,令和2年4月から開始した「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」に係る事業において,全国と比較した京都市の特性等を把握するために活用されているとし,また同事業のハイリスクアプローチを実施する際の対象者の状況を知る資料としても活用されていると回答した。