第55回全国学校保健・学校医大会メインテーマ「未来ある子ども達のために,いま学校医ができること」

 第55回全国学校保健・学校医大会が11月9日(土)に宮崎県(シーガイアコンベンションセンター)で開催された。本年は現地参加と後日のオンデマンド配信でされ,府医からは9名の参加であった。

 午前は「からだ・こころ1」,「からだ・こころ2」,「からだ・こころ3」,「耳鼻咽喉科」,「眼科」の5分科会で合計56の演題発表が行われた。
 午後は式典のあと,「学校医の魅力,やりがいとは何か〜現状と課題を踏まえて〜」をテーマとしたシンポジウムが行われ,「日本医師会作成『学校医のすすめ 〜そうだったのか学校医』発刊にあたって」と題した日本医師会学校保健委員会副委員長/日本学校保健会専務理事の弓倉 整氏による基調講演が行われたあと4つの演題の発表が行われた。弓倉 整氏は日医として今般20年ぶりに発刊された「学校医のすすめ 〜そうだったのか学校医」作成の経緯や内容のエッセンスを説明し,現在の学校保健の課題を指摘した上で今後の学校医活動の一助にしてもらいたいとの希望が述べられた。
 その後,4人の演者による発表があり,まず,児玉小児科院長 児玉隆志氏が,「小児科医の立場から」として実体験に基づく学校医の置かれた現状を報告し,学校医のやりがいや今後の可能性について述べた。
 次に,松浦みみ・はな・のどクリニック院長 松浦宏司氏からは,「耳鼻咽喉科医の立場から」と題して耳鼻咽喉科医としての役割や若い先生方へ「学校医としてのやりがい」についての提言を行った。
 おざきメディカルアソシエイツ尾﨑眼科延岡院長 石井紗綾氏は,「眼科医の立場から」として,子どもたちが能力を発揮することに貢献できることが眼科学校医としての大きな喜びであるとして,眼科学校医としてのやりがいについて考えを述べた。
 最後に,宮崎県教育庁スポーツ振興課 健康教育担当副主幹(養護教諭) 那須さおり氏が「養護教諭の立場から」と題して養護教諭にとって学校医の存在意義の大きさと,未来を担う子どもたちが健康意識を高め,健康に関する課題を適切に解決できる力を培うために学校医が果たす役割についての提言を行った。
 続く特別講演では「夢を夢で終わらせない競泳人生」と題して元オリンピック競泳日本代表コーチ 久世由美子氏による特別講演が行われ,オリンピックロンドン大会とリオデジャネイロ大会のメダリストである松田丈志選手とともに歩んだ28年の軌跡を熱く語った。そして来年度の開催県である神奈川県医師会の菊岡正和会長からの挨拶を以て第55回大会は無事終了した。

2024年12月1日号TOP